いつも通る道で、店の前でおやと思うことがあります。
一時休業か、とよく見るとそうではなく、開いていた扉が閉まっているだけなのです。
ディスプレイテーブルとでも呼ぶのでしょうか、店の前の平棚に、道路へこぼれ落ちるのではないかと思うほど積み上げてあった袋菓子が、扉の内側に入ってしまっています。
店の中の商品配列も、こざっぱりした感じに変わっています。
ああ、模様替えしたな、ちょっと入りにくくなったのではないかと、あまり付き合いのない店でも気がかりです。
幾日か経つと、また袋菓子の棚が店の前に出てきました。
やはりぱっと買う人が減ってしまったのでしょう。
通りすがりにふと立ち止まって買うような菓子は、あれでは売れません。
コンサルタント会社に勧められて、お任せ改装をしてはみたものの、巧くいかなかったようです。
生身の人が通る歩道に面した店のデザインは、パソコンの画面で考え、これでいきましょうなどと言ってもピタッときません。
商業企画にせよ、製品開発企画にせよ、何でもマル投げで自分は何も考えない、そんなやり方が現代的なのだと、思い思わせての結果が、知恵の総和をずるずると低下させているのです。
相談相手には必要でも、考えることには専門知識はいりません。
何でもお任せの前に、とにかく考えて見ましょう。