「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

女性議員へのセクハラ.野次 都議会の最低の品位

2014-06-20 06:07:38 | Weblog
都議会ので女性の晩婚化、晩産化で質問にたった「みんなの党」の塩村文夏議員(35)に対して”早く結婚しろ””産めないのか”と男性議員から口汚い野次が飛んだという。都議会にはすでに一千通もの抗議の電話があり、ネット上でも女性への”セクハラだ”とする意見が蔓延している。野次は自民党議員席の方から飛んできており、「みんなの党」の幹事長は「自民党」幹事長に対して抗議しているようだが、前代未聞、セクハラだけではない。議員として最低の品位の問題だ。

自民党は昨年の都議会議員選挙で推薦議員59人がそろって当選した。議員総数127議席の半数を占める最大の勢力である。常識では考えられない野次は、この数の驕りからとしか考えられない。都議会議員の年収は、給与のほかに政務活動費を入れると、年収2440万円という高額である。こんな高給取りの議員たちが、こんなくだらない野次を飛ばすために議場に出ていると思うと、何とも情けなくなる。いやしくも、日本の首都、東京で選ばれた議員である。

最大会派の自民党は野次を飛ばした議員は特定できないとして、この問題を幕引きしたいようである。「みんなの党」は自民党に抗議したが、両角幹事長は”古い考えの方のずれている野次です”と他人事のように言っているが、これは政党同士の問題ではない。都議会議員は、高給を貰って頭がおかしくなっているとしか思えない。野次は”議会の華”だとでも思っている議員がいるのかもしれない。この際、都議会は自浄作用を発揮、全党一致で問題を追及して野次議員を特定して処分すべきである。

”極力自分で歩くという意志は持つべき”だが。

2014-06-19 05:46:11 | Weblog
70年来の「竹馬の友」からメールが入り、先日の「父の日」娘さんの招待で箱根へ出かけたところ、坂道で転倒、手足をしたたか打ってしまった。肝心の温泉には入れず、美酒も飲めず、さんざんな目にあった、と知らせてきた。しかし、頭は打たなかったらしく、本人もいうように、不幸中の幸いであった。親友は数年前、渋谷の歩道橋でも、足を滑らして転んだ”前科”があり、十分注意をしていたのだが、やはり年齢には勝てない。

たまたま産経新聞のコラムに愛読している作家、曾野綾子さんが「極力自分で歩く意志「というエッセーを書いておられた。曾野さんは76歳の時、杖をつきながら海外の地雷撤去現場へ出かけた体験を書かれているが、その時、でこぼこの大変な道であったが、他人へ迷惑をかけてはと歩いた結果、足腰がよくなった、といった趣旨のものだ。80歳を越えた曾野さんの周囲にも”行動に不自由を感じる”高齢者が増えてきたが”極力自分で歩くという意志”を持つべきだ”というご意見だ。

昨年暮、僕も左膝の人工関節置換手術で1か月入院した。数年来の痛みで、このままなら車イスのお世話にもなりかねないというので、思い切って手術を決断した。高齢者には厳しい手術だったが、お蔭で今は自分の足で歩行できるまでに回復した。どうしても高齢になると足腰が弱り、その結果、家に閉じこもりがちになり、社会との接点もなくなり老化も進む。その意味で、曾野さんのいう”極力自分で歩くという意志”は必要である。僕もまったく同感なのだが一方では”転ばぬ先の杖”という諺もある。高齢者の中には”杖”に対して変な抵抗があるが、大事に至ることもある。恥ずかしがらず、無駄な抵抗はせず、杖を持つことをお勧めする。

何故テレビのNHKニュースは高視聴率なのか

2014-06-18 06:53:52 | Weblog
新聞にテレビの週間視聴率トップ30が毎週出ている。前から気になっていたのだが、これをみると「ニュース」番組がいつも圧倒的に上位を占めていることだ。それもほとんどがNHKの「ニュース」である。今週(6月9日~15日)もビデオリサーチの関東地区調査によると、ベスト30のうち12本が「ニュース」で、うち11本までがNHKの「ニュース」だ。

毎日が日曜日の僕ら年寄りはやはり日常生活にテレビはかかせない。インターネット時代といっても、主な情報源はテレビである。しかし、確かめてみると、僕がお世話になっている番組は、NHKの「ニュース」と、自分の贔屓のプロ野球チームの出る野球中継、それにNHKが時々放送する国会中継だけである。僕だけかと思ったら、同年代の友人も大体同じで、若者に人気の民放の番組はほとんど見ていない。

