長電話

~自費出版のススメ~

クライマックスシリーズの浸透

2009-09-08 | スポーツ
(黒江コーチと大久保コーチのいない)西武が楽天に抜かれ、さらに差を広げられていますし、セリーグでは阪神・広島がヤクルトを猛追しており、セパ共に3位争いが熾烈です。セリーグはちっとも負けてくれない巨人に、いくらがんばっても追いつけず、力尽きたかに見える中日と好調の阪神、ヤクルトと広島と、今節も見逃せない試合が組まれています。

これらが消化試合とならないのは、ご存知の通りクライマックスシリーズのおかげです。

以前パ・リーグで採用されていた、優勝しても「1位通過」扱いで、5割以下でもプレーオフで勝ち抜けば優勝、ではなく、1位にはちゃんと日本シリーズに出場できなくても「優勝」という冠をつけ、シリーズでは相当なアドバンテージの元で戦う今の制度は正しいのですが、一昨年は中日が2位から勝ちあがり、巨人の優勝の印象が薄くなり、渡辺読売新聞主筆のムカついた様子が報じられ、溜飲を下げつつも、気持ちは分かるなあ、と思ったことがありました。

これは選挙制度と同じで、どの制度も一長一短があります。選手層の厚いチームには有利な以前の優勝=日本シリーズ出場という単純な制度がいいし、後半に勢いがついてしまった今が旬のチーム、短期決戦に強い有能な監督のいるチームには今の制度がよいでしょう。

制度が定着し各チームも順応してきていますし、ファンにも優勝は優勝であるという意識が浸透してきているように思います。今年はどうみても巨人がペナントでも日本シリーズでも優勝する資格のあるチームです。中日はそれを目指しているがゆえに、去年も感じたシリーズでのダンディな遠慮が気になるところです。

オランダvs日本 親善試合

2009-09-06 | スポーツ
いくら日本がモチベーションが上がらない状態でもインドは日本に勝てないように、日本が調子の悪そうなオランダに勝てなくても不思議ではありません。

敵はオランダ、ベスト4常連チームですから、目標と合致するマッチメークとして理想的でした。ただオランダは本来の姿にほど遠いものだったにも関わらず、実況もマスコミもオランダの不調はスルー、あくまで強豪と「当たって砕けた」という論調で、リトマス試験紙としてのチームという扱い。本当は前半の健闘も大した事はないということなのを協会は気付いているのでしょうか。

ベストを尽くして疲れて負けたのですから、この戦いを奇禍とし、中心選手を換え戦術を練り直すか、あるいはW杯までの残り9ヵ月で、日韓W杯でベスト4の結果を残した韓国のような90分戦えるスタミナをつけるかが、この試合から導き出される教訓への回答ですが、岡田監督の試合後のコメントから聞く限り方針は後者のようで、今までやってきた保守的な布陣で愚を繰り返すつもりのようです。

日本は本田という新たなピースの登場により混乱していることを差し引いても、日本は弱いことがはっきり証明されたことは意義深いものではあります。ただ、オランダのゴールシーンをスローで見る度、彼等は実際にこのスローモーションのようにフィールドを眺めていたと思われます。

そうであったとしても、攻守の連動があった前半段階での本田、コウロキのプレーをもっと見たかったという試合ではありました。

寂しい現世利益

2009-09-04 | 政治
公明党の支持団体の尼崎での田中康夫氏に対する陰険な嫌がらせがあったことについて、田中氏自身がTBSラジオで示唆していました。宗教政党に対しても偏見があるとは思えない田中氏の実感としてのコメントはリアルで、やはり噂通りの団体なのか、とがっかりさせられました。

宗教というより、求心力のあるコアをもった共同体という印象があり、信者ひとりひとりには、およそ霊的パワーは感じないし、求めているのは現世利益です。日蓮宗という性格上、排他的にならざるを得ないから、どうしても組織だった行動を促され、選挙妨害(とまでは言えないか?)や動員の指示に応えてしまうのでしょう。政治家の党派的行動のようなものです。

