サーファー院長の骨休め

“ビッグマッサータハラ”のライフスタイル

サーファー院長の骨休め 「ヘルニア闘病記 復活への道」

2023-09-25 | サーファー院長の骨休め by 毎湘通信
「ヘルニア闘病記 復活への道」          2023.7月

 2021年冬。腰部椎間板ヘルニアの手術から一夜明け、まだ完全ではないものの、術前のあの脚の凍り付いたような痛みに比べれば大分良くなった。この日からリハビリが始まった。理学療法士さんの指導の下、まずは、寝返り、起き上がり、立ち上がるという日常動作を訓練した。今までやっていた何気ない動作も傷口の痛みで機敏には動けない。腰に意識を集中させゆっくりと行った。「トイレまで歩いてみましょうか。」とベッドから立ち上がった。もうかれこれ一か月近くまともに歩けず、入院してからは車椅子に頼って歩いていたので、腰を伸ばして歩くことを忘れていた。「こんなに目線が高かった?」点滴スタンドを左手で押しながら、一歩目を出してみた。地面を蹴れない。体を前に押し出す力がない。10cm踏み出すのがやっとだった。ずっとふくらはぎが麻痺していたせいだろう。更に片脚立ちも力がなく、ふらふらしてしまう。こんなにも衰えているのかと驚いた。

 入浴の許可が出た。服を脱ぐと鏡に自分の体が映った。腰の透明なテープ
の下に薄く傷口が見えた。垂れた尻に細くなった脚。高校の頃、女子に「田原
君のお尻が素敵。」と言われたあの尻はもう見る影もない。体重計に乗ると3キロも減っていた。

 体を洗い、気分も一新、生まれ変わった気持ちで、自分はこれから何に向かって行くのかと考えた。体を鍛え直し復活してみせる。「この夏、サーフィンの全日本に出る。」と目標を定めた。サーフィンができる体を作れば、おのずと仕事もできる。その予選会まであと5ヶ月ある。スケジュールをノートに書いた。理学療法士の先生にトレーニングの方法をコピーしてもらい、自主トレを行った。夜中に起きて廊下を歩き、自販機の隅でスクワットをした。食欲も出てきて、減らしていたごはんの量を戻してもらった。入院8日目、57歳の誕生日の朝食にバースデーカードが添えられていた。




入院から手術の日まで5日間この状態で食事をとり、一睡もできず、痛みに耐えた。
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