アマチュア無線局 JO1KVS

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モービル同士の交信に適したバンドは 144MHz帯?

2015年02月12日 10時51分23秒 | アマチュア無線

城山湖には大勢のモービル無線局が集まりますが、午後5時で閉門のため、みんな一斉に帰ります。
その際、今日はどうもありがとうございました~と皆さんと交信し、丘陵地帯をそれぞれの帰路へと散っていきます。
その際、いろんなバンドを試してきたのですが、どのバンドがどんな感じで伝わるのか、それなりに体験が蓄積されてきたのでレポートします。
記事の順番は周波数順ではなく、交信実験の歴史順です。 

特定小電力トランシーバー 422MHz帯 10mW の場合
トランシーバーを直接持っての運転はいけないので、ダッシュボードに据え付けて、スピーカーマイクを接続しての交信。
これはもう、見える範囲までは保証出来ますが、見えないところに行ってしまうと厳しい。
10mWですが結構健闘し、数百メートルは山とか建物とかで遮られなければ全然平気です。
みんなで県道まで降りたところで「ではまた~、お気をつけて~」でした。
数年前はよくこれで解散モービルやってました。聞こえなくなったらおしまいなので潔い交信でした。
でもでも、特小も見通しさえあればよく飛ぶので、9km離れた自宅のベランダから、この城山湖解散モービルと交信出来ましたし、特小あなどれないんですよ。 富士山頂と自宅ベランダからでも交信出来ますし。

パーソナル無線 903~905MHz帯 5W の場合
430の倍以上の周波数、かなり癖のある電波で、直進性が非常に強く、山陰に入ってしまうとまだ近いのに劇的に弱くなってしまいます。
いくら5W出ているとは言えすぐに厳しくなって笑っちゃいました。(当方のアンテナがよく無かったからかも知れません)
県道まで出てそれぞれの方向に散り、少しは話せましたが、何か山などを挟んだ途端に交信が厳しくなり交信終了。 
ちなみに相手局が赤城山の上の方にいらした時は、関越自動車道で結構な距離をそこそこの時間交信できましたから、直進性は抜群です。 この周波数帯はプラチナバンドとして携帯電話に変わっていきます。より高い周波数を使っている携帯電話にとってはプラチナなんですね。

アマチュア無線 430MHz帯の場合
ゲインのあるアンテナ、パワーの出る無線機が使えるのでかなり実用的に交信が出来ます。が、山を超えたりすると厳しくなります。ビームアンテナ、山岳反射などを使えば違うのでしょうが、モービル同士だと逆方向に行った車が山を超えるともう交信がすぐ苦しくなります。パーソナルよりはかなり持ちますが傾向は似た感じで、走り出して十数分後には同じ方向の車とだけの交信になってしまいます。 
高いところを走るととんでもなく遠くに飛んで行くのもこのバンドの特徴ですね。 

デジタル簡易無線 350MHz帯 デジタルモード の場合
この無線は買って手続きを終えれば誰でも使える無線です。5Wも出て外部アンテナも使える。これは凄いことです。430MHzよりも波長は長いし、期待できるバンドです。実際ハンディ機と八木アンテナを担ぎあげて遠くと交信しておられる方が沢山いらっしゃいまして、想像していたよりも山越え、山間に強く、430とも一味違う飛びが報告されています。
モービル同士ではどうでしょう・・・。430MHzに近い感じで、信号が弱い時は音が変になる(ケロる)とか、全く無音になるとか、そんなことが起きます。5Wまでということもあって、通常使用では実用性は十分ありますが、430MHzでの解散モービルと大差ないと言うか、アンテナ、パワーでやはり劣るというか、音もアナログと比べれば悪いので聞きづらいというか、そんな感じです。 (あまり褒めてないですね(笑))
正直350MHz帯がアナログだったらもっと面白いだろうに、と思います。 

