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キブシ・4~樹皮

 昭和天皇が 『雑草という名前の草は無い。』 と述べられたことは有名だが、『雑木という名前の樹は無い。』 と私が言っても誰も気に留めない。
 雑木という言葉には、 “粗末な樹” と “いろいろな樹” の二つの意味がある。粗末な樹というのは、建材などに利用するため植林され管理されているスギやヒノキなどの針葉樹に対して、コナラやシデ類など、薪や炭にする雑多な広葉樹という意味で、里山生活が一般的だった時代の呼び方。昭和天皇の意を汲めば 『雑木にもそれぞれ名前があり、役割がある。役に立たない雑木は無い。』 ということ。火にくべられて役に立たないと言われては、雑木も浮かばれない。やはり雑木の定義は “いろいろな樹” というほうが良いだろう。
 「キブシ(木五倍子)」はこの界隈でよく見掛ける雑木のひとつ。春先に簪飾りのような綺麗な花を咲かせるので楽しみ。昔は鉄漿(お歯黒)にも使われていたこともあるし、二酸化炭素も吸収してくれるにで、十分、役に立っている。キブシはキブシ科キブシ属の落葉小高木で、株立ちになり細い樹が何本も生えてくる。若い幹の樹皮は赤褐色で皮目は白い斑点状になる。
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