美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

1年生オリエンテーション

2014年04月11日 21時02分29秒 | 裾花中 美術の授業の時間です
裾花中,長崎です。

裾花中では,1年生8クラス中,4クラスを私が担当しています。今日行った1クラスの授業の様子をお伝えしましょう。

一通り,図工と美術の違いや,美術室のルールなどを話してから,本題に入ります。

まずは,長崎先生の第一印象を言葉で書かせます。「優しそう」とか「元気」とか「かっこいい」(!)とか,子どもたちは思い思いに書きます。

次に,その“印象”を絵で描かせます。「顔を描くのではないですよ」とことわって。

これは難しい!
抽象的な表現など,一切やってこなかったであろう子どもたちには難しいです。
そう。感じたことを絵にするって,難しいことなのかもしれないね。

でも実は,初めからそんなこと無理!って決めつけることはないかもしれないよ。

と言って,今度は子どもたちに自己紹介をしてもらいます。まずは言葉で。
好きな食べ物は? 得意なスポーツは? 動物にたとえると? 性格は?

で,最後に。
「そんな自分をPRする,ゆるキャラを考えよう」と,投げかけます。

すると教室内は盛り上がり,一気に創作モードに入っていきます。
「犬に水中めがねをかけさせて,頭にソースと青のりかけてつまようじを刺そう!」
みたいな感じで,自己紹介の時に書いたものを組み合わせながら,いつの間にか“性格”のようにイメージの部分もそのキャラクターに反映させていくことができてしまうのです。



最後に子どもたちに話します。

「どうだった?感じたことを描くのって楽しいでしょう?たくさん工夫が出来るからね。それに,友だちの作品を見るのも楽しくなる。これから始まる美術では,そんなの無理って思わずに,まずはやってみよう。絶対に楽しくなってくるから! 来週の美術も楽しみにしていてくださいね。」


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NHK Eテレ新番組『キミなら何つくる?』

2014年04月09日 21時03分29秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

先日お伝えした,Eテレで始まった図工の新番組『キミなら何つくる?』見ましたか?


なかなかよく考えられていて,おもしろい番組になっていると感じましたが,皆さんはいかがでしたでしょうか?

第1回は「えがこう!感じてフラワー」。COWCOWの2人とうぶちゃんという女の子が,花の絵を描いていくわけですが…,

先生役のよしくんが

『ぼくは,花の形がおもしろいと思って,形で描いている』

と言って,

『今日は,それぞれが感じた花を,思うように描いてみよう』

と2人に投げかけます。
(これって,師範と学習課題ですよね!)


紙をを選んで,さぁ描き始めようと思ったら,うぶちゃんは,

「花のやさしいふんわりした感じを描きたいんだけど,花を見ないとうまく描けないよ」

と言います。
(「描きたいものがあっても,描き方がわからない」子どもがよく言う言葉です。)

これに,よしくんはナイスな返しをします!

『見たままそっくりに描こうと思わなくてもええやん。うぶちゃんが思う,やさしいふんわりした色や形で描いてみたら?』

まさに理想的な声がけ,アドバイスです!


その後うぶちゃんは,絵の具の混ぜ方や水の含ませ方にもちょっとふれて,思い描く感じに描いていきます。

多田くんは,フィンガーペインティングで。


作家さんの作品紹介や実際の学校での授業の様子の紹介もあって,

これで10分とは,本当にもりだくさん!

