混ぜ合わせると危いものには、家庭用品品質表示法にもとづいた危険表示がされています。
こういう表示を見慣れてくると、危険だから表示しているものを、表示されているから危険なのだと思ってしまいます。
そうなると、表示されていなければ危険ではないはず、もし危険なものや危ないところに表示がなければ、表示しないことが大悪だと考えてしまいます。
表示するほうは、使う人の失敗が苦情に化けて押し寄せないことを願ってわかりやすい表示を考え、使うほうは、表示を頼りにしはじめます。
そして、表示へのお互いの信頼感が育ち、それが依頼心に変わっていきます。
長い間には、なぜ危ないのか、結果がどうなるのか、自分で考えたり確かめたりすることで身に付く常識が、だんだんかすれていきます。
目的と手段、これを混ぜ合わせると、長い間に危険な要素がたまってきますが、その危険はどこにも表示されないので、人びとはなかなか気づきません。
手段であることが、それが目的であるかのように扱われると、いつかどこかで気づかない間違いが起きます。
平和、安全、こういうことも、目的と手段の混ぜ合わせが、人間の感覚をぼやけさせます。
それが、目に見えない危険になってくるのです。