その昔、民放に在籍していた時代(1969~81年)は、毎週発表になる視聴率表をみて自局の番組の視聴率の上下に、商売柄”一喜一憂”したものだった。当時の薄くなりかけた記憶によると、その頃はNHKの番組は、おしなべて民放よりは低く、「ニュース」がベストテンの上位に入ることなど特別場合を除いてなかった。高視聴率番組といえば、民放の看板のドラマや歌番組、それにジィアンツがらみの野球中継であった。

NHKの「ニュース」が視聴率の上位なのは理解できる。やはり民放に比べれば国内外に膨大な取材ネットワークを誇り、速報性があるからだ。とくに自然災害などは、どうしてもNHK二チャンネルを回してしまう。仕方がないことだが、逆にかっては、高視聴率を誇った国民的なドラマや、一世風靡した人気番組が姿を消してしまった。これも相対的にNHKの「ニュース」の視聴率アップに関係しているのかもしれない。


異教徒は手をひいたほうがよいイラク戦争

2014-06-17 05:51:07 | Weblog
また”イラク戦争”である。「イラク.レバントのイスラム国家」(ISIL)を名乗るスンニ派の強硬グループが、スンニ派住民の多いモスールを占拠、首都バグダッドへ向け進撃中だという。湾岸戦争の後を受けて”イラク戦争”が最終的に終結し、米国軍が、この国から撤退したのは、僅か4年前の2011年である。それがまた、空母などの艦艇を近くのペルシャ湾に移動させ、情勢次第では介入の構えをみせている。

「イラク.レバントのイスラム国家}のLevantとは、東地中海地方の昔からの名称で、一般にはレバノン、シリア。ヨルダン地方を指す。もう半世紀以上も昔だが、取材で訪れたことがあるが、気候温暖で風光明媚な地域である。この集団はこの地域にイスラム国家を樹立しようというのが、運動の目的のようである。東京の「スカイ,ツリー」の近くに、この名をとったホテルがあるが、もちろん集団とは関係はない。

歳をとると忘れっぽくなるが、陸上自衛隊がイラクに派遣されたのは10年前の2004年である。この年5月には米国の駐留軍とシーア派過激派との間で大きな衝突が起きている。今回軍事行動を起こしたスンニ派ではなくて反対派である。スンニ、シーアといっても、僕ら異教徒には解からない。教組モマメッドの後継者についての教義上の解釈の違いである。この宗派対立のほかに、国内の部族対立もからんでいる。

米国も前回の介入に懲りて慎重な態度をとっているようだが、所詮、異教徒には異教徒の事は理解できない。中東地域の紛争は、現地に任せ、手を引いたほうがよい。植民時代の宗主国も困りはてている。いわんや、わが国はコミットしないほうがよい。

平和万歳 世界ワールド.サッカー大会

2014-06-16 05:16:07 | Weblog
昨日の日曜日はテレビも新聞も家の中の会話までサッカー.ワールド大会の話題でわいた。普段サッカーに興味のない僕もテレビのが前にくぎ付けにされ試合をみた。結果はコートジボワールに2対1で逆転され、大げさに言えば、日本中が、戦争に負けたかのように悲嘆にくれた。この騒ぎを見て、僕はこの国は平和で、豊かで、素晴らしい国だと改めて感じた。

ブラジルで開かれている大会には、世界の予選を勝ち抜いた32か国が参加しているが、顔ぶれを見ると、戦禍の国や紛争を抱えている国、あるいはトラブルメーカーの国は一つもない。ウィグルやチベット問題を抱える中国、パレスチナ問題のイスラエル、アルカイーダなどイスラム内の宗教対立のたえないイラク、シリア、タリバン.テロのアフガニスタン、パキスタン、それに部族対立のスーダンなど、いずれの国の名前はない。サッカーを楽しむ余裕などないのだろう。

日本のテレビを見ていると、世界中がサッカーで湧いているようだが、70億の世界の人口の中で、大会に参加しているのは、人口の多さベスト20のうち7か国にすぎない。1位の中国(13億)2位インド(12億)4位インドネシア(2.7億)6位パキスタン(1.8億)7位ナイジェリア(1.7億)8位バングラデシュ(1.6億)は参加国ではない。

ボール一つを相手のゴールに入れるだけの単純なスポーツである。経済的に貧困な途上国のスラム街でも少年たちがボールを蹴っている姿をよく見かける。それだけに、途上国の少年たちにも夢のあるスポーツだ。日本の子供たちにとっても、サッカーを通じて相手国の国を知るだけでも国際理解を深められる。平和万歳である。

「父の日」 養老の滝の孝子伝説

2014-06-15 05:48:31 | Weblog
6月の第3日曜日は「父の日」である、いつごろから、この日が日本でも「父の日」として祝うようになったのか記憶がない。wikepedia で調べてみたら本家本元の米国でさえ、1972年、ジョンソン大統領の時、国家の休日に制定されている。僅か40年ほど前のこと。、そんなに古い話ではない。おそらく、真似好きの日本のことだ。商業イズムの後押しで「母の日」同様「父の日」も社会に定着させようという訳なのだろう。

