薔薇貫入釉 本間友幸の陶記

陶芸家 本間友幸が生み出す陶器=薔薇貫入釉の世界
  

クラッシック終了

2009-08-10 04:57:49 | classic
過去の個展を紹介したクラッシックシリーズは、先日の美術館個展を最後に全て紹介が終了しました。

個展のみの紹介で、二人展・グループ展は紹介できませんでした。
現在個展回数は30回を超えています。
毎月個展を開催していた時期もありましたが、来年からは薔薇貫個展は1年に1度のペースにしようかと考えています。

二人展では作家さんに大変お世話になりました。
絵画が多かったですね。

青山の二人展では野村先生のお付き合いのある画商さんがみえ、その後銀座の個展にお越しくださり新宿のグループ展が決まりました。

「縁」は大切にしなさいと自分の先生に言われますが、特に二人展では強く感じる言葉です。

二人展は八戸・柏崎・青山・名古屋・多治見・岡部・地元長野県で開催しました。

お世話になった作家の皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

挨拶

2009-08-04 01:06:22 | classic
クラッシック最後

案内状には作家のコメントも出ています。
学芸員さんのコメントが素晴らし過ぎて、こちらは学がないのがバレバレです。

土に魅せられ、早いもので14年の月日が流れました。
高校時代に作陶を始め、24歳で初個展をさせて頂きました。
以後個展28回・二人展10回、青森県から沖縄県まで創作活動を発表する機会を得、作陶一筋に今日に至っております。
陶芸は工芸の一つでなりますが、他の工芸と異なる事は焼くという行為です。
自然との一体化=自分の思想・感覚を炎によって自然の物質と化かす事が陶芸です。
色彩美を作陶理念の一つにしておりますが、薔薇貫入釉は焼く事によりはじめて生まれる文様です。
薔薇貫入釉は青磁の伝統技法の一つです。伝統とは古くから伝わる技法を中心に、完璧な技の中に美しさを求めています。
それぞれの時代の最高の技術と、その時代の価値観・世界観が年々と積み重なり現代に受け継がれています。
大切な事は積み重なる事です。
この言葉には現代も含まれています。
伝統とは常にその時代の最先端の技と価値観・世界観が重なりあい今に至ります。
薔薇貫入釉を通した土の神秘性。
そして、現代の技術・価値観を取り入れ、古典を超える作品を作る事ができるように日々土に向かっています。

そして東京へ

2009-08-03 21:36:45 | classic
クラッシック続き

お客様から薔薇貫入釉作品をお借りした回顧展は今回が初めてでした。
大変苦労した個展でした。
主催の中野市及び美術館の学芸員・職員の方々には感謝感謝です。

中野市主催でしたのでスムーズに作品をお客様からお借りできたと思います。

作家主催では個展規模も予算も限界がありますので…。

この頃より薔薇貫ホームページも開設され、ホームページトップの画像はこの回顧展ポスター写真です。

回顧展の詳しい内容は当時のblogをご覧下さい。


ホームページが開設され、回顧展が開催され…その両方を見てくださった広尾にあるギャラリー旬さんが、薔薇貫東京初個展の企画してくださいました!!!


続く

図面

2009-08-02 20:14:29 | classic
クラッシック続き

学芸員さんとの打ち合わせは何回もあり、書類や電話の打ち合わせはかなりの回数を行いました。

6月開催でしたが、前年度からの前倒しで打ち合わせを繰り返しました。

中野市主催の為、書類等の手続きが大変時間がかかるそうで、学芸員さんは非常に苦労されていました。
前倒しでの準備でしたが、日程に余裕は余りなかったように感じました。

美術館入口に飾った貫入青磁の説明文は学芸員さんが作ったものですが、青磁はまだ解明されていない部分もあり、技術も複雑で更に専門用語だらけですので、説明文は苦労されたかと思います。
学芸員さんに説明文の確認もお願いされましたが…多分あってます…としか答えられませんでした。
厳密には正解はありませんし。

ある打ち合わせでは図面を二種類用意されていました。
一つは実際の展示台とその上にのる作品の図面。
もう一つは、照明とその照明の光の範囲を図面に書かれていました。

予算書は見ていませんが、たっぷりとお金を使って頂いた個展でした。

続く

成功点と反省点

2009-08-01 00:51:48 | classic
クラッシック続き

個展宣伝方法は市が主催の為、有料広告が禁止されていました。
しかし市主催の為、広報・民間雑誌・新聞各社など無料広告は恐らく全ての報道機関が取りあげてくださいました。
なかでも陶芸雑誌が個展を取り扱ってくださったのは今回が初めてでした。

宣伝は全て美術館が行なってくださいましたが、作家側からも同時に宣伝活動を行いました。

美術館・作家双方とも出来るだけ多くの入館者が来て下さるよう最大限に宣伝をしました。

更に案内状(チラシ)も通常より増刷して頂きました。(追加印刷代は作家側負担でお願いしました)


反省点は、作家側から案内状を中野市またはその周辺には送りましたが、遠方には送らなかった事です。

長野県内はマスコミ等で何回も個展案内が掲載されていましたが、個展を知らなかったお客様もいらしたようです。

また以前ブログに書きましたが、北信地方の方々はあまり美術に興味がなく…薔薇貫入作品の未熟さ故か…地元の方々の入館は少なかったようです。

この個展は沢山の方々に見て頂きたかったですし、お客様を沢山呼ぶ事が作家の努めだと思いますが、予想より少なかったと思っています。
今振り返ってみると、県外のお客様が個展を見に来てくださるような宣伝方法をすべきでした。

