陵南公園に植栽されている「ホルトノキ」。ホルトノキ科ホルトノキ属の常緑高木で九州、四国や沖縄などに分布している。花期は7月でまだ早いと思ったが、再び自宅からeバイクで往復30キロを漕いできた。予想通り花はまだだが花茎が何本も伸びていて長さ3~4ミリの小さな蕾が出来ていた。
バラ科キイチゴ属の「エビガライチゴ(海老殻苺)」。北海道~九州の山地の陽当たりの良い場所に生育している。茎には赤紫色の腺毛が密生し細いトゲがありトゲは葉柄にも生えている。この様子をエビの殻に見立てて名付けられている。萼片は直径2.5~3センチで平開するが花弁は大きく開かない。受粉が終わると萼片はまた閉じてしまう。写真で花の下に見えるものは花後の幼果だろう。
ラン科ムカゴサイシン属の「ムカゴサイシン(零余子細辛)」。地中にある球茎をヤマノイモのムカゴ(零余子)に、花後に出てくる心形の葉をサイシンに譬えた。写真は若い果実の様子でラグビーボール状の部分の長さは1センチほど。短期間で結実して種子を散布し花茎は消える。
日影林道の沢沿いに咲く「サワギク(沢菊)」。キク科サワギク属の多年草で山地の沢沿いだけでなく林内でも見られる。5~8月に茎の上部に花径1~1.5センチの小さな花を多数付ける。舌状花は13~14枚ある。
高尾山“5号路”に生育する「カナウツギ(金空木)」。バラ科コゴメウツギ属の落葉低木で樹高は2メートルほどで株立ちになる。5~6月にコゴメウツギに似た直径5~6ミリの白い小さな花を多数咲かせる。花弁は10枚のように見えるがそのうち5枚は萼片で花弁は開花後に次第に落ちていく。写真では落ちていく花弁が偶然写っている。コゴメウツギの葉身はせいぜい5~6センチだが、カナウツギの葉は10センチを超えるものもある。
松木中学校下交差点付近の道端に生えている「ハタケニラ(畑韮)」。ネギ科(←ユリ科)ハタケニラ属の多年草で北アメリカ原産。明治時代に園芸用として日本に渡来しその後各地で野生化している。初夏に茎頂に直径1.5センチほどの花を散形に付ける。ニラの名前が付くがニラとは別属でニラのような臭さは無い。繁殖力が強く種子散布のほか地下茎でも拡がり駆除が難しい雑草になっている。
キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属の「スズサイコ(鈴柴胡)」。北海道~九州の山地や野原に生育する。草丈は50~100センチで、他のカモメヅルの仲間と異なりつる性ではなく細い茎が真っ直ぐに伸びている。初夏に茎の先端に集散花序を出し直径1センチほどの星形の花を数個付ける。花は夜開き日が当たると閉じる。薬草のミシマサイコ(三島柴胡)に草姿が似ており、昼間は閉じている様子を“鈴”に見立てて名付けられている。この日は明け方まで雨が降っていて午前9時頃でもまだ開いていた。これは神明谷戸のもの。
堀之内寺沢里山公園外周の草地に生育している「キバナノマツバニンジン(黄花松葉人参)」。アマ科アマ属の一年草で北アメリカ原産。花径は8~9ミリで花弁は5枚ある。花は午後に開くので午前中には見られない。
ミツガシワ科アサザ属の「アサザ(浅沙・阿佐佐)」。水面に葉を拡げる浮葉性多年草で初夏に花茎を伸ばし直径3~4センチの花を咲かせる。ここは小山田緑地のその名も“アサザ池”だが、池の水はほとんど無く通常であれば水面に浮いている葉が泥の上に拡がっている。朝9時頃に訪れるとまだ日差しが弱かったのかひとつだけ蕾があり、その後、10時頃に再訪すると綺麗に咲いていた。アサザは午前中に咲いて午後には閉じてしまう。
高尾山“6号路”で見られる「セッコク(石斛)」。写真は高さ20メートル以上のスギの高木に着生している様子。登山道を下を向いて登っていてはこの花は見られない。高尾山の登山道には様々な案内板があるが、6号路では“見上げてごらん”の案内板がある。
『キョロキョロしているといろいろな発見があるものです。のぞき込んだり、振り返ってみたり・・・。見上げてみるのもいいかもね。ほら、あそこにセッコクがあるよ。』