「大磯海水浴場140周年記念・照ヶ崎SUP教室」
明治18年(1885)医師松本順によって大磯に日本初の海水浴場が開設されました。当時海水浴は医療であり、海というフィールドを使った療法でした。海水はミネラルを含み、磯に打ち付ける波しぶきはマイナスイオンを放散し、岩間の濁流に身を任すと皮膚や筋肉が刺激され身体が強化されました。禱龍館という診療所兼旅館では、松本順指導のもと医療行為が行われ、日本料理や西洋料理も楽しむことができ、一帯は保養地となっていきました。時代が進むにつれ海水浴は、「浸かるから泳ぐ」へと変化し、「療養からレジャー」へと進化していきました。大正には板に腹ばいになって波に乗る「板子」が登場し、海水浴場内で波に乗る人がいました。昭和になり戦争が終わると米兵が持ち込んだサーフボードを見本に日本でもボードを製造するようになり、サーファーが急増していきました。私がサーフィンを始めたのは、1978年で、それまでは3mあった長く重いボードは姿を消し、取り回しのし易いショートボードに変わりました。1990年代になるとロングボードがリバイバルし、現在では多種多様なタイプのボードでそれぞれが違った楽しみ方をしています。松本順がかつて国民に提唱した海水に浸かることが健康にいいということは、健康感みなぎるサーファーが身を持って証明しています。
そんな大磯海水浴場140周年を記念して大磯町が海に関係する催しを企画し、ビーチヨガとSUP教室を行うことになりました。私が講師となり照ヶ崎海岸で「SUP教室」を行いました。町内在住の12名の参加者が140年の歴史に思いを馳せながら照ヶ崎の岩間でSUPを楽しみました。殆どの方がSUP初体験で、普段泳ぐこともない照ヶ崎海岸にて、アオバトの名所で遠く富士山を眺めながらの海上散歩は、大磯ならではの貴重な体験となったことでしょう。