主張したいところがしっかり伝わってくる,丁寧なつくりになっていると感じました。たくさん子どもたち,そして先生方に見てもらいたい番組です。

長野県には,図工の専科の先生はいません。どの小学校でも,担任の先生が図工を教えます。
なので,昔ながらの作品主義的な指導法がいまだに普通におこなわれていたりします。
そんな先生方には「目から鱗」でしょう!
次回も楽しみです。

さて,明日から教科の授業が始まります。まずは明日はオリエンテーション。
どんなオリエンテーションを行うのか。またご紹介していきたいと思います。



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わたしのカラフルキャンドル

2014年04月08日 21時23分00秒 | 過去の題材
裾花中,長崎です。

今日は小学校1年生の題材。モザイクキャンドル作りです。
図工というか。生活科というか…って感じではありますが,子どもたちはいろいろと工夫しながら,活動していました。


小さなパーツは,トレイに色つきのロウを流して,完全に固まる前に,型抜きをしたり,形を切り出したりして作りました。
組み合わせると,2色のパーツができあがるのを発見した子がいました!すごい!


子どもたちは,自分で作ったパーツを,大事そうに並べたり,積んだりして楽しんでいました。


それらを組み合わせて,大きなカップにつめて,透明なロウを流し込んで完成!!
火を灯した画像がないのは,大事すぎて,家にすぐ持って帰っちゃったためです…(^_^;)


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図工の番組がNHKで放送開始だそうです!

2014年04月08日 18時09分46秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

NHK(Eテレ)で,明日9日9:10~9:20,図工の新番組が放送されるようです。


NHKのブログでは,

『決まった「正解」がない図工。だからこそ、自分の思いを表現するための「発想・構想」の過程を大切に番組を作っていきたいと思っています。番組を見た子どもたちが「自分も作ってみたい!」と思ってくれることを願っています。
番組ホームページ上には、みんながつくった作品を見られたり、自分がつくった作品の写真を送れたりするコーナーもあります。作品の写真や番組の感想を、ぜひホームページにお寄せください!』

と,紹介されていました。

楽しみですね!これを機に,図工美術がもっと盛り上がったらいいのになぁ…!


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じょきじょきニョキニョキ! アルミ缶で造形遊び

2014年04月07日 21時02分13秒 | 過去の題材
裾花中,長崎です。

今日は,アルミ缶での造形遊びを紹介します。

アルミ缶は,はさみで簡単に切れますし,細く切り出すと自然にくるくる丸まって,おもしろい形ができあがります。
6年生での造形遊びから,最終的にできあがったものを作品として校内に飾ってみました。

制作の前に,素材とかかわる時間をたくさん持つ,という今では当たり前に行われていることですが,まだまだこのころは造形遊び自体認知されていない時代。
私もいろいろと試行錯誤していました。

このときのクラスは,私が低学年の時からそんな造形遊びを積み重ねてきた本当にすごい子たちでした。

なので6年生のときの図工は,「今日はこの材料を使ってみよう。どんなことができるかな?」と提案するだけで,どんどん活動が広がっていく。
そんな理想の授業を毎回毎回,楽しくさせてもらいました。


思えば,あのころが一番楽しかった。
誰もやっていないことを一番に試してみたくて,見るもの聞くもの,すべて図工美術につながらないか,いつも考えていました。
今も切磋琢磨し合っている仲間の先生方と出会ったもあのころ。

私がこのブログを開設したのも,あんな経験を今の先生方にも味わってもらいたいからなのです。

わたしのパペット(ぱくぱく人形)

2014年04月06日 17時56分46秒 | 過去の題材
裾花中,長崎です。

今日は,小学校低学年向けの工作の紹介です。これは,小学校2年生で作ったパペット(セサミストリートに出てくるような口をパクパク動かす人形)です。


深めのボール型の紙皿を,2つに切り,口にします。
持ち手は写真にあるように,牛乳パックを1面だけ残して2つに折り,紙皿に接着します。

あとは,自分の考えたキャラクターに合わせて,表情や服などを工夫して作っていきます。

顔に自分の手を入れて遊ぶことができるので,子どもたちは作っては遊び,作っては遊び,大変盛り上がります。

この時は,人形劇をクラスの中核活動として取り組み,1年間あちこちに公演に行かせていただきました。

このパクパク人形っていうのは,子どもたちにとって自分の分身,あるいは自分そのものなのかもしれません。壊れるたびに何度も何度も修理し,子どもたちは1年間本当に大事にしていました。

