美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

雪に花 ~冬の造形遊び~

2014年11月29日 22時31分43秒 | 過去の題材
長崎です。

気付けば、もう11月も終わりですね。
裾花中学校は、3年生の受験用の調査書作成のため、教科ごと個人の評価を3学年に提出したところです。
美術の評価だけでその生徒の将来が決まるわけではない、と思いつつも、やはり毎年のことながら、本当に神経を使います…。

さて、長野県はこれから冬に向かうわけですが、小学5年生で以前こんな題材を行いました。

題材名は『雪に花』。
造形遊びです。

まずは、雪が降って数センチは積もっている状態でなければいけません。
できれば新雪の状態がベストです。
準備するものは、2人に1つくらいのバケツ、それとグループで使うようなスクールポスターカラーみたいな水彩絵の具。
あとはジョウロやカップ類,ビニール袋など。
これは放っておいても子供たちが探して来るでしょう。

もうわかりましたね( ^ω^ )。

雪が降った日。
その日の予定を変更して、1時間目から図工です(*^_^*)。
バケツにたくさんの色水を用意して、みんなで校庭に出かけます。
降り積もった新雪に、きれいな色水をふりかけていきます。



すると、一面真っ白な雪に、まるで花が咲いたように、雪が淡くきれいに染まっていきます。
赤やオレンジ、黄緑、紫…。

しばらくすると何色か混ざった場所ができてきますが、これまた本当にきれいです!


冬場。
雪国。
ちょっと限定的な題材ですが、ぜひおためしください。

画像は後日アップしますね!


図工美術はどうして学習するの?

2014年11月27日 23時25分21秒 | 坂井です。


安茂里小 坂井です。またまたずいぶんご無沙汰をしてしまいました。
このところ図工美術の研究大会や会合が多く、忙しかったわけですが、新しい発見や今まで考えていたことが、他の先生方の話を聞いて明快になったりと、とても充実しています。

さて、何日か前に長崎先生が図工美術の魅力について記事を書かれていましたが、私も少し考えを描きたいと思います。

現場で子どもたちに「図工(美術)はどうして学習するの?」と聞かれたとき、どう答えますか??
難問ですよね。大人の言葉で語っても、なんだか頼りないような・・・。

そこで私はほとんどいつも絵本を活用しています。作家はレオ=レオニ。国語の教科書に『スイミー』が載っていますが、同じ作者です。
実はこの人の作品はどれも、社会の中での芸術家の役割をテーマに作られています。なぜ芸術家が必要なのか。どんな役割をもっているのか。分かりやすい言葉と絵で考えさせてくれます。

中でも私がお勧めするのは、写真でも載せた『フレデリック』です。多くの中学1年生最初の授業に読み聞かせていたと思います。図書館にあると思いますので、是非読んでみてください。目からウロコです。

「そう いう わけさ」BYフレデリック

「秒速5センチメートル」 DVD鑑賞

2014年11月26日 17時52分23秒 | 裾花中 美術の授業の時間です
裾花中,長崎です。

『秒速5センチメートル』というアニメーションの映画をご存じですか?
2007年に公開された日本のアニメーション映画作品。
監督は新海 誠さん。



新海 誠さんと聞いて,ピンときた方もいるかもしれませんね。
長野県南佐久郡小海町の出身です。

この『秒速5センチメートル』というアニメ。
「美術の授業で見た」,という話がネットにあったので,私も3年生を中心に,補欠授業のときに見させてみました。

物語の内容は恋愛物です。
微妙な心の動きや間のとり方も絶妙なんですが,生徒に一番注目させたいのは,その圧倒的なリアルさ。

背景に描かれた日常の風景,光,そのクオリティには驚きです。
一瞬,CG?と思ってしまうほどの美術。


降る雪。電車の明かり。舞い散る桜。
アニメーションですから,背景とそれらが動きを伴って,見る人に訴えかけてきます。

見た人には,何かしら残るものがある映画です。
興味のある方は,見てみて下さいね。

図工美術の魅力とは!

