急発進で一度失敗すると、途端に用心深くなり、次の手をなかなか打てない、そういう人はリーダーの資質に欠ける。
機敏誇示の演技でしくじったら、そのあとはしくじりを拭い去るような演技を見せなければ、しくじりだけが見る人の記憶に残る。
まだ大統領になってもいなかった人に、他には負けじと祝言を伝えてしまった。
そのとき演者には、大統領は一代、財閥は永代という通奏低音がずっと響いていたのだろうか。
財閥らに、うっかり忠誠を誓ってしまったという自縄も、正直者には容易にほどけない。
正直の首に神が宿ったのは、狭い日本列島の中でのことだった。
失敗落第演技を払いのける大見えが切れない人に、リーダーのバトンを預けて、後世に難儀の種袋を渡してしまったことに、人々は漸く気づき始めたが、さあこれからどうする。
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