この作り方は,私の完全オリジナルなので,もっといい方法があったらどなたか教えていただけるとうれしいです。

CDを使った造形遊び

2014年04月05日 21時52分54秒 | 過去の題材
裾花中,長崎です。

あいにくの雨模様でしたが,昨日はおごそかに入学式が挙行されました。

卒業式を飾った美術部制作のステージバックは,今度は新入生を迎える春の空になりました。

さて,来週から数日は教科の授業もありませんので,今日からしばらくは,私の過去の題材をご紹介しようと思います。

今日は,CDを使った造形遊びです。
これを初めてやったのは平成14年ですから,なんともう10年前になります。

この頃はちょうど,使い捨てのCD-Rが出回り始めた時期で,各家庭にお願いすると,1人数枚は持ってくることが出来ました。また,ホームセンターなどではインターネットのプロバイダ契約用にCDを置いていたりして,不必要になったものをたくさんいただいてくることもできました。
素材とすると,表はカラフルに印刷されていて,裏は鏡面,という魅力的なもの! おまけにはさみで容易に切ることも出来ました。

題材名は『鏡の国のABCD』。小学校5年生で行いました。
このときは,飾るものをつくろう,と提案してしまったので,身近ないろいろなものに貼りながら思い思いに活動していきました。
なので厳密に言えば造形遊びではないですね…。

その後,5年ほど前にもう一度6年生で同じように行いました。そのときはDVD-Rも使ったのですが,同じ鏡面でも,CDは緑,DVDは紫なのですね。
こんなちょっとした色の違いも,子どもたちの創造する力を引き出してくれます。

今でも,子どもたちが手軽に使える鏡面の素材として,私はいつも材料コーナーに常備しています。なかなかCDは魅力的な素材です。

明日は入学式!

2014年04月03日 22時07分41秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

県下の多くの学校も同じだと思いますが,本校も明日は平成26年度入学式です。
新しい生徒を迎える準備と,クラス替え後の私のクラスの準備とで,美術のことについて考えている余裕はあまりなかったのですが…。

教科会の中でスケッチブックの扱いについて話題になりました。
毎年1年生の最初に,スケッチブックを購入する学校は多いと思いますが,みなさんの学校ではどのように使っていますか?
私は,なかなか3年間でしっかりと使いこなせていないのが正直なところです。
サイズも小さくし,枚数も少なくして,アイデアスケッチなどではフル活用してはいますが,もっと有効な使い方はありそうです。

このあたりのことについても,今後話題にしていけたら,と思います。

中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~

2014年04月02日 18時29分35秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。

アドレス使えるようになりました。メッセージ,コメントお待ちしています(^_^)/

さて,前回の続きですが,裾花中では1年生の最初の題材は,“MYてぬぐい”です。
題材名は『粋にならべて 日本を感じて』

まず,てぬぐいは中学生になって初めて清掃時に使うことになるもの。これまでは全くといって良いほどなじみのない物だと思います。
そのデザインにこれからの中学校生活への願いを込めてオリジナルの手ぬぐいを制作していきます。

キーワードは「粋」。

手ぬぐいは,今でも多くの日本人に愛される日常品の一つであり,伝統的な工芸品でもあります。
江戸時代には生活必需品として定着し,「粋」や「洒落」を演出するために,そのデザインには縁起柄や吉祥柄を組み合わせたものも存在します。

子どもたちは,デザインのおもしろさを感じ,工夫しながら,昔の人々と同じように,自然にそこに願いを込めて製作していくことになるのです。
つまり,これが「表現主題」ですよね!

この題材から入ることで,図工からスムーズに美術へと移行していけることを願っています。

今年の1年生の制作の様子も。随時アップしていきますので,お楽しみに!

・中一ギャップは図工美術にもある!?~その1~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その2~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その3~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~