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長電話

~自費出版のススメ~

アラブの長すぎた春と日本の長すぎる平和

2013-07-09 | 政治
ブレーンが偏っているのか、自民党の「近代憲法」に対するイノセンスな姿勢も相当なものですが、相変わらず利権にまみれた軍を呼び出すことによって政治を調整する、エジプトの「憲法」意識も相当なもので、イスラエルやアメリカのプレゼンスによる特殊事情があるとはいえ、「アラブの長すぎる春」の破綻は収束へのイメージの持ちにくいものがあります。

乱暴だけどアメリカの国益を確保する独裁者と、愚かな国民との組み合わせがベストと思い推進してきた20世紀アメリカの海外への関与方針によって生まれたピノチェトやフセインのような非人道的連中を大量生産する時代が終わった転換点へのストレスと、このクーデターを捉えれば、少しは気が休まるってものですが、理念だけあって実行力に乏しかった日本の民主党の政権交代による悲喜劇にも似たエジプトの政治状況は傷ましくもあり、またブラックユーモアのようでもあります。

エジプトの軍人は投票権を有さず政治にも関与しません。文民統制にも興味を持たない国民により神聖化されているそうで、暴力が民主主義を担保するという、かつての日本や少し前のトルコやタイの軍隊の位置づけと近いものです。

こういう軍を最後に当てにするやり方を繰り返す国は、概ね憲法停止を繰り返し、議会が育たず結局求心力のある野党が成立せずに、革命をしたとしてもその受け皿がないものですから、今回のエジプトのような事態になります。

記者クラブ主宰の党首討論にて、総理の特殊な憲法観の披露を受けても、まったく違和感を感じず、それを取り立てて報道することのないマスコミに支配された日本人の憲法改正に対する問題意識を知るにつけ、経緯はどうあれ、しっかりした憲法を既に持つ幸運に恵まれ、ほんとに助かったなと感じ入ります。

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