続く

相談

2009-07-31 19:44:32 | classic
クラッシック続き

この4部屋で苦労した部屋は、灯りの間と家具の部屋。

灯りの間は室内を暗くする必要があり、美術館としては消防法などなど問題点がありました。
窓も暗幕を購入して頂き、真っ暗な部屋が完成しました。
最も人気のあった部屋です。

一番光の目立つ灯りとりを赤い電球に変更して頂き、攻撃的な部屋になりました。

家具の部屋は、貫入作品と古い木製家具を合わす事が可能なのか?と陳列テストもありました。

古い木製家具は、粉引作品や焼き〆作品など土らしい作品とぴったり合います。
貫入作品はガラスや金属とぴったり合います。

陳列テストでは、最重要ギャラリーであるぶらり館のオーナーさんと、我が事務室の宣伝広告をサポートして頂いているアートワークセツさんに美術館に来て頂き、現場検証を行いました。

結果、裂き織り作品の上に薔薇貫入釉作品を陳列する方法が最も良いとなりました。
ですが予算の関係で難しく、代理に美術館の取引先で作品と相性の良い布があればそれを代用する事となりました。

残念ながら布は見つからず、家具の上に薔薇貫入釉作品を陳列しました。


しかし意外と好評で、この部屋の一部をポストカードとして採用しました。

ポストカードには2点作品が写っており、所有者は大変喜ばれてました。

続く

部屋

2009-07-30 09:54:52 | classic
クラッシック続き

美術館の展示スペースは4部屋あります。

1、小学校時代の家具を使った展示室。

2、サイコロ(台)を規則的に並べた展示室。

3、サイコロを不規則に集めて並べた展示室。

4、真っ暗な灯りとり専門の部屋。

をご用意して頂きました。

部屋によって照明や布・台等を変えて頂き、雰囲気を全て変えて頂きました。

詳しくは非売品の図録をご覧下さい。

企画案

2009-07-27 09:31:26 | classic
クラッシック続き

入館者を増やす為に美術館へ企画を提案しました。

1、通常の個展では不可能な真っ暗な空間を作り、灯りとりの部屋を作る。

2、期間中の一部に華道の先生にお花を生けて頂く。

3、薔薇貫入釉作品以外の未発表作品を展示する。

4、展示のみでなく、記念の販売作品も用意する。また個展図録を制作し同時に販売する。

5、お客様から作品をお借りし回顧展にする。

6、個展前に行われるバラ祭時に、個展案内をする。

等です。

採用されたものは
1と5と6です。

ただし6に関してはバラ祭時に個展案内状が間に合わなかった為、お客様に一部情報の混乱がおき、バラ祭の展示が無限の再生展だと思われてしまいました。
逆効果でした。


採用されなかった理由は

作品そのものを美術品として見せたい為、花は入れられない。

売店のない美術館であり、市が主催する展示会なので営利目的は不可能。

バラ公園なので薔薇貫入釉作品で統一したい。

等です。

もし全て採用されていれば来客数は伸びたでしょう。

理由は
長野市在住で若手であり、陶器を展示する。
からです。

続く

意味

2009-07-26 00:05:06 | classic
クラッシック続き

案内状より

世界各地の神話や歴史の中に数多く登場し、古くから人々に愛されているバラ。今回は夏の美しいバラの季節に合わせて、「薔薇貫入釉」という独特な釉薬を用いて陶芸の制作をしている本間友幸氏の作品をご紹介します。
薔薇貫入釉という名前は、土と釉薬の収縮率によって出来る無数の貫入(ひび)が、小さな薔薇のように見えることから名付けられたといいます。命を育む大地のかくらである土と、再生の炎。そこから生まれくる陶器とその中に溢れ咲く繊細な薔薇の花々は凛とした美しさをその姿にたたえ、神秘的で深い表情が印象的な作品たちです。
見つめるたびに、その時々の感情に反応するかのように趣を変える貫入の薔薇。その無数のひびからなる花が息づくのは、無限に繰り返す終わりのない世界。炎の洗礼により、この世にその身を留め置くこととなった枯れることのない夢幻の薔薇は、私たち観る者を惹きつけてやみません。


サブタイトル「無限の再生」の意味です。
さすが学芸員!って感じですね。素晴らしいです。

薔薇貫入釉の陶展

2009-07-25 01:33:47 | classic
クラッシック続き

個展案内用にチラシとポスターを制作して頂きました。

写真撮影は通常、中野市の指定業者が入札をして決定されますが、今回は薔薇の貫入が鮮明に撮影できる業者にお願いしました。


本間友幸
薔薇貫入釉の陶展
ー無限の再生ー

平成19年6月29日[金]ー7月22日[日]

開館時間… 午前9時~午後5時
休館日…毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館)・祝日の翌日
入館料…一般300円・高校生150円(団体20名以上/一般230円・高校生100円)
主催…中野市

中野小学校旧校舎・信州中野銅石版ミュージアム

長野県中野市大字一本木479ー5(一本木公園内)
電話0269ー22ー4801
FAX0269ー22ー2005


作品
本間友幸《薔薇貫入釉 花器「燃ゆる薔薇」》2007年