2014年11月25日 08時11分16秒 | 長野県美術教育研究会
長崎です。

第68回長野県美術教育研究大会のテーマは,『今 ここで つながり ひびき合う 子どもアート』でした。
そのサブテーマに,『~図工美術の魅力を感じる授業づくり~』とあります。


図工美術の魅力って,何でしょう?


今回の大会の研究をスタートする際,「図工・美術の教科としての魅力が失われてきているのではないか?」「図工・美術を専門にしている教師自身もが,子どもに必要な教科だという自信を失ってきているのではないか?」そんな危惧の声が強く出され,それを受けて「もう一度,図工美術教育の足下を見つめ直して,図工美術の新たな可能性を広げたい」という意識が生まれてきたそうです。


今大会の開会式の中で,大会運営委員長のH先生は,『図工美術の魅力』として,7点挙げられました。

①「図工美術は,子どもが対象や材料とふれあいながら手の働きや五感などを総合的に,そしてより効果的に高められる教科である。」

②「図工美術は,子どもたちの多様な個性や能力差を受け止めて,子どもの個々の思いや願いをのびのび表出させられる教科である。」

③「図工美術は,地域の自然や素材等を生かしてスムーズに教材化を図ることができ,子どもがその地域やその学校のよさを実感できる教科である。」

④「図工美術は,子どもが自分のつくりたいもの表したいものに向かって追求し,問題や課題を解決しながら自己実現を図れる教科である。」

⑤「図工美術は,他教科との連携や横断的な扱いなどが柔軟にできる柔軟性に富んだ教科である。」

⑥「図工美術は,教師が子どもの学びや育ちを感じ,子どもが意欲を持続しやすい教科である。」

⑦「図工美術は,作品を残すことや,それを友と相互評価すること等によって,学びのよさや自分の表現のよさをよりリアルに実感できる教科である。」 
(翌日の代議員会で配布された資料から抜粋)


いろいろご意見はありますでしょうが,図工美術の魅力を簡潔にまとめてくださったと思います。
中には,これは図工美術にしかできない!とさえ思う項目もあります。
よくぞ言い切って下さった,と思いました。

私たち図工美術教師は,こんなにたくさんの魅力を持った“図工美術”という教科に自信を持ち,そしてその魅力を子どもたちに,保護者に,他教科の先生方に,どんどん発信していくことが大切ですよね!

県中学校連合教科研究会 報告!

2014年11月23日 22時50分48秒 | 裾花中 美術室から
長崎です。

連合教科研究会、 今年もとても楽しかった!
今回は参加者が多く、 美術は2つの分科会に分かれての研究会でしたが、レポート数もかなりあって、また参加者の皆さん、作品をそれぞれ持参してきており、とても内容の濃い一日を過ごすことができました。

今回,印象に残ったものを幾つかご紹介します。

上田一中のH先生による、掛け軸の表装を用いた鑑賞題材。

季節で違うミニ掛け軸の表装を、色や柄を変えながら吟味。
それを元にグループで鑑賞を行うという授業でした。

長野F中の鈴木先生は、F中広告大賞!という題材名で、ポスター制作。

テーマに合った写真を加工して組み合わせ、キャッチコピーと共にF中を宣伝するポスターを作る題材でした。
驚いたのは、使ったソフト。

なんとパワーポイントで制作したとのこと!

画像の切り取りや色変えなど、画像の加工もできるんですね!

初任の先生方のフレッシュな発想に刺激をもらい、ベテランの先生方の緻密な題材展開に学びました。
ぜひ来年も参加できるといいなあ( ´ ▽ ` )ノ


明日,県中学校連合教科研究会に参加してきます!

