美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

「グインサーガ」

2021-09-18 20:15:10 | 本・映画


「グインサーガ」は、栗本薫作のヒロイック・ファンタジーです。1979年に第1巻が出版されて、作者のなくなる2009年まで正伝130巻、外電22巻が出版された大河ロマンです。作者が亡くなったため、未完のままなのだそうです。

それが2009年に8巻で再版されました。2巻ずつが1冊になっています。それをこのたび、ネットで面白い本を探していた時に見つけて、買いました。

読み始めた時に、その物語のものすごさに引き込まれました。栗本薫は、読み返したり書き換えたりしない作家だったそうで、作家の中に、この物語のすべてがあったのだと思うと、すごいなと思います。

豹の頭の剣士を中心にした、様々な人々の織りなす物語です。今はまだ1巻と2巻を読み終わっただけなので、いろいろな人達が紹介されるという感じですが、美しく才能にあふれた人たちの絡み合いを読んでいると、ワクワクしてしまいます。

こういう物語の中では、人は美しく才能にあふれていなくてはならないのだろうし、悪は、救いがたい悪なのだなーと思います。

でも、そういう物語を読みたいと思って読んでいるのだし、そして、それで自分を慰めたり、励ましたりできるとしたら、良いのではないかと思います。

再版の2巻から4巻(3巻から8巻)までを続けて買いました。これで、当分面白い読書期間を持てますので、楽しみです。

栗本薫は、私の若いころに、作家としてデビューした人です。どうして今まで読まなかったのかと考えるに、その頃は、ヒロイック・ファンタジーというジャンルを読まなかったからかもしれません。

この頃は、そういう物語を読みたいと思い、ネット検索をしたりしています。それで、時々知らなかった本を見つけたりするのです。

これまで、本を読んできたという気持ちはあるのですが、知らない本が今もまだたくさんあるのだなとおもい、これからまたどんな本を見つけられるか、楽しみにしています。


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「五輪の薔薇」

2021-08-23 13:51:11 | 本・映画


19世紀のイギリスが舞台のミステリーです。作者は、チャールズ・パリサー、1998年に日本で出版された本です。

この本は、ずいぶん前に買って一度読んだことがあるのですが、すっかり内容は忘れてしまい、ただ、悲惨な物語だったとしか覚えていません。これでもかこれでもかと、悲惨なことが続いた本だったなーと覚えています。

それが、4cmくらいの厚さの単行本で2冊、本当に読み応えのある本でした。あまり内容を覚えていなかったので、もう1度読んでみようと思ったのです。


「五輪の薔薇」の紋章のついた馬車が、少年ジョンに与えた印象が、物語の始まりです。2・3人の召使とともに暮らす、少年とその母が、それから陥っていく波乱万丈の物語です。

人とはかかわらない二人の今の暮らしの謎、母が隠している秘密の文書の謎が、解き明かされないままに、裏切りや悪意の中で、どんどん苦しい生活に落ちていきます。

莫大な遺産の相続の話だということは、分かってきますが、誰が敵なのか、どれだけ敵がいるのかなど、謎は深まるばかりです。

誰にも助けられず、人に裏切られ、母の無残な死にも会い、それでも、ジョンは、ひたすら自分と母の正義のために、生きていきます。

少しずつ、何が起こっているのか、ということが分かってくるのですが、少年ジョンの一人だけの戦いは、いつも無残な形で終わります。そのうち、味方も現れてきて、最後にはすべての謎が解け、戦いも終わりを告げます。

その時には、たぶん17才くらいになっていたジョンは、正義ということの意味を考えるようになります。自分にとっての正義、それは本当に正義なのかと、考えます。正義と自分の欲との区別がつかないと思うのです。お金と財産について振り回されてきた人間にとっては、そういう風になるのでしょう。

この小説の、遺産相続の大きさに驚きますし、人が人を痛めつけるすごさにも驚きます。

それよりもすごいのは、19世紀の初めのころのロンドンの庶民の生活のすさまじさなどに驚きます。庶民は、時代が過ぎるほど、生きていきやすくなってきたのだと感慨深いです。

下巻になったころには、次から次へと新しい展開が起こり、もう少しもう少しと、なかなか読み止まれませんでした。

最後には、何とか平安な日が来るのですが、長い年月、世の中の悪意と戦ってきた少年ジョンは、17才くらいで、もう大人の顔を持っています。死ななかっただけ良かったかもしれませんけれども。

とにかく、分量も知識もものすごい本だなというのが感想です。もし、この長さのものすごい物語を読みたいと思われるなら、挑戦してみてください。


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恋愛映画を2本

2021-08-05 18:37:18 | 本・映画
私のブログを書く理由は、あまり楽しくない最後の日々に、できるだけ楽しいことを見つけて、それを私の日々として書いておきたいと思ったからです。

楽しいことを何か見つけて、気持ちを弾ませて毎日を過ごしたいと思っていますから、毎日映画を観て、本を読むということだけは続けています。

映画を観るのは、薬を飲んだ後休みたいと思うので、その時に見ています。夕食後の2・3時間は、ほとんど何か見ています。

以前は、持っていた映画を見ていましたが、この頃は、それでは足らなくなって、去年の12月頃からテレビで放送する映画を録画してきましたので、その中から、面白そうなものを観ています。