党首、幹事長、元幹事長等が落選し、解党的出直しを迫られているといわれていますが、党首選すらしない、かの党は執行部に決定権があるわけではないので命令系統に変化はなく、風さえなければ十分に戦える態勢はこれからも続くことと思います。2ちゃんでいわれているようなカルトとは思いませんが、平和と福祉の党を標榜するのならもう少し爽やかに、せめて汚いマネだけはやめようじゃないか、と思います。悪の栄えたタメシはありません。

流行語大賞決定

2009-09-03 | アート
当然今年の流行語大賞となる民主党のキャッチフレーズ、「政権交代」。実はプロデューサーのデイブ・スペクター氏の進言を鳩山氏が採用したとも言われています。民主党のコピーは小沢党首時代から続く「国民の生活が第一」でした。公明党の「生活を守り抜く」、社民党の「生活再建」が追随したこともあり、インパクトは弱く、既に民主党ならではのものではなくなってしまっていました。

しかし「政権交代」となると、今回は民主党しか使えない上、1回限りしか使えません。政治、政局に詳しい人ならまだしも、それこそ「生活が第一」で生活している人達を動員するには、他党の差別化が必要という意味でこれほどよいキャッチもないと言えます。

自民党の「日本を守る、責任力」は、劣勢を覆すために考えられた保守政党としての押し出しを図ったものです。老人力だの鈍感力だの散漫力などが流行っていましたから、「責任力」という造語もそれほど抵抗なく、その実態は別として、責任政党としての姿勢の有り様を伝えるに相応しいフレーズでしょう。これもまた、自民党しか、そして与党であった今回しか使えないものです。

年末の流行語大賞授賞式にはぜひデイブ氏(審査員?)が鳩山氏の名代として、賞を受け取ってほしいものです。

納得のひきこもり

2009-09-02 | アート
「書を捨てよ、町へ出よう」とは寺山修司の言葉。東京にきて驚いたのは街を歩くだけで相当な情報が手に入ることでした。寺山の言葉にはもっと生きた情報を浴びろという意味合いがあったのかもしれません。

このところ忙しく、ネタがスポーツか政治になってしまっています。じっと仕事をしていてもスポーツと政治は毎日情報が提供されるのですが、アート系は自分からアプローチしないと情報が得られません。垂れ流される情報に満足し、他人のコメントに相槌をうち、そのうちそのコメントを自分が考えたような錯覚に陥ってしまうというネット環境の下、感覚は麻痺・腐敗していきます。

ひきこもり、ニート、ネトゲ廃人と、社会に適応できない人達が増え、ヤレヤレ困ったもんだと他人事を決め込んでいたのですが、身近にもそういった人が現われだし、なるほど、こういうイキサツでどつぼにはまるのか、と事情を知っているだけに腑に落ちるところもあり、その境遇に至る無理からぬ理由に納得したりしています。

国破れてサンガリア

2009-09-01 | 政治
楽しみにしていたプレスルームからの会見も、用意していたにも関わらず中継はされず、最後まで「さわらぬ神に祟りなし」状態は続き、マスコミと連動しないとちっとも面白く無いこの党の実態が明らかになることなく選挙戦を終えました。

幸福実現党の比例区での総得票数は45万票程度に留まり、全てがそうではないにしろ新興宗教の信者数としては十分な数を確保しているものの、100万票は必要な参議院比例の当選圏内にも達しないことが判明しました。

どう考えても不自然で無謀なこの選挙参入に対して、オウムを想起し、むしろ今後の活動を警戒する人も多いようですが、選挙活動の体裁だけは整っていましたし、選挙終盤の酷いロゴマークを付けた街宣車の厭戦気分ありありのやる気のなさからも、恥を知るマトモな感覚を持っている人も多いと思われ、官僚やオウムのように個人ではなく「種」のように全体で意思し、行動する連中ともまた違う団体なのでしょう。

みんながおかしいと思いつつ追求しない、このようなお祭りをする集団がいることは、日本社会が柔軟で寛容で適当なのか、文化の爛熟期の徒花なのか、とにかく自民・公明・幸福実現党という夢の宗教連立も露と消えました。