アメリカのハワードホークスやボギーがヌーベルバーグを作り、「男と女」がアメリカンニューシネマに深い影響を与えたように、アメリカとフランスを中心としたヨーロッパは常に反目しあいながらもお互いを高めあってきました。
欧州の作家達は、韓国や中国の大抵の監督がハリウッド映画的娯楽要素を単純に作品に求めるのとは違い(フランスにもリュック・ベッソンのような嫌らしい方はいらっしゃいますが)ブライアンフェリーやデビッドボウイがそうだったように、アメリカというポップな物量文化を相対化する、またせざるをえない努力を強いられながら良い作品をつくってきました。
ドイツのヴィムヴェンターズもまた「ことの次第」に見られるようにアメリカや巨大資本に嫌悪感をもった映画作家のひとりです。そんな彼のフィルモグラフィーのなかに「アメリカの友人」という、先日亡くなったデニスホッパーが主演している傑作があります。
ジェームスディーンの子分であったビートニクな彼が「イージーライダー」で成功したにもかかわらずハリウッドでスポイルされ、リンチの「ブルーベルベット」で性格俳優として認められるまで、キャリアとしては空白期間にあたる時期の仕事で、有名な映画監督を配したキャスティングや音楽の秀逸さもあり、とても印象に残る作品です。
アメリカ映画のインサイダーでもアウトサイダーでもあるデニスホッパーを起用する反米監督による「アメリカの友人」というタイトルの映画という構図。映画がフィクションであると同時にドキュメントであるということを思い起こさせられます。(その後、地獄の黙示録というヴェンダースが嫌うコッポラのストラーロのカメラによる映画に参加しました)
「アメリカの友人」は正確には「アメリカンニューシネマの友人」であり、デラシネであるロードムービーの化身としてのデニスホッパーという、ブルーノガンツとヴェンタースのドッペルゲンガーである存在を「この時期」に起用することに大いなる意味があったのです。
今夜は持っている「白昼の幻想(the trip)」でも見ながら彼を追悼するという大義名分で飲みましょう。
欧州の作家達は、韓国や中国の大抵の監督がハリウッド映画的娯楽要素を単純に作品に求めるのとは違い(フランスにもリュック・ベッソンのような嫌らしい方はいらっしゃいますが)ブライアンフェリーやデビッドボウイがそうだったように、アメリカというポップな物量文化を相対化する、またせざるをえない努力を強いられながら良い作品をつくってきました。
ドイツのヴィムヴェンターズもまた「ことの次第」に見られるようにアメリカや巨大資本に嫌悪感をもった映画作家のひとりです。そんな彼のフィルモグラフィーのなかに「アメリカの友人」という、先日亡くなったデニスホッパーが主演している傑作があります。
ジェームスディーンの子分であったビートニクな彼が「イージーライダー」で成功したにもかかわらずハリウッドでスポイルされ、リンチの「ブルーベルベット」で性格俳優として認められるまで、キャリアとしては空白期間にあたる時期の仕事で、有名な映画監督を配したキャスティングや音楽の秀逸さもあり、とても印象に残る作品です。
アメリカ映画のインサイダーでもアウトサイダーでもあるデニスホッパーを起用する反米監督による「アメリカの友人」というタイトルの映画という構図。映画がフィクションであると同時にドキュメントであるということを思い起こさせられます。(その後、地獄の黙示録というヴェンダースが嫌うコッポラのストラーロのカメラによる映画に参加しました)
「アメリカの友人」は正確には「アメリカンニューシネマの友人」であり、デラシネであるロードムービーの化身としてのデニスホッパーという、ブルーノガンツとヴェンタースのドッペルゲンガーである存在を「この時期」に起用することに大いなる意味があったのです。
今夜は持っている「白昼の幻想(the trip)」でも見ながら彼を追悼するという大義名分で飲みましょう。