長電話

~自費出版のススメ~

サッカーと外交

2009-09-09 | スポーツ
日本にとっての外交とはアメリカが対象であり、次に東アジア、3、4がなくてロシアと続くのですが、先進国の関心事は常に中東にあります。インド洋の給油問題など政争の具程度に考える余裕(?)のある国会を戴くということもあり、日本にとって中東は石油を依存しているにも関わらず関与への優先順位としては低く、ヨーロッパ諸国が北朝鮮に関心を払わないように、日本も実感をもって論点にあげることはありません。

これはサッカーにも言えて、日本国内で優雅で感傷的な試合をし続けていられるのは、トップレベルの実感としての情報が欠如しているが故で、そういう意味でいえば、地の利であらかじめ(圧倒的に)不利ということになります。

日本サッカーがダメなのは、サッカーに向いていない国民性であると言い切る人も多いのですが、Jリーグバブルの頃、ジーコを始めポンコツながらセンスを持つ選手を数多く獲得することによって飛躍的にレベルアップすることができました。一流選手と触れること、海外経験豊富な監督、コーチからもたらされる技術とセンスをもった指導、そして強力なライバルの存在がなければ選手は育ちません。つまり今は情報が足りないのです。

ただ、今や不況まっただ中の日本に、かつてのような往年の一流選手(今だったら例えば、ベッカム、トッティ、デルピエロなど)を呼ぶ余裕はありません。そうすると出口としては思い出されるのがオシムの言葉、「日本人の日本化」です。しかし岡田監督のチーム作りは「日本人の韓国化、欧州化」です。ベストを尽くせば敗戦の責は問わない日本人におもねる、という意味では、日本人らしい戦略かもしれませんが、このままだと展望はみえず、30年くらいたった後に、「日本代表の一番強かったのは中田のいた頃だな」ということになりかねません。

日本外交の一番良かった頃は、経済が一番良かった頃だとすれば、日本人は常にお金次第という烙印をおされても仕方ありませんね。戦略はフィットすること、戦術は二の次だと、いつになったら気付き、実践できるのでしょうか。