長電話

~自費出版のススメ~

結局は、違憲選挙

2012-11-28 | 政治
野田総理の突然の解散宣言の背景にあった第三極潰しは奏功し、あわてる維新は自壊を始め、自民もまた、うかれ躁状態の党首が暴走、余計な事を言っては党内外で顰蹙を買い、本来確保していた支持をいたずらに減らしています。

民主・自民・維新、ともに男性がマッチョな方針ばかりを掲げており、見てても聞いてても非常にくたびれるし、検察の問題も原発も争点化にならんと嘆いておりました。

ところがなんと、あにはからんや、実によい「後出しジャンケン」的タイミングで、本来争点にすべき「原発」「女性・子供」目線を持っていると思われる新党が発足しました。

子供のような政局に明け暮れる男達にうんざりしていたテレビ画面に、琵琶湖をバックに手垢のついていない清新な印象の女性党首が突然現れたのですから、思惑でしか動けない政治屋やマスコミ連中も、ふと我に帰ったことでしょう。

面白いのは、ここに小沢一郎という、誰しもがオワコンと思っていた政治家が絡んでいることです。自民の老人達も「小沢さんは終わったのでミッション完了」などといって次々と引退している最中に、この元気、この野望、この執着。

石原さんや橋下さんは、ロックスターのチャリティイベントへの参加のように、「素材に徹する」傾向があり、自分を捨ててまで、身を捧げようとします。サッカーでいえば、ポストのような役割の長身フォワードであり、小沢さんのような司令塔的暗躍は苦手であるし、なにより組織が嫌いだとは思います。

橋下さんはこの女性党首、嘉田さんに今月26日に「総選挙で動き、原発を争点化してくれ」と持ちかけていたそうです。石原さんとの合流で「すべてが変節」してしまったかのように見えてしまっている橋下さんも気の毒ですが、自らの資質の限界と蕩尽されてしまったカラーに、もうこのお祭りの終わりを感じているのでしょう。

日本の選挙制度が昔のような中選挙区制なら良かったのに、と思われる今回の選挙運動の活況ですが、アラファトさんのごとく蘇ってくる小沢さんが、今回もまたキーマンになるのかもしれません。

ルールと野生 前都知事と前府知事の今後

2012-11-01 | 政治
自分がルールを守って、法に忠実だという自覚がある人ほど、ルールに雑に柔軟な他人に腹が立つものです。

私も頻繁に自転車に乗っているので一時期、無灯火や道路の右側を走っている人にムカついたものですが、都会に限っては真暗闇になることはないし、こちらが気をつけてさえいれば、そういった連中からの危険はおおむね回避できます。

徹底できない交通違反やマナー違反に、イチイチ気にかけていることが事故の元でもあるし、それを負担に感じるくらいのストレスがあるのならば、自転車なんて乗らない方がよいかもしれません。

見通しのよい道路でキッチリ信号を守る人たちは、ルールを守らない不貞の輩から事故をもらっても、「私は信号を守っていたのだから」と主張しつつ死んでいくのでしょう。

ルールを守り、かつ野生を失わないのが理想ですが、なかなかうまくいくものではありません。

石原慎太郎や橋下徹というタレントの毀誉褒貶ぶりは人間味があって、映画や落語の主人公などでしたらとても面白い対象です。また、カリスマもありチャーミングなオーラを発していますので、私のようなヒヨワな文系人間にとっては、その凄みのあるキャラクターは理屈など通じない、相対するとしても体力でたちまち吹っ飛ばされるという、恐怖の対象でもあります。

彼らは、バッシングも受けますが、好きなように生き、それをを許されているように見えます。彼らの実存にとって、法やマナー、かつて誓った約束などはおそらく小さな事であり、窮屈でメンドクサイことだと思います。そのセンスは政治家でさえなければ多くの人にとっては、(さっさと政治家を辞めた)立川談志や野坂昭如と同列の、歓迎すべき愉快なものだったでしょう。

ルールを守り、かつ野生を失わない。野暮なことは言うな。そんな彼らが公的な立場のなかで、どう世間に通用していくか、まだまだ楽しみなところです。