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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第12章—3 マクミラ、ガリ勉する

2019-04-22 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 別の見方をすれば、心の中に天使と悪魔の両方が常に争っている人間に実は自分でも気がついていない新たな可能性があり、それを解き放つことを目指すということこそ、神の御心において可能と言えるかも知れない。
 アストロラーベは、今回の魔性たちとの精神世界での闘いに備えて、世界中に散逸したフロイトの指輪の内の6つを手に入れていたのであった。
 名軍師アストロラーベはマクミラに言った。「お前は、心の奥底では軍師になることを知っていたし、望んでいたはずだ。必ず名軍師になれる。覚えておけ。勝利のためなら、どれだけ批判されようと非情に徹することだ。だが、同時に駒を無駄死にさせないことも考えるのだ」
 泥縄と言われても、マクミラは一人ホテルに籠もって明日の闘いに備えた。アストロラーベに『我が血を半分吸い尽くせ』と言われて吸ってはみたが、神の血が大量に入ったためか、身体中にエネルギーが満ちて考えがまとまらない。実は、アストロラーベの指令には別の意図があったのだが、マクミラはその真の理由を知らなかった。
 まず、お兄様の決めた分担にはいったいどんな意味があるのだろうと考えた。わたしは、すべての闘いで指揮を執ることになっている。ゾンビーランドで待ち構えているのは、ビザード軍団とドラコム。ここには、将軍殿とライム、ミスティラが向かうことになっている。
 次にノーマンズランドで待ち構えているのは、ジェノサイダス軍団。ここには、ライム、メギリヌ、リギスが向かうことになっている。
 次にナイトメアランドで待ち構えているのは、“ジル”・シュリリス軍団とフェルミナ。ここには、眠眠が向かうことになっている。
 最後にアポロノミカンランドで待ち構えているのは、夢魔に操られた孔明。ここにはナオミと秘密の助っ人が向かうことになっている。
 地球で「神々」と呼ばれる存在は、実は、数億年前に宇宙から飛来した精神体が長い年月をかけて現在の姿に進化したものである。彼らが使う超常能力も、性格に言えば「持っている」わけではない。
 SF小説では、超能力者は「超能力の持ち主」ということになっているが、彼らは外部の超常能力にアクセスできるというのが正しい理解である。ただし、本人もどのようなメカニズムで特定超常現象にアクセスできるかは分からない。体質、才能、遺伝、訓練、食習慣、嗜好、環境など、さまざまな要因で異なった進化や発展を遂げた可能性が高い。ただし、神々は自分の得意技を隠すし、他者に軽々しく話すこともしない。そのために本当の実力や、ましては得意技を知ることは難しい。

     

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