ネコは車の前を急に横切ります。
イヌはめったにそうしません。つながれているからです。
イヌでも、自由に走り回れれば、走行車両直前横断ゲーマーは増えるでしょう。
むかし、イヌがまだ自由な生活を許されていたころ、大きな犬が目の前に飛び出して急ブレーキ、後の座席に寝ころんでいた娘が、座席の前に転げ落ちたとこもありました。
ひとの子も、自由であれば走りまわります。
走り回るのが危険、うるさいと思ってはいけません。
大人なら歩をゆるめと通るような家の中の通路でも、子どもは巡回ルートを勝手につくって、何度でも走り回ります。
それでも、けっして置いてあるものにぶつからないのです。
狭いことろをすり抜ける要領を、そうして身につけていきます。
すりぬけがどこで役立つのでしょうか。
社会に出て、身の危険を感じたとき、ボケっと立ち止まるか、すくんで身を固めるか、素早くかわして難を逃れるか、その違いが出てきます。
子どもの動きを束縛すれば、すりぬけの感覚を身につけられません。
すり抜けることを覚えない子供が大きくなれば、おしゃべりとお芝居のほうは達者になるでしょう。
電車の中で、近くにある手首をどれでもよいからつかまえて、痴漢だ痴漢だと騒ぎまわる、人迷惑な演技も身につけます。
じっと息を止めるようにしていて、いきなり手首をとらえるような早業に移れる、それはいかにも不自然でしょう。
たちの悪いのは計画的、よくても行き当たりばったり、そんな大ウソが多いと思うのですが、いかがでしょうか。
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