美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

何を学ばせ、何を発表すべきか?

2018-02-04 21:02:54 | 日記
県の美術展が終わり、すぐに今度は市の小中美術展。
この間が短くて慌ただしい。でも作品発表の場は大事です。
誰のどの作品をどうやって発表してあげれば、よりキラリと光るのか考えながら作品を選び出品しました。



さてこの美術展に先立って数週間前に行われた審査会にて。
近年審査に冷ややかな僕は、審査員の立場を先輩に譲り、立ち会いのみさせてもらいました。

入賞した作品たちを見て。
…年間の35時間、45時間をどう過ごしているの?
学習指導要領の改訂が近づき、様々な機会でこれからの授業のことを考えてきました。
皆さんそうじゃないのでしょうか…
漫然と今まで通り、何年も前からやり続けている題材に取り組ませ続け、そこに投票し続け、賞を取り続け…
それを見続けている免許外の先生方もそこを目指して…

入賞した作品のいくつかは免許外の先生方が制作させた作品でした。

つまり美術教師以外の先生方が教えても賞は取れる現状です。
専門家ではない人が教えても制作させることができるような作品に賞を与える美術展です。
そういう作品を良しとし、皆がそこを目指して制作させ。
他の作品制作や鑑賞などをする時間を削ってでも、一作品をとことん時間をかけて制作させることで大作を生み出し。
そこに賞を与え展示する。
観覧客はそんな作品を「素晴らしい!」と言いながら観ている。

そういった現状に誰も違和感や危機感を抱いていない和やかな雰囲気の審査会。
これ駄目じゃないんですかね?


どうしたらこういう現状を打破できるのでしょうか?
今年度春から秋にかけて、勉強したことを元に、県の会議にて美術展の在り方、それに伴う授業の在り方について声を上げて異論を唱え戦ってみたこともありました。結果は少数派で敗退。
多数派は美術展に大作を送り込む授業計画を捨てきれないようです。「目指すべき一等賞の作品を決めるべき」だそうな。
…なんじゃそりゃ。です。

これらの件については県の部会長さんともう随分話し合っています。
しかし新採用の美術教師が一切入って来ていない我が県では、もう数年かけて少しずつ美術科教員が循環して刷新されるのを待ちながら、長期戦を覚悟しながら声をあげ続けていくしかないようです。
その間、たくさんの生徒たちが犠牲になり続けることが心苦しい。

一方、小学校の図工界で頑張っているY君。昨日美術展会場で作品を見歩きながら色々話してきました。
信念を持って闘ってるなと感心。
勉強もしてるし、精力的に題材を開発し続けて実践も熱心にしてるし、それを全国的に発表して広めてる。
近くが変えづらいなら、外堀から変えていっているといった感もある。
そういう教師も確かに近くにいる訳です。

自分も頑張らなきゃな。
今はまだちょっと中途半端。

この学校で何ができるか?
今の立場でできることは何か?
今だから、自分だからできることを大事に、中学生たちに学ばせるべきことをしっかり考えた題材開発をし、教科年間計画も整理し、発表する作品たちは、それまでの授業が見える工夫・改善をし続けなくては。
やり続けていくこと、声をあげ続けることで、共感する仲間が増えていくことを狙うしかないかな。

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青森県中学校選抜美術展日記③

2018-01-14 23:55:35 | 日記
今日で終了。
県内から集まったたくさんの作品をじっくり鑑賞し、色々考えました。かなり考えさせられてグチャグチャです…

目を見張るような立派な作品たち。
観覧客の一般の皆さんも感嘆の声を上げながら見て下さっていました。
いったい何時間かけてこんな大作を仕上げたんだろう?
どんな目標で取り組んだ題材なんだろう?
写真のようなリアリティーの絵画。すごいなー。


…が、しかし。です。

果たしてこんな綺麗な夕焼け空に染まった街並みの景色や、絶景写真のような景色。
これ生徒が自分で見つけて撮影したんでしょうか?
甚だ疑問でした。
上手で目を惹く絵画作品ほど、そういった疑問を抱かせてしまうものが多く、考えさせられてしまいました。

