脳のミステリー

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117.水仙というテーマ

2007-01-12 07:01:13 | Weblog
 今年初めての絵手紙教室の「お題」は「水仙」― 私は目の前で凛とした茎の先で少しうな垂れながらもその美しい姿を見て欲しいとばかり、周囲に香りを漂わす花を私はじっと見詰めている内にあれやこれや思い出起こしに夢中になって筆は一向に動かなかった。
 果たして、絵手紙は私には向いているのだろうか?
 では、あの時の私の頭の中を再現してみよう。
 先ず、私が10歳位の頃に日本で公開された「黒い水仙」という映画を思い出していた。目の前には白い水仙が鮮やかな黄色を覗かせているのに・・・ 映画好きの母に連れて行かれた私は内容を全く覚えていないのに題名が強烈に記憶に残っていた。同じ頃、空前のヒットと言われたラジオドラマ「君の名は」は、私には「黒百合」が興味を注いだ。洋画と日本のドラマは前後して、私に「黒い花」に興味を持たせたのである。
「お母さん、黒百合って本当にあるの?」
「あるわよ。夏に咲くの」
若い頃は登山に興じたという母はその高山植物の魅力を語ってくれた。
「じゃあ、前に見た映画の題名の黒い水仙は?」
「黒い水仙なんてないわ」
ないのに、どうして題名になったの? 不思議だった。どうも研究好きではないが、単に探求好きだったのかも知れない。
 ギリシャ神話で美少年が水面に映る我が姿に見とれてそのまま花になってしまったのが水仙だという事で、英語では自分の美貌に酔いしれる人をナルシストと呼ぶ。ギリシャ神話に登場する美少年の名がナルキッソスという事である。あの時の映画の原名はブラック・ナルシスだった。 因みに、あれから数年経って誕生したポップス歌謡「黒い花びら」は永六輔・中村八大コンビの甘くモダンな詩とメロディ、それに水原弘の強烈な歌声は実に圧倒されたもので栄えある第一回日本レコード大賞受賞曲だった。

 絵手紙教室では結局満足出来ない葉書が出来上がってしまった。仕方ないか!
 帰宅後、中国の古典を調べてみたら漢名の「水仙」を音読みして「すいせん」に なった、とあった。 漢名は「仙人は、天にあるを天仙、 地にあるを地仙、水にあるを水仙」という事である。日本語は辿れば辿るほど四千年の歴史を持つ中国古典に繋がるから面白い。
 絵手紙教室で得た事実は「私は単なる言葉遊びが好きな人間である」という事か?

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