美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

面会中止になりました

2022-01-21 13:04:14 | 
広島県では、異常なコロナ感染のため、まんえん防止等重点措置が取られました。この頃は1000人程度の感染者が出たりします。

そのせいで、夫との面会は中止ということになりました。本当に残念です。夫が何も変化のない日々を送っていることを、とても辛く感じています。そばにいて何かしゃべっていたいと強く思いますが、これは私の思いだけでは、どうすることもできません。

この頃は、私のほうも、先のことを考えることもなく、昔のことばかり考えます。そんな中から、少しでも楽しいことを思い出して、書いてみようと思います。まずは夫との間に起こったことを何個か書いてみますね。

私は、18年前に乳がんの手術をしました。その頃は、5年が完治の目安になるといわれていました。5年目の検査の時、夫も母もついてきてくれました。

検査の結果を聞くときは、いつもとても緊張して、再発していませんようにと思っていました。そして、先生の大丈夫でしたよ、という言葉を聞くと、本当に嬉しくて心から喜びがあふれてきました。

乳がんが再発するのは、5年までが多いということを聞いていましたから、検査の日は、とても緊張していました。みんなが付いてきてくれたのも、私が緊張していたからかもしれません。

結果は、大丈夫だったのです。私は本当に嬉しくて、診察室から出た時に、夫と母とが待っている待合室に向かい、手を振り、笑いかけました。夫と母も、それは嬉しそうに、笑ってくれました。

それは、本当に嬉しい日でした。夫は、それからいつも、「あなたが5年の検査の日に診察室から出てきたとき、本当に嬉しそうだったよ。あの笑顔が、今までで一番嬉しそうだった」と言ってくれました。

夫のそれを言うときの顔は、いつも嬉しそうで、私の嬉しそうな顔を表現しようとしてくれているようでした。

思えば、それは、本当に一番うれしかった日だったかもしれません。そして、夫や母と、一緒に喜んだ日だったと思います。今は、もう、みんな健康とは言えず、そういう日が来ることもないでしょうから、とても記念になる日になりました。

コロナが収束して、夫の部屋で会うことができる日を待っています。そんな小さなことをおしゃべりできる日が、早く来ますように。


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今年最後の面会

2021-12-27 14:51:46 | 
12月24日は、夫との今年最後の面会日でした。コロナのせいで、面会も2週間に1回、10分ほどの短い時間です。それでも、夫の入っている施設は、いろいろな事情に素早く反応して、面会させてくれるので、とてもありがたいと思います。

夫は、コロナという概念がなく、どうしてもっと面会に来てくれないのかと、いつも面会の時間の間機嫌が悪く、今年最後の面会はどうかしらと思っていました。

前回の面会の時も口をきかず、目も開けませんでした。そして、今回もやはり同じでした。首を振って、相づちを打つこともあまりなく、担当の方が、退院してから、あまり声が出なくなりました、といわれます。

あまり反応がないと、ちょっと心配になります。声が出なくなり、言葉を忘れるということも心配ですし、もしかすると、認知症になるかもしれないと心配です。

でも、ちょっといいことがあります。広島市のコロナ感染が少なくなったということで、これからの面会は、ワクチンを注射していれば、30分になり、場所も今までの相談室ではなく、談話室でできるそうです。夫のそばにいられるようですから、きっと、夫も少しは反応してくれることでしょう。

次の面会は、1月17日にしか取れませんでしたから、面会の間隔はますます長くなるようですが。

これからは、できるだけ夫のそばで話をして、夫が言葉を忘れないように、私を覚えているように、と務めるつもりです。

今のままで年を取っていくのは、さすがに私の気持ちが納得できません。少しずつ会話ができて、お互いのことを思いやるようになれればいいと思っています。

母と私が書いた年賀状と、妹がクリスマスカードを送ってくれましたので、それを届けました。そして、お正月に着る新しいパジャマを渡しました。そういうものが夫の気持ちに届けばいいと願っています。


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胃瘻の交換の日に

2021-11-27 14:55:52 | 
夫は胃瘻で液体の食料をとっています。胃瘻は、6か月ごとに交換しなくてはならず、それはとても痛いようです。

24日に交換をしました。私も、その日は付き添いに行きます。夫に会えるので、私は嬉しいのですが、夫は、痛いと難しい顔をしています。終わるとすぐにもう痛くないといいますが。

胃瘻にしたのは、家に帰るためでした。その時には、大きな病院で、胃婁を作りましたが、耳鼻科で、内視鏡を使って、のどの検査をしてもらいました。

食べ物が、気管か食道かどちらに入るかという検査です。夫の場合は、プリン状のものは、食道に入り、ヨーグルトは、砕けて気管に入る可能性があるので、食べてはいけないという結果でした。私も内視鏡を見せてもらいながらでしたから、とても納得がいく検査でした。

だからその頃は、プリン状のものを食べさせていました。胃瘻が主な食事でしたが、おやつのような感じで、食べさせていました。少しずつ、好みのものを食べられるようになって、カタログを見るのが楽しみだったころです。

家に帰って、4か月たったころ、私が看病疲れで病気になりました。それで家にいることはできなくなり、夫は、ショートステイに入所しました。妹は、施設の方たちに、何度も、こういうものを食べていたといい、食品を持っていってくれましたが、施設の方では、口からは食べさせられないといわれました。

