美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

老衰といわれたけれど

2022-06-06 14:49:29 | 
夫が熱を出して入院したところまで、この前書きました。おかげさまで、退院して、今は施設に戻っています。

なぜか、病院も施設も、夫の状態を老衰と決めつけたようで、入院するときまでは、いつ寿命がなくなるかという調子でした。でも、夫は、まだ抗生物質も効くものがあり、すぐに高熱は下がりました。

入院は約2週間で、微熱は出るけれど、何とか元気になりました。そして、退院して施設に戻りましたが、老衰というほどの状態ではないので、一般の面会室での面会に変わりました。

そして、もう胃瘻の器具の交換はしないといわれていたのですが、それは、あまり先がないのに、痛い思いをさせないように、との心遣いだったようです。でも、今回、胃婁の交換もしてもらいました。それほど元気になったということです。

それなのに、主治医も施設の人たちも、何か命が危ないというようなことを言われます。多分、誤嚥性肺炎になり、高熱が出るということ、そして、入院して、抗生物質で治療し、退院して、また病気になるという繰り返しだろうということのようです。

それは、寝たきりで、言葉も少しずつ忘れていく夫が、元気になるとは思いませんが、今はまだ命に別状があるという風には思えない状態です。みんな周りの方たちは、もしかすると命にかかわるということを言われているのでしょうが、それは、私たちだって一緒です。

今、何とか元気であるならば、そのままでいたらいいですね、といわれたいと思います。

私は、今のままの夫と面会をたくさんして、おしゃべりをして、ゆっくりと過ごしたいと思うのです。多分、しょっちゅう面会をすれば、きっと、夫は言葉を思い出し、夫のように戻ると思います。

コロナで会えなくなり、それは、コロナだけではなく、病院や施設の都合だったりして、会えなくなったのだと思うのです。面会を自由にできない私たちは、本当に辛い最後の時間を過ごさされていると思います。

人は、できるだけ最後の時間を、愛する者と一緒に過ごすのが幸せだと、痛切に思っています。


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老衰って?

2022-05-21 17:03:37 | 
夫が入所している施設から電話があり、食事ごとに水をあげているが、夏になるので、増やそうかと、主治医に相談したら、尿の量を測るように言われたとのことでした。そして、測ると尿の量は少なくなっているので、水は増やさないことにするということでした。

そして、夫が老衰という状態なので、家族が直接面会ができるとのこと。私はびっくりしました。だって、2週間くらい前にオンライン面会した時には、今までとそんなに変わった様子はなかったからです。

老衰って、もう命があまり残っていないということでしょ、そんな馬鹿な、と私は、ちょっと狼狽してしまいました。

老衰の状態になったら、直接面会がお部屋でできます。1週間に2回、といわれ、それは良かったんだけれど、老衰って、違うよね、とずっと思っていました。

直接面会は、9日に1回目、11日に2回目をしました。1回目は、ずいぶん久しぶりに会ったので、夫も驚いたのか、ずっと目をつぶっていました。でも、2回目の時は、私の顔をずっと見ていましたし、「おはよう」といいました。全然老衰のようではありません。

ああよかった、面会はできるし、そんなに弱っていないし、と安心したのです。

が、16日に39度の熱が出て、入院することになりました。誤嚥性肺炎です。唾液が肺にたまってなるのだそうです。抗生物質で、治療するそうです。この頃は、夫に抗生物質も効かなくなったそうで、そういうところは老化しているのだと思います。

言葉もあまり話さなくなり、水を飲んでも、尿としてでないようで、浮腫ができているそうです。皮膚の中に水がたまるということです。抗生物質もだんだん効かなくなり、そういうことは、きっと老化ではあるでしょうが、老衰というほどの状態ではありません。

病院で、入院を待っている間に、そばにいましたが、手をずっと握っていてくれました。こんなことができれば、老衰しているとは思えないのですが、施設も病院も、老衰ということで、考えているようです。

今、夫は、病院で、面会もできなくなり、周りが老衰と認識している状態でいます。施設や病院は、老衰なのだから、何が起こっても、という感じで応対します。これから、どういう風になるのか、本当に心配しています。

でも、私は、夫はきっとまた元気になって、施設に帰れるだろうと信じています。妹も夫を見て、前と変わらないと言ってくれます。きっと、施設でまた面会して、おしゃべりして、家族みんなで過ごしたいと思っています。

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またまた面会中止

2022-03-31 19:37:18 | 
広島県のまんえん防止措置が終了したので、夫と3月31日に面会できることになりました。病院へ行くときには会えたので、それでも1か月半くらいの間会えなかったことになります。

面会ができることになって、本当に嬉しく、楽しみにしていました。ところが、30日に電話があり、介護士がコロナに感染したので、31日からの面会は中止といわれました。

がっかりして、気持ちが落ち込んでいます。夫は、この頃毎月体重が減っています。今は50キロほどしかありません。身長は166センチです。

病院で、胃婁の食事を少し増やしたらどうなりますか、と聞くと、年を取ると栄養を吸収しなくなるので、増やしても変わらないということでした。

ということは、老化しているということなのだろうと思います。少しでも顔を見ることができれば安心するでしょうが、何もわからない今は、本当に心配しています。

この頃は、あまりしゃべらくなりました。きっと、それほどしゃべる機会がないからなのだろうと思います。しゃべらなければ、言葉を忘れるかもしれないし、声の出し方も忘れるだろうと思います。