「父の日」というと、何故か僕らの世代は「養老の滝」の孝子伝説を想い出す。戦前、修身の教科書で習ったのかも知れない。昔、奈良時代の天正天皇(女帝)の御代、美濃の国(岐阜県)に貧しい親孝行の男があり、毎日苦労して酒好きの父親にお酒を飲ませていたが、ある日山奥の滝の水をくんんで家へ持ち帰ったら、水が酒に変っていたという話である。

酒好きの僕にも昨年までは子供たちから、お酒のプレゼントが届いた。しかし、代わって今年は「御蕎麦」が届いた。昨年暮、入院後、健康を考えて僕が晩酌の習慣を慎んでいるのを知っての事だ。父親の健康を気遣ってくれて有り難いが、ちょっぴり寂しいことも事実だ。インターネットには「父の日」プレゼント.グッズが一杯だ。「母の日」同様、「父の日」も日本の社会に根づいてきたのであろうか。

亡父は1974年に亡くなっている。従って72年に制定された「父の日」の恩恵には浴していない。しかし、酒好きだった父親は息を引き取るまで病床で、吸い飲みで美酒を、老妻から飲ませて貰っていた。商業イズムに踊らされてもよい。年に一回ぐらい「母の日」と同様「父の日」があって、父親のことを想い出してくれれば有り難い。

日系外国人の就労と「外国人技能研修制度」

2014-06-14 05:20:22 | Weblog
少子高齢化による勤労世代の減少がもう始まったのであろうかー。日本の社会の3K職場(きたない、きつい、危険)を中心に人出不足が出ていたようだ。外国人の入国を管理する法務省では有識者に対して、その対応策を検討してもらったところ、現在の「外国人技能研修制度」を大幅に改正し、在留期間を現行の3年から5年に職種も68職種から、さらに「介護」まで広げるべきだと答申してきた。「介護」の分野は、すでにEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア、フィリッピンなどとのの別な制度もある。これを一本化しようと、いうのであろうか。

20年来知り合いの日系インドネシア人三世(女性)Sさんから”また働きに来ました”と葉書を貰った、彼女の祖父は戦後インドネシアに残留した元日本軍人だが、1990年、入管法の改正で、日系外国人が日本で長期滞在できるようになり、家族と共に来日した。彼女の父親(二世)は以来、日本に在留、日本の企業で働いている。しかし、Sさんはインドネシア人と結婚、祖国に帰国したため、子育てが終わって再び、日本で就労したくともビザがおりないらしい。今回も正規な就労ビザではないようだ。

アジアの日系人は数が少ないが、ブラジル、ペルーなどの日系人の就労者は全国で20万人を越えるといわれ、今や外国人労働者の一大勢力となっている。群馬県の大洗町などは人口の一割が中南米からの日系人であるという。地元自治体や企業の努力で、受け入れ体制も確立してきているようだが、それでもまだ言葉や習慣の違いからトラブルがたえない。

これに対して「技能研修制度」は評判が悪い。受け入れ企業の中には賃金不払いや、仕事の説明不足などから外国就労者から訴えられたり、逆に研修終了後も不法に滞在しているケースも多い。法務省はこのような状態は熟知しているはずである。これを放置したまま、産業界からの要望で研修制度を一方的に改正したら、極論すれば、日本は無法国家になる。外国人労働者受け入れについて、きちんとしたコンセプトを持つべきで、入管管理は厳しいほどよい。

市販薬の副作用と「お薬手帳」

2014-06-13 05:35:49 | Weblog
市販薬が昨日から一部「要指導医薬品」を除いて、インターネットでも購入できるようになった。新聞にその”要指導”の薬品名が出ていたが、素人にはわからない。また、僕ら老人の多くは、ネットで購入するのが面倒だから利用しないが、果たして安全なのだろうか。薬の飲みあわせが、よく問題になっているが市販薬は大丈夫なのだろうか。

作家の曾野綾子さんが新聞のコラムで薬の副作用について書いていた。曾野さんによれば、よく効く薬には副作用があるみたいなので、ご自身の責任において、時には”権威”や”与論”に反抗してまで服用を拒否しているそうだ。この記事を読んだ、曾野さんと同じ年代の、薬嫌いの老妻は、わが意を得たとばかり、快哉を叫んでいた。僕は快哉とまでは、行かないが、一部の医療機関の薬の出しすぎには批判的である。