アマチュア無線 144MHz帯の場合
430と同様にゲインのあるアンテア、パワーの出る無線機が使えるだけでなく、伝搬特性が車での運用にマッチしているためか、非常によく交信できます。二山くらい越えてもちゃんと聞こえてつながります。その辺りの障害物、遮蔽物は難なく回り込んで信号も強く交信できます。さすが移動通信の黄金バンド、すべてのバランスが最高です。城山湖解散モービルも、430MHzの数倍距離が離れても交信が出来るので、いつまでも終わらない感じになりました。 
走行時に感じるQSBも波長が3倍になった分おおらかな感じになって430のようにパサパサ激しくありません。3倍の波になったわけではなく、まろやかにもなっています。直進性が低くなっているということが体験できます。
私はこれを「電波が柔らかい」と表現しますが、あるOMさんは「足が伸びる」と表現しています。
以前よく奥多摩から帰ってくるときに羽村の局長さんと交信したのですが、山間部で430だと厳しくなって通信不能ギリギリになった時に144MHzに切り替えたら59オーバーになった、なんてことは常でした。

アマチュア無線 29MHz帯FMの場合
144MHzと比べると波長が5倍も長いので、電波の質は大きく変わります。ボヤーッと包まれるような飛び方。 ただ、この周波数になると、車ではゲインのあるアンテナが使えない、電波があまり地面に沿って進んでくれない(感じ)で、遠くに離れるとかなり弱くなってしまいます。柔らかさから言えば山間部向きですが、利得と直進性の弱さがデメリット。
山間部向けと言えば林業では市民無線のトランシーバーが、やはり山の裏にも届いて役に立つそうです。それと27MHz帯と言えば違法CB、ではなくて、漁業無線。船同士の相性はかなり良いようです。船なら波長に見合ったアンテナも立てられますし、水平線の向こうにもこの周波数帯の電波は楽に届くからです。 

アマチュア無線 50MHz帯FMの場合
144MHzよりも電波が柔らかく(主観での表現) 、直進性もそこそこある。FM放送の電波と近いので飛びもそっくり。これは期待出来そうな周波数帯です。ところが1.4mのアンテナで利得ゼロ、しかもそのアンテナでは打ち上げ角もそんなに低くならない、次は2.1mの短縮ノンラジアル。これを使えば結構いけますが、誰でも付けられるサイズではない。
電波の柔らかさで山越えも結構いけるのですが、いかんせん、この周波数になるとノイズが増えてしまう。弱い電波が雑音に潜ってしまうのです。
雑音に強いSSBモードにすると真価を発揮しますが、50MHzのSSBに出れるようにするにはお金がかかりますし。
と言うわけで、かなりいけるのですが、総合的に144MHzのFMを上回らずという感じです。 

番外編 アマチュア無線 7MHzの場合
7MHzの交信は電離層反射での交信が通常で、グランドウェーブでの交信はほとんどありませんが、ある時コンテストのために高いところから運用されていた方と、私が麓の山間部をモービルで走っていた時に交信していただいたことがあります。それが凄かった。
山間部では上記のどのバンドでも地形の影響で車の動きに合わせてQSBが発生します。
ところが!7MHzでは全く感じなかったのです。ず~っと安定した信号強度。谷間のカーブをアンテナを揺らしながらロケーションの悪いところを走り回っていたので当然起きると思っていたのですが・・・。
波長40m(振幅もそれなりに大きいはず)の大きな電波に包まれていた感じでした。 
二台で少し離れて山間部を走行するときに、是非7MHzでの交信、試してみてください。面白いですよ。 

番外編 波長(というか直進性か?)とトンネル
モービルでトンネルに入ると、たちまち外の信号が聞こえなくなりますが、430MHzだと出入口方向からの電波はしばらく聞こえたり、トンネル内同士の交信も楽々です。でも短波帯だとトンネル内交信もかなり厳しくなります。電波が飛ぶには波長ごとにそれなりの空間が必要だ、と言うことが体感できます。

アマチュア無線は常に楽しい実験ですね。

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コメント (8)
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