授業の中でテーマを設けて、考えさせ、ねらいをもたせて取り組んだであろう作品もいくつもありましたが、こういった作品展の中においては少し見劣りしてしまいます。

さて…その中間を狙うように題材開発をし、取り組んできたつもりの僕は、なんだかどこに軸を置いて今後の指導計画を作っていけばいいのか悩んでしまいました。
しかしそんな時、会場当番中に昨年退職された前任の美術教師の先輩が訪ねてきてくださいました。
「あの子達をよくここまで育ててくれた!」
「そうやって色々と課題に気づき考えようとしてるんだから大丈夫!」

たくさんの労いの言葉をいただき、なんだか泣きそうになりました。
またちゃんと考えて頑張らねば。

観覧者アンケートは…ちょっと意味がなかったかも。
思いの外たくさんの方が書いてくださったことには感謝です。
しかし項目や採り方が原因でしょう。基本的にただ「上手いすごい」のお褒めの言葉のオンパレードで、こちらが狙ったような改革につなげることができるようなご意見は聞き出せませんでした。
しっかり見直して、来年こそは意味のあるものにしたいものです。

以上。
今年度の県展のまとめでした。
…スッキリしてませんが。





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青森県中学校選抜美術展日記②

2018-01-12 16:50:00 | 日記

本日から開催。

昨日は普段あまりお会いすることがない青森県内の美術科の先生方と、展示作業、審査会、懇親会と、忙しいながらも夜遅くまで有意義に過ごすことができました。

地区の審査会を経ての県審査会。
んー…意味あるのかなー。
やっぱり思ってしまう。
お上手な作品たちが喝采を浴び、賞が振り分けられる作業を見届ける毎年。
長年続いてきた何かを変えるということが簡単ではないことを思い知った今年度。少しずつ変化させていく働きかけをし続けていきたいとまた考えるのでした。

今年度少し動かしてみた点は『アンケート』。
いつも教育関係者、美術教員の意見しか聞くことなく検討が続けられてきたので、ここで一般観覧者の声を聞いてみることにしました。
これは昨年末に市内某所で開催された、東北地区美術教師三者協議会で話し合われた際に出てきたアイディアを早速取り入れたもの。

今回はただのアンケートです。
今後の本美術展の改善を考える際の裏付けにも活用したいと考えています。
と、もうひとつ。いずれ『オーディエンス賞』のような一般観覧者の投票に結びつける足がかりにすることも想定しています。

こんな風に、何かを一気に変えるのが無理ならば、少しずつ少しずつ試行錯誤しながらより良い形を作っていけたらと思います。

自分の取り組みはというと…
今ひとつかな。今年度はあまり良い教科経営できませんでした。
唯一工夫したのは写真のようなパネルを設置したことぐらい。

来年度に向けて年間計画や題材作りをしっかり組み立てていきたいと思います。

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今年の3年生作品

2017-12-02 20:49:06 | 日記
なかなか投稿に至らぬ日々…。
今年度はペースダウンやむを得ずです。

さて勤務校が変わっても、育てたい資質・能力は変わるわけではないので、この学校に合わせた題材を考え取り組ませています。

3年生の2学期以降の題材は「未来の自分像」。昨年までも他校で「木」をモチーフに自分の将来を考え、「未来の樹」として表現してもらっていましたが、それは前任校がりんごの木を育てていたからこその題材。
今年はシンプルに人体モチーフで取り組んでいます。

これまで学んできたこと全てを生かしすことをキーワードに、卒業制作として位置付け、やりたいことをトコトンやり尽くすよう取り組ませています。
絵を描くのが好きな子は、土台や人体像をキャンバスに絵画的な表現を。
美術が得意じゃない子は、材料の組み合わせでユニークな造形チャレンジを。
そんな感じです。