2014年11月20日 18時24分49秒 | 裾花中 美術室から
長崎です。

最近,投稿をサボりがちですね。
ネタはまだまだたくさんあるのですが,なかなか時間がとれません。
すみません。

さて,長崎は明日,県の中学校連合教科研究会に参加するために信大附属松本中学校に行ってきます。
これは,県下の中学校が互いに協力して研究を進め,具体的な実践を持ち寄ってより良い指導を模索していく,研究会です。

この,「具体的な実践を持ち寄って」というところが,すごく楽しくておもしろくて,私は中学校に赴任してから毎年参加させていただいています。

楽しい,なんて言うと,同僚の先生から変な目で見られそうですが,でも楽しいのでしかたありません。
いろいろな先生方の実践や,作品を見ることができて,その先生に質問もできてしまう。
おまけに,指導案や教材研究なんかの情報もいただける。
いい研究会です!

以前は,公に実践を発表する場はいろいろあったのですが,今現在,私にとってはここだけ。
参加者は若い先生方がほとんどなのですが,その中に混じって,けっこう実験的な実践も披露しています。

今回は,「視点を変えた想像画」。
以前授業の様子をお伝えしましたが,自分のテーマ曲から発想を広げて想像画に表した題材です。


どんな意見がいただけるか,これもまた楽しみです。

ゆるキャラはこんなハズ!?

2014年11月17日 22時50分25秒 | 長野県美術教育研究会
長崎です。

どうもパソコンの調子がよくありません…。
なので、iPod touchからの投稿です。
画像は例によって、明日の朝アップします(⌒-⌒; )

県美術教育研究大会での中野市立延徳小学校3年生の授業。
『ゆるキャラはこんなハズ!?』~2000年の眠りから覚めた大賀ハス~

延徳小学校で50年以上も昔から受け継がれてきた“大賀ハス”
その大賀ハスをモチーフとしたゆるキャラを考え、紙粘土で立体に表す、というのが、題材の概要です。

結論から言うと、本当に楽しい良い授業でした!


話はそれますが、今、男子女子問わず、小学生に大人気なのが「妖怪ウォッチ」。
ポケモンと違う点は、というと。
「妖怪ウォッチ」に登場する、妖怪の友だちは、一体ずつが個性的で、その一体に詳細な設定が施されています。
こうした細かな設定が、より自分に近いキャラクター、友だちとなっていくのでしょう。

それと同じで、今話題のふなっしーやくまモンなど、「ゆるキャラ」たちにも面白い設定がありますよね。

こうした楽しさ、親しみやすさが、そのまま今回の題材では、制作へのエネルギーになっていると感じました。

つまり、自分の「大賀ハスのゆるキャラ」を考え、名前を決め、好きなもの、特技、家族、口ぐせ…などなど、そのキャラクターのアイデアスケッチが出来上がった時点で、今回の授業は真に子供たちのものとなっていたのだと思うのです。




授業後すぐに行なわれた研究会では、『立たせる』ことが子供達の課題になってしまっていたことが、私も含め数人から指摘されました。
ですがこれも、子供達自身で解決できるレベルでありましたので、制作へのエネルギーは途切れることなく、むしろ子供たちの中で頻繁に情報交換が行われ、どの子も大変意欲的に活動する姿につながったとも言えます。

実は、子どもたちはこの研究会の裏で、まだ制作を続けておりました。
なんと、先生不在の教室で(°_°)!

そして出来上がった作品は、どれもユニークで、個性あふれる作品となっておりました!


ぜひこのゆるキャラたちのお披露目会をしてほしいですね。
それも校内だけでなく、外に発信したいです。
次のワクワクする展開が、いろいろ思い浮かびます。
本当に良い題材です。

『友を送る…』

2014年11月15日 22時55分13秒 | 雑感ノート
長崎です。

第68回長野県美術教育研究大会,北信三支部合同大会が大成功の内に終了しました。
私が参観させていただいた,中野市立延徳小学校3年生の授業の様子を早く知りたい!
と思われている方も多いかもしれませんが。
こちらは,また後日お伝えするとしまして…。

今日は先日亡くなられた,N先生のお別れの会がありました。
 
N先生にゆかりのある,学校関係の先生方,長野県美術教育研究会の先生方,卒業生や保護者のみなさん…。
「とがび」に関わった諸団体。作家さんたち。
本当にたくさんの方々が参列されていました。