私が退院しても、もう家でずっと夫の面倒を見ることは難しいということになり、ショートステイに入所することになりました。それで、夫は、口から食べることを止めさせられることになりました。

私は、どうにかして食べさせたいと思い、退院してからの主治医にのどの検査をしてもらいたいと頼みました。

主治医は、すぐに系列の大きな病院で検査をしてもらいましょうといってくれ、検査を受けました。でも、その検査は、食べ物を口に入れて飲み込ませ、そののどの様子を外側から見る(どんな機械か忘れましたが、内視鏡で中を見るのではありませんでした。)ということでした。

夫は、久しく口から食べていませんでしたから、むせて、食べられませんでした。それで検査は終わりです。そして、こんなにむせるのだから、食べられません、ということでした。それから、今はもう5年たっています。

ただ唾液は通るので、口に何か食べ物を入れて、その汁を吸わせるのはいいと言われました。それから、私は、夫が家に帰ってくると、ステーキを焼いて、ワインソースに絡めて、口に入れやすい大きさに切り、お茶パックに入れて、タコ糸で縛り、夫にかませました。ステーキを食べることはできませんが、それをかむことで、肉汁が吸えます。

夫はそれがとても美味しいといい、私もせめてのことだとそれを食べさせていました。

今、夫は、特別養護老人ホームに入所しています。そこでは家に帰ることをあまり勧められません。今はコロナ禍のせいで、特に面会も面会室でのみですから、ステーキを持っていくこともできません。

コロナが治まったら、夫の部屋で、食べさせてもよいといわれています。それを楽しみにしているのですが、この頃は、夫の口元もあまり良い状態には見えません。

食べられたはずなのに、施設や病院の簡単な方針で、一人の人間の食を奪ったということを、私は、本当に無残で、恐ろしいことだと思います。

夫に、何か美味しいものを味わわせてあげたいと切に望んでいます。


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入院しました

2021-10-23 20:15:10 | 
10月13日、夫が入院しました。9月30日に面会した時は、とても楽しそうでしたのに。

熱が39度も出たそうです。嚥下性の肺炎ということでした。

7月も気管支にかかわる肺炎だったのですが、どちらも翌日には熱も下がり、元気そうに見えました。

昨日、病院へ面会に行きました。この頃は、面会する者がコロナのワクチンをして2週間たっていれば、面会をさせてくれます。

夫は、また目をつぶって、私の顔を見ません。「どうして目をつぶっているの?」と聞いても知らん顔。「私があまり面会に来ないから?」と聞くと、うなずきました。

夫は、いつも私が面会に来ないのを不服に思っているのです。でも、私は、施設や病院の面会のルールは守り、できるだけ面会しようとしています。

夫には、そういう風には見えないのでしょう。もっと来られるでしょう!という感じでいつも私を責めています。

元気なころは、あまりわがままを言わない人でしたから、ちょっと驚いています。でも、今までわがままを言わなかったのだから、今は、言ってもいいよ、という気持ちになっています。

わざと目をつぶっているのですが、やはり顔を見たいのでしょう、時々片目を開けて、ちらっと私の顔をみたりするのです。その顔が面白いので、私と妹は、いつも笑って「もっとちゃんと顔を見て」といいます。

絶対、私のいうことは聞かないと思っている風が面白くて、こんな子供みたいな夫を見ながら笑っていますが、昔のことを思えば、少し寂しい気持ちになってしまいます。

今は、食事も普通通りになり、もう少ししたら、退院できるでしょう。

この頃は、1週間から2週間で、面会ができますから、全然会えないころよりは、様子が分かって安心しています。夫が寂しがらないように、夫の部屋で一緒に過ごせる日が来るのを待っています。


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久しぶりの笑顔

2021-10-07 16:31:17 | 


10月1日は夫の誕生日です。

10月1日は面会の予約が取れなくて、9月30日に面会しました。

妹と姪のお誕生日カード、そして、私もお誕生日カードを持っていきました。妹と私のものは、"Happy birthday"のメロディーつきです。



ボタンを押すと、じっと聞いていました。私のものはアレンジが、ジャズっぽくて、夫がジャズが好きなので、選んだものです。その曲が流れると、左手を伸ばして、そのカードを持ちました。あ、やっぱり、ジャズが好きね、というとうなずいています。

この日は、とても機嫌が良くて、おしゃべりしていると、笑いました。それも、こわばったような笑いではなく、夫が元気なころの笑いでした。

私は、その顔を見て、本当に嬉しくて、もう前のようにいろいろなことが分かっているんだなと思いました。



「こんにちは」と「おばあちゃ―ん」という言葉をしゃべりました。動画で撮って、母に見せるためです。

あまり言葉は出ませんが、私たちに会って嬉しそうでした。そして、体は不自由ですが、気持ちは、だんだん以前のようになってきているのだと思います。体が自由に動けるようになってくれれば、一緒に暮らせる可能性もあるのにと思います。

夢のような話ですが、一緒に暮らせるといいのにと思っています。

お誕生日は、私たちがこの世界に生まれた記念の日と思って、そして、一人でも、あなたがいてくれてよかったと思う日だと思って、ささやかなお祝いをしています。


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