本当は、週に2回から3回部屋を訪ねて、午後の時間を一緒に過ごすつもりでした。テレビを買った時にDVDプレイヤーも買っておいています。残りの人生をできるだけ一緒にいたいと思ったのですが、それもかないません。

夫が今の施設に入所したのは、2020年の7月でしたから、コロナが流行し始めていました。面会は部屋ではできず、面会室で10分程度とか、パソコンでオンライン面会をしました。本当にコロナが私たちを引き離したと思います。

今は、面会をして、夫とおしゃべりをして、静かに自分たちの生きてきたことを見返りたいと思うのです。そして、ああこんな人生だったけど、自分たちの人生だったよねーと二人で認め合いたいと思うのです。そんな時期が早く来ますようにと願っています。


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夫の発熱

2022-02-16 04:54:26 | 
夫は特別養護老人ホームに入所しています。その施設がかかりつけの病院があります。内科、外科、整形外科があります。

熱が出て1日以上続くと、その病院へ受診します。先日、夫はコロナのワクチンをして、熱が出ました。その日は、その病院の医師ではなく、大学病院から来ている医師でした。

その若い女性医師が、「レントゲンを撮りましたが、肺に曇りがないので、解熱剤で熱を下げてみましょう。肺に異常があれば、抗生物質で、熱を下げなくてはならないので、入院しなくてはなりませんが」といわれました。きっとワクチンの副作用でしょうということでした。

夫は、時々発熱します。肺に炎症を起こしていて肺炎になっているから、発熱するそうです。そうして、少しずつ肺炎を起こして、体が弱っていくのだといわれました。

たいてい、発熱すると、入院ということになるのですが、入院すると、すぐに熱は下がります。たいていは1日過ぎると平熱になっているようです。でも、様子を見なくてはならないから、ということで、2週間ほど入院します。

今回も入院することになるかと、思っていたのですが、大学病院からの医師だったせいか、入院しなくていいですといわれ、ちょっとびっくりしたほどです。熱が出れば、入院ということになると思っていたものですから。

今回の熱も、翌日に電話してみたら、もう下がっていました。たぶん、コロナのワクチンのせいだったのでしょう。様子を見るための入院をしなくてよかったと思います。経済的にも、かなりの出費なので。

ただ、夫が受診するときは、私も付き添いで行くものですから、思いがけず会えるので、それはとても嬉しいことです。この頃は、ほんのちょっとだけしか会えませんが、施設の看護師さんによると、私の声を聞くと顔が変わるようです。

近くで会えるわけではないので、声に反応するのでしょう。私も夫の様子を見られて、少し安心するのですが。この頃は、声もあまり出ず(以前は、おはようとか言ってくれたのですが)、元気がないように思います。熱があるので、仕方ないかもしれませんが。

肺炎を起こして熱が出ることは、とても心配ですが、この頃は夫に会えないので、会えることは、少し安心します。そばにいて、夫の様子を見てあげられたら、どんなにかいいでしょう。

最後の日々を心許せる人と一緒にいられれば、それが一番の幸せだと思っています。コロナは、怖い病気ですが、人の間を引き離す怖いものでもありますね。


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夫のエピソード

2022-01-30 15:25:12 | 
夫のことを考えると、胸が苦しくなります。

夫が家に帰りたいというので、病院から家に帰りました。みんなに無理だといわれたのに。そして、やっぱり無理だったのでしょう、私が病気になりました。

結局、家には帰れず施設に入ることになりました。今は、コロナ感染してはいけないので、面会さえもできません。

家が大好きな夫のことを思うと、本当に何とかならないのかと思います。コロナは、弱いものに特に厳しい病気ですね。

そんな風に、夫のことを考えている日々ですが、元気なころに、時々、ふざけたことや、むきになったことなどがあったなーと思い出しています。

そんな中で、暗いお話でないものを書いてみようと思います。

私の家は、広島市の中心からバスで約1時間くらいかかります。私は、週に1回程度、おけいこ事などに通っていました。往復バスで。

バスに乗ったときは、起きているのですが、途中で、必ず熟睡していました。家の近くまで来ると、ちょうどよい時間になるのでしょう、目は覚めるのですが。

ある日、家の近くのちょっと乗客の移動があるバス停で、私はぐっすりと眠っていたのですが、男性の声で「ちょっと、すみません。ここいいですか?」といわれ、慌てて隣の席に置いておいた荷物を膝に乗せ、「はい、どうぞ」といいました。

隣に座った人が、意識的に私のほうに向いているようなので、その人をそっと見たのです。なんと、そこには、夫が座っているではありませんか。

「わー、びっくり」と驚いている私に、夫は、一度こういうことしてみたかったんだ、と笑っています。夫は、外出するときは、仕事もレジャーも車ですから、バスに乗ることは、ほとんどないのです。

私が出かけることが分かっていて、自分がバスで家に帰ることなど、なかなかないものですから、今日こそは、と私が乗っているバスを待っていたのだそうです。

そして、私がぐっすり眠っているのを見つけ、知らない人のように、声をかけようとしたのです。本当にお暇で、かわいい夫のエピソードでした。

夫の年はきっと60代の初めのころだったでしょう。今もその時の得意そうな顔をよく覚えています。そんな日があったなーと懐かしく、心がしびれるような気がします。


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