街には、デザインされないデザインがところどころに現れる。
別々に作られて、それぞれに置かれたものどうしが、組み合わされたように見えると、何か奇異な感覚におそわれることがある。
その前に立ち止まった通行人が、全体の風景を変えることもある。
実際のその場所では、すべてのものを一目で同時に見ることはできないが、写真になってしまうと、そのどこかに視点を定めたつもりでも、全面を一度に見ることができる。
見ていて頭がくらくらしてくるような錯覚に陥りかけることもある。
これが視覚の問題なのか、脳の歪みの問題なのか、そこまではわからない。