Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

12月23日(土) いや~、おどけた

2023-12-23 22:03:58 | 日記

長野では、ビックリすることを「おどける」といいます。「ああ、おどけた!」と言ったりする。
「たまげる」と言い換えることもできますかね。他の地域では「ひょうきんな仕草をする」ことを指すことが多いのかな。

今日新聞折り込みされたチラシを見て、わたしゃおどけましたね。
何と「町財政復活 平成28年度並みに復活」とトップに書いてあるではありませんか。

さて、「平成28年度並みに復活」とは何か?
行財政改革推進委員会の開催当時から、この記事をお書きになった方の認識は、すべて「基金」をもとに組み立てられていました。要するに、「財政の悪化が進んだのは、基金を無理に取り崩したためであって、それを急速にもとに戻すことが出来たのだから、財政は復活したのだ、どうだ」ということです。

勿論この認識は、何重にも誤っており、行革委員会当時から具体的なデータを示しながら繰り返し説明をしてきたにも関わらず、基金以外の指標は全く目に入らない状態で、とうとう「町財政復活」宣言をなさるまでになってしまったという次第です。この認識には驚くしかありません。

何重にも誤っていることは、ここでも何度も指摘してきたことですが、仮に基金のみを取り上げても、町財政復活などとはとてもいえないことを論証しておきましょう。

確かに、基金枯渇の危機に瀕した(これ自体重大な責任問題ですが、ここでは触れません)ものの、何とか持ち直し、現在では平成28年度水準まで戻すことができました。その最も大きな要因は、交付金の再算定によって、地方交付税が予想よりも多かったために、基金にまわす財源が生じたことにあります。もちろんそのほかに使うことも出来たのですが、近い将来小学校の建て替えやその他の大型事業を予定しているために、公共施設等整備基金を蓄える緊急の必要性があることと、借金返済のための減債基金を積みます必要があったことのために、多少無理をしても基金を積みますことが必要だったことが背景にあります。

下の表を見ると、平成29年度と令和元年度以降では基金の積み方が変わっています。(表にはリンクが張ってあり大きくして見ることができます)

私が10数年前から口を酸っぱくして指摘したこと=財調優先の考え方から特定目的基金優先の計画的積み立てへ=という路線に切り替えざるを得なくなったことを示しています。
令和2年度には基金が枯渇する危機を乗り切るメドがついてからは、基金は5億円程度で固定し、特定目的とくに公共施設等整備基金を重点的に積みます方向へと舵を切っていきました。その点は、もちろん評価できることであって、これを誤りだと言っているわけではありません。当然の政策変更です。

問題は、令和28年度に戻せたから財政は復活したのかどうかということにあります。
私に言わせれば、基金だけとっても、「ようやく平成28年度水準に達したに過ぎない」ということです。この程度で復活などと言ったら他の町村から笑われてしまいます。

特定目的基金は、その目的を果たす時期がくれば取り崩さなければなりません。いつまでも積んでおくお金ではありません。公共施設等整備基金は、将来の公共施設の改修などに使うお金であって、令和3年度で7.8億円に過ぎません。ちなみに、お隣の松川村は約18億円積み立てています。それでも財政担当者は、公共施設の老朽化に備えるには大きく不足していると危機感をもっているのです。
池田町の規模では、今後10年間で最低でも20億円程度の公共施設・社会資本整備のための基金が必要になるでしょう。それでも足りないと私は考えています。お隣の松川村の基金の積み方と比べてみてください。

もう一度いいましょう。池田町は、自己の努力ではなく、幸運に恵まれて期せずして総額で平成28年度水準に戻すことができたに過ぎないのです。そして、基金の復元は、財政健全化のほんの1つの指標に過ぎません。
財政危機の最も重大な問題は、基金の増減ではなく、「経常経費を大きくふくらませ財政硬直化を招いた」ことにあったのです。これに触れない財政健全化への道はあり得ないのであって、何が平成28年度並かも明らかにせずに、「町財政復活」などと宣伝することは、テレビやネットにあふれる健康サプリ並みの誇大広告だと言われても仕方がありません。

次回には、財政硬直化の真の原因と現町政の重大な責任について詳しく触れることにしましょう。