しかし、これまで扱ったことのない材料に多くの生徒が興味津々。
気づけば「材料の組み合わせ」中心に。
この題材で僕がよく用意する、ジオラマ素材、アクリル絵の具用のゲルメディウムが大人気。


主材料の軽量紙粘土を使った表現の工夫を指導する機会よりも、こちらの補助材料の使い方指導がメインになる毎時間です。

しかし、生徒も学級数も多いので、昨年までの2,30人を相手に指導していたのとは訳が違いすぎます。
きめ細やかな指導はできないのが苦しいです。
ここ数年で築いてきた指導スタイルや題材観がそうは簡単に変えられないので、極狭の水道もない美術室内をグルグルと小走りで回りながらの個別指導で毎時間疲れ果てます。
アイディアスケッチを集めて評価しつつ、アドバイスを書いていると何日も何日もかかります。
気づけば手のかかる生徒の陰で、何にも制作が捗ってない生徒もいたりします。

その学校に合った題材や指導スタイルも大事なのでしょうか?
今年度はもうこのまま進めるしかありませんが、来年度の立場が今年度同様なら考え直さなきゃ駄目かもしれません。

さて2学期も終盤になり、この学校でも放課後残って制作したい生徒、昼休みに制作したい生徒も出てき始めました。
完成に向けて頑張る子たちと連日コミュニケーションを深めながら、お手伝いする毎日となっております。
授業中には見えない生徒たち一人一人の個性が見えるし、授業中には語る余裕のない表現の意図、表現したい思いなんかもたくさん聞けて有意義な時間です。
残りわずかな制作期間となりましたが、だんだん美術の楽しさや表現する・造形することの楽しさに気づき始めた子も出てきたので、自分自身も満足し、他者にはあっと言わせることができるような作品を完成させることができるよう、最後までサポートしたいと思います。
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東北造形研 酒田大会振り返り

2017-10-06 17:20:03 | 日記
山形(酒田)大会終了。
残念ながら最終プログラムである実践発表会に参加することができぬまま、実践発表者の先生方にご挨拶して会場を後にしました。
明日朝から本校は70周年記念式典があるので、遅くなりたくなかったのです。となると、この時間に出るしかなかったので…。

昨年度仙台で授業を公開された宮城の守先生、昨日知り合ったばかりの秋田の木内先生。昨晩の懇親会でお話しさせてもらったことで、今日の実践発表を見たい気持ちがグーっと上がってたので、本当に残念でした。


今大会は、再来年の青森(八戸)大会での東北大会開催に向けての視察がメイン。
自分の研修や懇親は2番目、3番目の目的。
よって行く前はちょっとテンション低めだったのですが、いざ大会が始まると、やっぱ来て良かったと思いました。
美術の教科の勉強ができるということ、久々に会う仲間たちと親睦を深めることができるということ、新たな仲間が増えるということはやっぱ楽しく有意義です。
青森県チームと青森県の美術展の打ち合わせが少しできましたし、再来年の八戸大会のビジョンについても話し合うことができました。

初山形の初酒田。
弘前からの交通手段がやっぱりネックですね。他はとても良き研修でした。
以上、感想と簡単な報告のみでまとめとします。


〔表現の授業:未来の自分へのエール〕
コラグラフの制作中盤。グループでの言語活動により構想を見つめ直し、また作品の制作を進めていました。「メッセージ」ではなく「エール」に変えた意図やその作品たちになるほどー。



〔鑑賞の授業:古のユーモアをひもとく〜鳥獣戯画図の魅力〜〕
小さな巻き物に気に入った場面を模写していました。その中にウサギやカエルなどに姿を変えた自分を登場させていたもの。を、グループで鑑賞する。といった感じでしょうか。こちらはあまり長時間見れませんでした。



〔授業直後に東良先生から直撃取材を受ける子〕
授業の終盤に、バッと立ち上がって材料を取りに行き、作っていた版を急いで修正していた子でした。たまたま近くにいたので、一部始終を目撃し、こうやって取材したものが、どこかの研修会などで使われるんだなーと思いました。




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