「一応」は口癖になりやすいことばです。
緊張して話をすると、「一応」を「えー」や「まー」のように連発する人もいます。
一番には「一番でなければダメですか」という切り返し言葉がはやったこともありました。
一応には「一応ではダメでしょう」とか「一応でなければダメですか」という使いみちはありません。
対話の相手に「一応」と言われてしまうと、反論が難しくなります。
反論が困難なのは、無根拠だからです。
ない根拠は,質すことも、正すこともできません。
世界中に広がってしまった感染症の発生責任を、あわよくば他国に転嫁させようとしながら、それを責任転嫁でないとわざわざ宣伝しているような、ズルボケなところから出される当てにならないデータを、対策の根拠に使っている役所があります。
それでよいのかと責められると、「一応」という返事だったという話がありました。
こんなふうに「一応」は、無根拠を装った偽根拠という、はなはだたちの悪い使い方もできます。
そうなるとこれが、悪魔のことばのようにも聞こえます。
「一応」を随所で便利に使うのは、一応やめておいたほうがよさそうです。
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