返還前の香港の名物と言えば、鳩のローストだとか飲茶の石持の浮き袋・鶏の足先の煮込み等を思い出す
が、高級なご馳走といえば、フカヒレと鮑だ。鮑は当時でも最低でも1個3万円以上したと・・・朧げな
記憶だ。フカヒレも鮑も最上のものは日本産だと知ったのは、音楽評論家小倉エージ氏がお書きになった
「香港的達人」だったろうか? この本と、玉村豊男氏の「パリ・旅の雑学ノート」にはお世話になった
香港の秋ならば・・・上海蟹だ。蒸した蟹の内子はホクホクと栗の様だった。紹興酒に漬け込んだ酔蟹の
とろとろした味わいにも酒が進む。上海蟹の流通はマフィアが牛耳っていた様で、1990年代前半でも
一杯4000円位はしていた様な、やはり朧げな記憶である。難点は小さい事で、毛蟹サイズなら最高だ
喫茶多摩川の港の下流の角の水辺で先日、ひっくり返った蟹のご遺体を見つけた。昨日、先日の場所から
30メートルほど上流の港の角で同様のご遺体を発見した。鋏の部分には干からびてはいたが、藻の様な
物体が観察出来た。たぶん藻屑蟹だと・・・思う。上海蟹も藻屑蟹も同じく、イワガニ科モクズガニ属で
ある。海で産卵し、川の上流に上って成長し、海に下って産卵しその生涯を終える。上海蟹は環境庁より
特定外来生物に指定されている。上海蟹同様、藻屑蟹も味わった経験は少ないが、擦り漕ぎで叩き潰して
お湯の中に放てば濃厚なエキスが溢れんばかりに湧き出て、この出汁で野菜を炊くと・・・すこぶる旨い
雨のち曇で時折り未練雨、冷たい北風で、気温17〜22℃。 午後3時の気温20.0℃、湿度は83%
台風1号の影響は東京では(伊豆七島を除く)ほぼ無かったが、雲が残り続けて時折り小雨がチラついた
(11・317)35.9℃(75〜119)