世の中には、身近な周囲に向かって、いつも上位に立っていたい欲望を絶やさない人がいる。
差配、賞賛、推薦、先駆、尊大と、行為や態度にサ行への執着が現れる。
無意識の言動に尊大さは表れるが、はじめから具わっていない尊厳は失う気遣いもいらない。
執着心が強い人は、おおむね変格活用を苦手とするから、他者の心情にはおかまいなしに直球を投げつける。
投げられたほうにしてみれば、直球は慣れてしまえば打ち返すのは簡単だが、面白味の失せるときも早く来るから、バットも出なくなる。
壁に向かっての投球は、大海に向かっての投石に似ている。
この空虚感から抜け出るには、上下優劣の感情をうまくコントロールすればよいのだが、さて。