自然に触れる機会が少なくなると、人は気が荒くなります。
大自然の中で育ち、それから都会に出て、人間の営みのどこかで頂点に達する努力を重ねた人は、自制の苦悩を溜め込んでいます。
酒は溜まった苦悩を和らげてくれますが、脳の働きも和らげてしまうので、それがぐずぐずになったとき、溜まった苦悩の圧力を支えきれず一気に噴出します。
そうなれば、自分が何をしているのかわからなくなり、度を超えた行動に走ります。
たどり着いた頂点に長くとどまるには、技を磨き体を鍛え知識を取り入れるだけでなく、時には自然に触れる余裕をもたなければなりません。
酒を前にしたときの人との交わり方も会得しなければならないでしょう。
それはもう、人のせいにはできない自分自身のことでしかありません。