脳のミステリー

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脳出血10年後の後遺症「痺れと痛み」

2012-02-02 18:08:20 | Weblog
私の脳出血後の最大の悩みである後遺症は「痺れと痛み」です。
発症後すぐに悩んだ言語障害は尾状核の大活躍で英語だけが先に2週間という猛スピードで回復しましたが、痺れ同伴の疼痛は10年も経ったのに相変わらず長逗留しています。
軒先貸して母屋を取られる・・・まさにそんな感じです

医学的には、疼痛とは、外部から身体に有害な刺激が加わっている事や、体のどこかに炎症や圧迫などの異常が生じている事を知らせる警告症状なのです。
本人にとってそれは不快感、苦痛を伴い、長く続くと精神的に参ってしまうのですから、有害な現象でもあるわけです。
私の場合、発病後半年で発生した「痺れ」も痛みと同様、感覚を伝える神経経路や感覚中枢のどこかに何らかの異常がある事を示している訳です。
痺れには、感覚が麻痺して痛みや温度感覚などを感じなくなる「感覚鈍麻あるいは感覚消失」と、ジンジンする、とかビリビリするといった「異常感覚」とに大別されます。
因みに、私の痺れは確実に後者です。
脳卒中では何れのタイプの痺れも多少に拘らず出現しますが、痛みと同様に苦痛を感じるのは後者という訳です。

特に痛みは不快感、苦痛を伴うので、長く続くと精神的に参ってしまいます.
酷い痛みは、不眠、食欲低下、抑うつ状態、ノイローゼ状態などの原因となり、生活の質(QOL)の低下、リハビリテーションの遅れなどをきたし、回復を悪くすると言われてますが、プラス人間の私は「忘れる・我慢する」を敢えて実行に移してます。
脳卒中後の痛みは、麻痺に関連した末梢性疼痛と、感覚の中枢が障害されて生じる中枢性疼痛に大別されます。
この悩みと長年つき合ってきた私は、麻痺のある手足の筋肉痛、骨や関節の痛みとしての次のような症状によく遭遇します。
拘縮に伴う痛みは、関節を動かそうとすると痛みが強くなるのが特徴です。
麻痺のある側の痛みですが、麻痺がない側の手足が過剰に使用されて痛む事も頻繁にあります。
尚、肩手症候群とは、交感神経系の異常によって生じるらしいことがわかっており、かなり強い麻痺のある側の肩と手の強い痛みをきたす状態です。

末梢性の痛みに比べて中枢神経の痛みは頻度は低いのですが、より苦痛を伴い、難治性で厄介なのです。
痛みを感じとるセンサーは体中至る所に張り巡らされています。
末梢性の痛みは痛みセンサーの刺激で生じますが、中枢性の痛みの場合は、手足の末梢には痛み刺激が加わらないのに、視床や大脳の感覚神経の情報処理の異常の為に、「脳の中で」痛みを感じてしまうのです。
中枢性疼痛は他人にはなかなか理解してもらえない苦痛で、意外と知られていません。
痛みは、脳卒中の発症直後から起こることもありますが、多くは何ヶ月かしてから始まります。
私の場合はその典型的パターン!

脳卒中後の痺れが、麻痺のある側の手足、体や顔、口の周りなどに常時感じられる場合は、まず、中枢性疼痛と同じ現象、即ち、中枢性の痺れと考えていいと思います。
痺れの性状は、ひりひり、じんじん、びりびり、ぴりぴり、などと表現されますが、私特有の表現は「道路工事用の電動ドリルを身体に抱え込んで、急にドライアイスが天からバラバラ落ちてきて麻痺側に張り付いたような感じ」という訳です。
痺れは、常に感電させられているような、痛みとはまた違った不快感があり、痛みの場合と同様に精神的に参ってしまうことが多いようですが、これを我慢するのは並大抵な事ではありません。
小さい梗塞でも半身の非常に不快な痺れを起こすことがあるということで、暫く経ってから痛みを感じるようになってくると「感覚の回復」が恨めしくなることも経験上、事実だと付け加えます。
完全に痺れや痛みが止まることは難しく、半分くらいに減らすことを目標に治療を行って自分をまやかしの状態に追い込んでいくのが現状だと言えます。
いずれにしても抗うつ薬の内服で症状はかなりよくなったという報告もあるようですが、私の場合はこのての薬の引用は効果を期待できないのが事実です。
治療には中枢性の痛みの場合と同様の薬が有効ですと言われても効用よりも薬害が気になって・・・
薬害は何と言っても睡魔・・・電動車椅子で走行中に襲われて道路のガタに吸い込まれるように・・・頭を急振りして我が家に急いだ事もありました。
今、私にとっては薬害が見られないので服用しているのがセロクラールとリボリトールの二種類だけです。

リボリトールに副作用は殆ど無くて、とても安全性の高い薬として医師薬剤師の指示通りに服用する分には問題はないと思います。
未成年者・妊娠中の方などにも服用されているようです。
リボトリールの正式な保険適応症は各種のてんかん治療になりますが、このように、それ以外のいろいろな精神・神経系の病気に対しても広く用いられています。
リボトリールを抗不安薬として位置づけると、その抗不安作用は「最強」クラスであると言われています。
バシッと効く薬ではなくて、効き目はマイルドだと思います。
薬というものは服用した人それぞれに違う作用が現れるものですから、こればかりは飲んでみないと分からないなと思います。
何故か、1錠ごとに切り取れるようなミシン目がついていないので、きちんと1錠分のところだけを破って錠剤を取り出すのがちょっと大変!
この包装には何か特別な意味でもあるのかしら


セロクラールは、私にとって比較的服用歴は一年未満ですから・・・まっ、降圧剤のエースコールは倒れた直後からのお付き合いですが、数年前に一日2錠から1錠に減らして貰いました。
セロクラールは血管平滑筋弛緩作用、交感神経α受容体遮断作用などによる脳血流増加作用や、ミトコンドリア呼吸機能促進による脳代謝改善作用、また血小板の凝集抑制作用があります。
今、1回1錠(20mg)を1日3回毎食後服用しています。
飲み忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を飲むようにしています。
ただし、次の通常飲む時間が近い場合は1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでます。
医者に絶対に2回分を一度に飲んではいけません、と言われているからです。




☆☆☆完全に痺れや痛みが止まることは難しく、半分くらいに減らすことを目標に治療を行っているのが現状ですが、減ってるのかなあ、というのが本音です