・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
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日々一連想:15 巧技汚技

2020年03月12日 | つぶやきの壺焼

観客不在の大相撲がいま行われています。

心技体のことばが示すように、取り組みには力士の心がまず現れます。

技には、そういう手もあったかと驚かされるような巧みな技もあれば、見る者を落胆させるような汚い技も飛び出します。
汚い手にもいろいろありますが、代表は張り手でしょう。
日ごろ鍛えた体力をもってしても、度を越えたその汚い技に遭えば、立ったまま失神状態になったり、意識を半ば失いながら取り組みを続けたりで黒星頂戴となることもあります。

張り手は、巧みな技や隠れた力を持っていそうな相手には、立ち合いの一瞬に気をそぐために用いられるので、禁じ手にはなっていません。
それでも、力士番付の最高位にありながら、目のくらむような力を込めた汚い張り手を、臆面もなく使いまくる人もいます。
そんな取り組みからは、誰も感動を得ることはないでしょう。

巧技を見せられずに汚技に走れば、日常の巧言も影が薄れ、風貌のどこかに心根の底が現れます。
取り組みの結果には白星黒星の二種類しかなくても、それは成績表の数だけのことでしかありません。
生涯にどれほどその数が多くても、汚技の助けを得た白星では、自分では見えない背中の綱が、徐々に光を失ったものになっていくことでしょう。

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