N先生。
あなたを慕う,仲間や同僚,教え子たちがこんなにいるんですよ。
そして,みんなそれぞれN先生のスピリッツを受け継いでいる…。

「とがび」も「暗闇美術館」も,終わりじゃない。
ずびっくもBOTSUも。
伝説なんかにさせない。
先生に関わったみんなが,きっとこれからいろんな形で先生の思いを形にしていくんだろうね。


私がうれしかったのは,N先生の遺影が,先生と一緒にながのアートプロジェクトに向かっていた,自信と情熱に満ちあふれていた恰幅のよいあの頃の笑顔だったこと。



そして,太田伸幸さんがプロデュースした「櫻美たろう」の選挙ポスター。
今見てもやっぱりいいな。

N先生。
これからの図工美術の未来。
見守っていてくださいね。

ありがとう。
さようなら。

仮面に託した想い 制作開始!

2014年11月13日 22時20分58秒 | 裾花中 美術の授業の時間です
長崎です。

2年生の題材,『仮面に託した想い』。

ライフマスクの型取りを行ったあと,3回に分けて,仮面の修正を行いました。

①表裏に木工用ボンドを薄めたものを塗ります。(これによって,力を加えても仮面がボロボロと壊れるのを多少防げます)
②表裏に薄く紙粘土を付けていきます。
③回りの形を整えたり,足りない部分を紙粘土で補ったりします。

ここまでが,修正と下地作り。
それまで多少ゆがんだり崩れてしまっている仮面も,なんとか形になります。

その後,本制作に入っていくわけですが,本日の時点の一番進度の速いクラスで,こんな感じです。


目の部分を開けたままにしておくか,ふさいでしまうかは,その生徒によって違います。
この先,どんどん自分の顔の形からは離れていってしまう場合の方が多いのですが,作品の土台は自分のライフマスク!,というのが大事なコンセプトなのです(*^_^*)。


さて,明日は県美術教育研究大会。
学校を離れて一日図工美術に浸ってきます!


第68回 長野県美術教育研究大会

2014年11月12日 08時48分56秒 | 長野県美術教育研究会
長崎です。

今週末 11月14日(金)は,いよいよ「第68回長野県美術教育研究大会 北信三支部合同大会」が開催されます。
大会要項については,諸事情により公開しない,との大会事務局の方針でしたので,各方面の方々にはご迷惑をお掛けしました。

簡単な内容等については,日本文教出版さんのHPに掲載されています。
下にリンクを貼っておきますので,ご覧下さい。

・日本文教出版

さてこの日,私は中野市立延徳小学校の授業を見に行きます。

学年は3年生。
題材名『「ユルキャラはこんなハズ!?」~2000年の眠りから覚めた大賀ハス~』です。

大賀ハスについてはご存じの方もおられるかもしれません。

以下,延徳小学校のHPからの引用です。


◎延徳小と大賀ハス

大賀ハスは、昭和26年に都内の泥炭層の発掘現場から3粒だけ見つかり、その内の1粒のみが発芽に成功した約2000年前の古代のハスである。
発掘や発芽させるのに中心的な役割を果たした大賀一郎博士の名前をとり、大賀ハスと命名された。
延徳小に植えられたのは、昭和30年である。
下高井教育会で大賀博士を招いて講演会を開催し、その際に分根をお願いし、郡下3校に植えられたが、無事に成長したのは延徳小のものだけだった。それを元に昭和32年には市内、県内の十数カ所の学校等に分根された。そのようなことで、大賀ハスは延徳小のシンボル的な存在になり、昭和61年の校舎改築の際に校舎に壁画として描かれた。
現在、延徳小には少し高台になっている校舎の脇と、校門の外に大賀ハス用の池があります。校門の外の池は、学校の敷地に立ち入らなくても見られるようになっています。

だということです。

ちなみに,花はこんな感じ。


千葉市にはすでに,ちはなちゃん という大賀ハスをイメージしたキャラクターがいます。



延徳小の子どもたちにとっては,いつも身近にある大賀ハス。
どんなキャラクターを考えるのでしょう。
とても楽しみです!


・長野県美術教育研究会 北信三支部合同大会