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ハラン・1~蕾

 地中から姿を現した直径2センチほどのキノコのような物体。これはキノコではなく「ハラン(葉蘭)」の蕾。キジカクシ科(←スズラン科・ユリ科)ハラン属の多年草で常緑の大きな葉が特徴。高級寿司店などでお皿代わりに使われている。
 ハランの花は地表スレスレに咲くので以前はオモトなどと同じようにナメクジやカタツムリによって受粉するのではないかと考えられていた。ところが近年の研究で、ハランはキノコに擬態しキノコのような臭いも出してキノコバエを呼び寄せ受粉の手助けをさせることが明らかになった。
 余談だが、お弁当の中でおかずを仕切っている緑色のプラスチック装飾品を“バラン”というが、これはハランに由来している。ハランに似せて作った“人造ハラン”が連濁によって“人造バラン”と呼ばれ、その後“人造”が取れて“バラン”となった。
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カイコバイモ・1~開花

 ユリ科バイモ属の「カイコバイモ(甲斐小貝母)」。日本固有種で山梨県、東京都、静岡県の山地の林内や林縁に生育する。草丈は7~8センチで釣鐘状の花の長さは1.5~2センチ。“甲斐”の名は山梨県の旧国名だが、コバイモの仲間にはアワコバイモ(阿波小貝母)、イズモコバイモ(出雲小貝母)、トサコバイモ(土佐小貝母)、ミノコバイモ(美濃小貝母)、コシノコバイモ(越の小貝母)などがあり地域性が高い。例えばコシノコバイモの花被片の縁にはギザギザとした突起があり、ミノコバイモは花被片の外側に突起があるが、カイコバイモの花被片には突起が見られず丸くスラっとしている。また花被片内側には黄色い斑紋があるのも特徴のひとつ。
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