Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

9月4日(水) 立憲党首選 このままでは翼賛国会の完成の恐れ

2024-09-04 15:36:43 | 日記

今日は市民劇場例会、劇団民芸の「泰山木の木の下で」。日色ともゑ主演の舞台です。担当サークルにあたっていたので、昼近くに舞台の搬入の手伝いに出かけてきました。大勢のスタッフ、キャストがテキパキと働いており、舞台装置や道具も結構大がかり。さて、どんな芝居になるのでしょうか。

***

今朝のテレ朝モーニングショーでコメンテーターの玉川徹氏が、立憲民主党の党首選に立候補している野田佳彦氏の安保法制に関する発言(安保法制の継続=政策の見直し)について、「安保法制の見直しは、野党共闘の一丁目一番地ではなかったのか」と述べ、強い懸念を示していたのが印象に残りました。

玉川氏の発言を待つまでもなく、安保法制を閣議決定し集団的自衛権の行使容認に踏み込んだ安倍政権を倒すことが、市民と野党の共闘が成立した原点でした。
党首選挙にあたって、その候補者の一人から、綱領や政策についての異なった見解が示されて、それが許される政党というのは一体何なのでしょう。私ならもはや政党の形をなしていないし、そのような政党を信用することは出来ないと断じますね。

もう少し詳しく新聞報道などを見ましょう。
今日の朝日新聞DEGITAL によれば、次のように報じられていました。

野田佳彦元首相(67)は2日夜、BSフジの番組で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制について、「すぐに何かを変えるのは現実的ではない」と述べた。立憲は2022年の参院選公約で安保法制の「違憲部分の廃止」を掲げていたが、野田氏はこれを見直す考えに言及した。

ただ、「180度政策を変えると国際社会から相手にしてもらえない」とも述べていたと続けられており、一定の慎重さは見られるものの、安保法制容認という方向に舵を切りたいという意図は透けて見えます。

一方枝野氏も基本的には同じ認識のようで、時事通信のインタビューに対して、安保法制および野党共闘についての見解を示していました。該当部分は次の通りです。

「現状の運用は個別的自衛権で説明される範囲だ。法律は現状では問題ない」との認識を示した。その上で、安保法制の根拠となった14年7月1日の閣議決定は「放置すると拡大解釈されるリスクがある」と述べ、対応が必要だとした。

(野党共闘については)全国統一的にどこかの党と(協力の)話をすべきでない」と述べ、次期衆院選では立民単独での過半数獲得を目指す考えを強調した。

***

もともと、立憲民主党の綱領では、理念として「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育てる」をと書き、そのもとでいくつかの柱立てをしてはいるものの、いずれも抽象的な文言がならび、「(キ)世界の平和と繁栄への貢献」では、「国際協調と専守防衛を貫き、現実的な安全保障や外交政策を推進」「健全な日米同盟を軸に、アジア太平洋地域とりわけ近隣諸国をはじめとする世界の国々との連携を強化」と述べていますから、上記二人のような「変節」的発言が出てきたとしても、ある意味不思議ではありません。それでも、安保法制廃止を求める政策協定を柱に野党共闘を成立させてきたのは、市民レベルでの平和への強い願いだったのです。

同党の「政策集」で、「日米同盟」について次のように述べられていることはもっと知られてよいのではないでしょうか。

<安全保障>
日米安保条約に基づく日米安保体制は、わが国自身の防衛体制とあいまってわが国の安全保障の基軸です。強固な日米同盟は日米安保体制の信頼を高め、抑止力を高めることにつながることから、わが国自身の防衛体制を強化するとともに、健全な日米同盟の一層の強化を進めていきます。

安保3文書に基づいて打ち出された敵基地攻撃能力についてはさらに踏み込んでいます。

わが国周辺の弾道ミサイルをはじめとした脅威に対し、抑止力と対処能力を総合的に備えることは、現実的な安全保障戦略における重要な課題です。いわゆる敵基地攻撃については、「法理的には自衛の範囲に含まれ可能である」と認識してきた一方、日米同盟の盾と矛の役割分担の変更につながる重大な政策変更であり、専守防衛を超えるおそれもあり、わが国は政策判断として能力を保有してきませんでした。この判断は国防の基本方針に則った基本理念に基づくもので、非常に重いものです。
日米の役割分担を変更するのか、周辺国との緊張を高める安全保障のジレンマに陥らないか、報復や飽和攻撃による被害の拡大の可能性とコストをどう考えるか、相手国からの攻撃能力を無力化させる他の手段はないかなども勘案して、多角的な観点から、専守防衛を超えることのないよう検討し、国民的理解を得ながら、現実的な防衛力整備を図ります

自公政権が取ってきた従来の枠組みを解説しながら、「現実的な防衛力整備を図る」としているわけですから、ここでも、相手の土俵に引きずり込まれて相撲を取っているという感があります。

ある人は、X(旧ツイッター)で「しかし、枝野と野田はどちらも基本、安保法制維持を打ち出している訳で、『法に問題ない、閣議決定のみ見直せば』とする枝野と、『すぐの変更はない、対外的な政策の継続性を見て』という野田の両陣営が「法解釈のロジック」を戦わせるだけなんじゃない? 自民党は大笑いだ。」高橋健太郎氏)と書いていました。同感です。
ただし、枝野氏はこれに対して、時事通信ではしょられた部分を解説するとして、いくつかの持論(反論?)を述べていました。

いずれにせよ、このままいけば翼賛体制がほとんど完成してしまうのではないかというのが私の率直な感想です。かつての民主党を代表した何の新味もない古狸がまたまた顔を出すのですから、これに政権を預けようと思う有権者がどれだけいるのか。そして、その政策も、国民民主や維新と似たようになっていくのであれば、ますます自公政権を利することは目に見えており、政治への期待は裏切られ続けることになるでしょう。

***

今日のしんぶん赤旗は、立憲の党首選をめぐる報道に関して小池書記局長の記者会見での発言が載せられていました。

この記事の最後には、「市民と野党の共闘の再構築のために可能な努力は行っていくが、来たる総選挙では日本共産党の躍進に向けて、脇目も振らず進んでいくことが大事だ」と強調しており、これには強く賛意を表します。

この記事についてブログを書く
« 9月3日(火) 誰が気候危機... | トップ | 9月5日(木) お隣の松川村... »

日記」カテゴリの最新記事