Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

「がに股」の復権

2023年12月25日 06時30分00秒 | Weblog
 「2022年初夏、10年目の記念すべき鼓童浅草公演として初演し好評いただいた「翔走」。今冬、満を持して全国主要都市にてお届けします。鼓童の歴史ある演目から、今の鼓童を象徴する曲までを網羅した濃密な舞台。今年を締めくくるに相応しいエネルギー溢れる舞台をお楽しみください。

 「主人公のマーシャは大好きな人形達(ピエロ、コロンビーヌ、ウッデンドール)と離れることなく一緒に冒険するんですが、そこは他にはない演出ですね。あと2幕、お菓子の国の場面直前では、クリスマスツリーから飛び出すように各国のキャラクターが出てくる演出になっています。新しい衣裳はとても可愛らしく、この作品にピッタリですし、素敵な装置も幕が開いた瞬間に心が浮き立つことでしょう

 日本の伝統芸能である「太鼓」とヨーロッパの伝統芸術である「バレエ」とでは、余りにも違う。
 だが、意外なところに共通点があるようにも思える。
 まず、違いの点について言うと、音楽に対する感覚がまるで違う。
 日本的な感覚では、太鼓(と笛)があれば十分に芸術作品が成立することは、「能」も示すとおりである。
 対して、ヨーロッパ的な感覚では、メロディーのない・太鼓の音だけの芸能・芸術など成立しないと考えるのが普通なのではないかと思う。
 オーケストラにおけるティンパニはわき役だし「ボレロ」にしてみても、「メロディ」が不可欠の要素を成している。
 次に、共通点について言うと、「スタンス」が似ているように思う(専門家ではないので間違っているかもしれないが・・・)。
 どういうことかと言うと、太鼓を演奏する人の基本的な姿勢は「がに股」であるのに対し、バレエの基本姿勢の「アン・デオール(en dehors)」も、(誤解を恐れずに言えば)やはり「がに股」なのである。
 実は、「がに股」は、解剖学的には非常に合理的な姿勢なのである。
 どうしてこの点に思い至ったのかというと、「くるみ割り人形」のウッデンドールを見ていたときに、「あっ、これはさっきの鼓童の姿勢だ!」と気付いたのである。

 「四足動物でも時と場合により後ろ足だけで立つことがあります。イヌやネコを飼っている方は分かると思いますが、立ったときの後ろ足はがに股になっていますよね。それは股関節が外側に開いた構造をしているからなのです。
 人間でも赤ちゃんはみんながに股ですよね。がに股でよたよたと歩いている姿は本当に微笑ましいものですが、実はこれはある意味理想の歩き方ともいえるのです。
 人間の股関節も四足動物同様、やや外側に開いた形でついています。赤ちゃんはその構造のまま自然の姿で歩いているわけなのです。筋力がありませんから大きな頭を支えるために重心はあるがままの位置に落ち着いている、垂直にすっと一本の線が通った形です。これが最も体への負担がない姿勢なのです。」(p23)

 ・・・というわけで、年末年始は「がに股」を強く意識して過ごそうと思う。

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