最近、ツイッタ―で”「お薬手帳」を拒否しよう。20円お得になる”という声が出ているそうだ。正直言って、僕も当初「お薬手帳」は面倒で、なぜこんなものが必要なのかと思っていた。しかし、数年前、血糖値をさげるため医者から貰っていた薬が、膀胱ガンと因果関係があることを新聞で読み、以来薬については神経質になってきた。良心的な薬局では、手帳に薬品名のラベルを張るときに服用の注意をしてくれるが、もう一歩進んで手帳を点検し、飲みあわせによる、副作用があったら、そこまで注意して貰いたい。

市販薬と「お薬手帳」との関係はどうなのだろうか。最近あまり市販薬を買う機会が少なくなったが、それでも年に一回は風邪気味になり、市販薬のお世話になる。こういった薬は、まず「お薬手帳」には張らないが、医者からの常用薬との飲みあわせによる副作用はないのであろうか。大病院で子供には使用禁止の麻酔薬を使い事故が起きている。もっと誰もが薬について関心を持ったほうが好い。


 「党首討論」 解からない集団自衛権の憲法解釈

2014-06-12 06:28:46 | Weblog
昨日テレビで「党首討論」を拝視、拝聴したが、問題の集団自衛権をめぐる安倍総理と海江田民主党代表との”討論”は結局”討論”が”討論にならず物足りなかった。一つには自公両党で審議している集団自衛権に対する憲法解釈が、素人には理解しにくいこと。一方、それ以前の問題として野党第一党であるにも関わらず、集団自衛権そのものに対する解釈が民主党内で一本化していないからであろう。

討論の中で、海江田代表が”集団自衛権の行使により、自衛隊員が血を流すことになる、と総理の口から言って欲しい”と迫った。憲法改正に反対してい大江健三郎氏らの「憲法九条の会」と同じで、戦争の悲惨さを国民に訴え、集団自衛権は戦争につながるという論法だ。広島、長崎原発、東京、大阪無差別空襲を僕らの世代は体験している。戦争は”もうごめんだ”と、日本人なら誰でも思っている。しかし、戦後70年、世界の情勢も変化してきている。

昨日の「党首討論」は集団自衛権だけがテーマではないと思うが、維新の会の石原慎太郎代表の”討論”は、例によって例のような「独演会」だった。分党までした石原代表である。国民は何故憲法改正が必要なのか、石原代表の口から聞き、これに対する安倍総理の見解も聞きたかった。しかし、残念ながら過去の自分の政治体験を長々と述べるにすぎなかった。

ネットに石原氏の話に対して”介護の現場で高齢者の話を聞くヘルパーさんの苦労がよく解る”というコメントがあった。あの元気だった「太陽の季節」の青年も八十老である。”討論”の石原氏の話を聞いて、周囲の方々はそろそろ、引退への花道をお考えになったら、よいのではないかと思った。石原さんにしてみれば”今の若者は”という気持ちもおありだろうが、介護現場の老人になぞらえるようでは自身も引退をお考えになったほうがよいかもしれない。

サイパン玉砕と大本営発表

2014-06-11 05:35:42 | Weblog
大東亜戦争の敗戦を決定づけたのは、昭和19年(1944年)6月―7月のサイパン玉砕戦であった。同地での戦闘は11日の空襲、12日の艦砲射撃についで15日、米国海兵隊が上陸を開始し、迎え撃つ第43師団との間に激しい戦闘が繰り広げられたが、多勢に無勢、25日、大本営は奪回不可能と判断、7月9日”バンザイ突撃”をもって組織的な戦闘は終了した。一方海上でもマリアナ沖海戦で空母三隻を失うなど壊滅的な被害を蒙った。

当時、国民はこの敗北をどのように受け止めていたのか。亡父の6月16日の日記には大本営発表として”敵軍二度、上陸を企てたが撃退され、三度目の企図に対して目下、撃退中”と書いている。しかし、その後日記には戦闘について記述がなく18にの日記には”警戒警報まだ解けず、サイパンは一体どうなっているのか”と懸念している。米軍のサイパン上陸以来、日本全土に出ていた警戒警報は19日解除されたが”中部太平洋方面の戦闘は発表も情報もないと再度心配している。その後7月4日の日記には”サイパン血戦につき大本営発表あり。同時に情報局からも意味深長な声明あり”と記し、国民はこの時点でサイパン陥落を知っていたようだ、しかし、サイパン玉砕が公式に発表になったのは18日、東條内閣総辞職の時であった。

先日、6月6日のノルマンディ上陸作戦の70周年を記念して、現地で関係国首脳が集まって式典があった、のをテレビで知った。自国の戦闘ですら”大本営発表”しか情報源はなかった。当然、亡父の日記にはこの記述はない。藤田嗣治画伯の「サイパン島民臣節を全うす」という戦争画を見た。玉砕前の島民を描いたものだが、米国側の資料を見ると、戦闘前に捕虜になった方も多かったようである。