「常に自由を望む人は疲れやすい」という説があります。
「ああ疲れた」が口癖になっている人は、疲れるほど何かに熱中する自由をもっています。
自由人は、自分が持つ自由に迫られ、あれもこれもで、疲れのもとを自分でこしらえます。
空を飛ぶ鳥は、方向も経路も時間も、他から指定されません。大いに自由です。
しかし、飛び続けなければならないという不自由は絶えません。
鳥には飛ばない自由はないのです。
自由が空を飛んでいるかのように見えますが、いつどこから天敵が現れるかわかりません。たぶん疲れるでしょう。
渡り鳥の場合は、列の中に入って、列から外れないことだけに注意力を働かせていればよさそうです。
列にしばられて、自由を奪われる代わりに、安全を維持する心配は減ります。
とにかく自由は大変です。自由を続けるのはくたびれます。
自由を望む人は、自由であることの大変さの空気に浸りたいのかもしれません。
それがまたよいのでしょう。