最近、続けて、恋愛映画を2本観ました。「ラ・ラ・ランド」「ワンディ 23年のラブストーリー」です。

恋愛映画は、最近あまり観なくなっていましたから、この2本は、本当に心にぐっと来て、人を愛することの繊細な心の動きに引きつけられました。

「ラ・ラ・ランド」は、ミュージカルです。ライアン・ゴズリング、エマ・ストーンが主演した、実らなかった恋の物語ですが、こんな風に進んだらという世界も描かれていて、自分の世界を生きた二人の、きらびやかで哀愁のある恋愛映画です。

ジャズと、ミュージカルの音楽とが、全編を覆っていて、耳にも、またダンスなど、目にも美しい映画でした。



「ワンディ 23年のラブストーリー」は、これも美しく切ない映画です。二人の若者が、大学の卒業式に、恋人としてではなく友人として、1年に1度その日にあうという約束をするお話です。

二人は愛し合いながら、それぞれの人生を生きていきます。でも、最後は、結婚して、子供が欲しいと思うのですが、事故のため、女性のほうが亡くなってしまいます。

愛する人を失ってからの彼の姿が、本当に心に響くようでした。人は、生きてきた時間を生きなおすことはできないし、取り戻すこともできません。でも、人は、自分の時間を、ひたすら生きていくのだなと思いました。

主演は、アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、アン・ハサウェイの美しさが、目に焼き付くようでした。

そして、二つの映画の男性、ライアン・ゴズリング、ジム・スタージェスがハンサムなのです。強さと繊細さが見え隠れして、世の中には、こんなにハンサムな人がいるのだなと、感嘆しました。


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「魔法使いハウルと火の悪魔」

2021-06-03 21:47:41 | 本・映画


この何か月かで、小説を3つ読みました。けれども、あまり私の気持ちに良い影響をくれたものがなく、どれも何か書きたいという気持ちになりませんでした。

それで、児童文学を読んでみようと思いました。ちょっと前に買ったダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」、ジブリの「ハウルの動く城」の原作本です。

読んでいると、「ハウルの動く城」のキャラクターが目の前に浮かび、読書の楽しさから外れていたのが残念でしたが、ジョーンズの世界が生き生きと動き回り、魔法の世界に連れて行かれたように感じました。

ジョーンズは、気持ちの明るい人なんだろうと思います。会話が弾み、人が動きます。

ジブリのアニメのほうが、しっかりした世界を描いているように思いましたが、ジョーンズの魔法の世界と、そこに生きる人々の明るいたくましさを存分に楽しめます。

昔、私は、いわゆる純文学といわれる小説を読み、小説の中で人々がうまく生きられないことを見つけて、自分が、現実の世界でうまく生きられないことの慰めにしていました。

でも、年を取って、小説の中の現実に見つけられるような世界を読むのは、少し嫌になってしまいました。そんなこと、自分の現実と一緒だから、あまり読みたくはないと思うようになったのです。

そしてこの頃は、児童文学を読むことが多くなりました。児童文学には、人の根本のところの苦悩や、人が人と一緒に生きる喜びや、人としてあるべき姿の英雄や、人間の世界の理想的な形が、たくさん詰め込まれていると思うのです。

もちろん、小説の中にも、そういう小説があり、読むことを楽しませてくれるものがたくさんあります。

本を読むことの楽しさは、感覚的なものばかりではなく、考えながら世界を構築していくことにもある、とこの頃は思っています。


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「ハウルの動く城」

2021-04-12 14:42:21 | 本・映画
 

先日、テレビで「ハウルの動く城」を放送しました。

ブルーレイディスクの「ハウルの動く城」を持っているので、以前観たことはあるのです。

私は、ジブリの宮崎駿さんのファンで、「風の谷のナウシカ」から、映画館で観たり、ブルーレイで観たり、ほとんどを観ています。作品の中でも、好きなものは、ブルーレイを買っているのですが、「ハウルの動く城」も持っていました。

でも、その作品の素晴らしさを、今回観るまで、忘れていたようです。

「ハウルの動く城」は、純粋な恋愛を描き、戦争の醜さを描き、そして、家族のつながりの大切さを描いています。

相手のすべてを受け入れる恋愛の一途さに魅せられ、戦争を拒否する意思に同感し、そして、家族がお互いを大切に、いつも相手の存在を尊重して、一緒に生きていこうとするゆるぎなさに、感動しました。

家族と言っても、血縁関係ではなく、一緒に暮らしたいと思う人達の家族です。

ハウルの美しさにドキッとしましたし、ソフィーの温かさにもぐっときました。賠償千恵子さんの歌う「世界の約束」という主題歌に、心がしびれるようでした。

このお話には、原作があります。イギリスのダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」です。

原作とは少し違っているそうですが、読んでみたいと思い、今注文しています。

宮崎駿さんのアニメの中の風景を観ると、本当に美しくて、心が奪われます。こんな風景の中で、過ごしてみたいといつも思います。

「ハウルの動く城」も美しい風景に出会えますし、ハウルの城も、最初のころのすごい城もいいものですが、家族が暮らす城もまたあたたかくて素敵です。


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