絵画教室アトリエ伊丹ブログ

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2024年度 京都市立芸術大学 合格再現作品とコメント

2024年03月21日 | 美大受験クラス

本日は2024年度京都市立芸術大学に合格した人の中から一部の生徒の作品とコメントをアップします。(4月末頃まで不定期でこのページを更新します。)

アトリエ伊丹では毎年京都市立芸術大学に沢山の合格者を輩出していますが、合格再現作品の制作、作品コメント、合格者の声、成績開示の連絡等は完全に任意としています。協力頂いた皆さん本当にありがとうございます。

 

◇描写「下記の条件に従い、「止まっている水」と「動いている水」の二つの状態の水が入ったプラスチック容器2点を構成し、答案用紙に鉛筆で描写しなさい。」 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

例年とは異なる課題文で驚きましたが、出題者が何を意図しているのかを考え、できる限り冷静に取り組みました。 課題文を見てどのような構図が適切か考えたとき、縦構図の中で容器を浮かせて出題の特徴を最大限に活かすものが良いのではと思ったことから、今回思い切った構図に挑戦することを決心しました。 周りは横構図が多く、容器を浮かせている方もほとんど居らず、終始不安でしたが自分を信じて進めました。 途中も何度も課題文を確認し、絶対に違反はしないように注意した上で水らしい描写になるようにも気をつけながら最後まで描き上げました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

シンプル且つ動いている水を目が留まるポイントに構成し、現物のモチーフの印象から離れない大きさで構図を収めることを意識しました。透明ボトルと水という二つのモチーフならではの影と、光の現象を意識して描き込みました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

課題文を読み、「動いているモノ」を描くという突飛な課題の年だと瞬時に割り切ることで、焦らず冷静な制作時間を多くとることを心がけました。構成の積極性を捨てた代わりに、普段の型を崩さないような形取り、動く水や影の観察の豊富さ、また自身の武器である描写の丁寧さを大切にして進めました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

問題文を見た時は少し動揺しましたが、何が問われているのか基本的なところから考えて、「対比関係となる構成」と「水の描写感」を大切にしました。動いている水の方は浮かせてもいいとのことでしたが、浮かせて描くのは難しいと思いベタ置きにしました。しかしその結果、消極的な構成になり点数が伸びにくい作品になってしまいました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

「止まっている水、動いている水」というお題で、条件に動いている水は浮かせてもいいと記載されていたので、浮かせる選択をしました。できるだけ目に留める積極的な構図を意識しました。また水の表現に意識を取られすぎて、プラスチックの容器自体の立体感を崩さないようにしました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

動いている水を描ける気がしなかったので、後ろに追いやってしまったのは良くなかったです。水のキラキラした感じや、プラスチックの容器がツルツルした印象は楽しんで描けました。

 

【京都市立芸術大学 描写合格再現作品とコメント】

普段の静物デッサンと明らかに違う出題だったので、焦らず冷静に構図・構成を吟味し、水の観察と全体感だけは失敗しないように強く意識しました。「浮かせてもよい」という条件だったので、高く浮かせて積極的に答えられるように、縦画面を選択しました。台紙に落ちる影も水独特の要素だと感じたので、普段以上に丁寧に描写しました。とにかく積極的に、楽しんで描くことを意識しました。

 

 

◇色彩 「テーマ「光」与えられたフィルムの観察からテーマを発想し、にじみの効果を活かした色彩構成をしなさい。」

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

オーロラフィルムを観察して「光」をテーマに表現するというシンプルな課題だったので動揺することなく短時間でエスキースが決まりました。自分の長所はとにかくバチバチに描き込むことなので、1秒も無駄にすることなく制作しました。納得できる作品が完成したので、「これはもう絶対に受かった。」と思いました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

ポスターカラーが配布されて今年も持参した絵の具は使えないと悟りましたが、テーマや技法の指定があったため去年より解答の方向性は明確だと思いました。またフィルムの観察からテーマを発想することが求められたので「フィルムを描くモチーフ構成」の選択肢は消し、「観察から抽出した要素による抽象表現」を選択し、構想に1時間以上かけました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

オーロラフィルムの細部の入り組んだ光の反射を描きました。色味の変化を豊かにして鑑賞者が見てて飽きないような画面作りを心掛けてにじみの美しさ保つように作業しました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

通常レッスンで過去問演習をやっていたおかげで求められていることが2020年の色彩過去問の「皺(しわ)」に似ているとすぐに分かりました。求められてることを意識しながら、光感が出やすいトンネル構成にし、にじみを使ってオーロラフィルム特有の質感を表現しました。今までやってきたことを応用しながらテーマに合わせることができたと思います。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

課題文を見て、テーマの中で「光」が一番重要でフィルムは要素の抽出のみだと解釈し、ただの「フィルムのモチーフ構成」にはならないよう、皺は拾わず光り方の特徴に注目して観察しました。昨年と同様、制限された画材の中で制作するものだったので、ポスターカラーの特徴を考えて、意図しない色の重なりで作品が濁らないように慎重に色を置いていきました。放射線状の構図は被ることが予想できたので、メイン部分はフィルムの独特の光り方に焦点を当てました。技法の指定もあったので、にじみをメインに、画面の全体にもにじみを使うように意識しました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

配布されたポスターカラーと、問題文の「にじみの効果を活かした色彩構成」という言葉から、昨年度と似たような出題だと思ったので、抽象的に描くことに決めました。「フィルムの観察からテーマ『光』を発想」と書かれていたので、フィルムそのものではなく、観察して得た光の印象を表現しました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

フィルムの観察、光、にじみと考えることが多い問題だったので、優先順位を考えたときにまず「光」らしい作品にすることが最重要だと考えてエスキースを始めて、そこにどうやってフィルムの要素を入れるか、にじみを使うかを考えました。にじみがより効果的に見えるように、なるべく技法を絞りこんで使うべきだと考えたため、あまりあれこれやりすぎるのではなく、ベタ塗りとにじみだけで表現するように意識しました。「光」は波に似た動きをすると聞いたことがあったので、フィルムの透明感と波の動き、光の届き方などをポイントに制作しました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

とにかく、にじみがはっきり見えるようにすることと、光感がしっかり伝わるかどうかを重視して描きました。あくまでもテーマは「光」で、フィルムを「観察して」と書かれていたので、モチーフ構成寄りなのかなと考えました。色は制限があった中でいつもの色を出せて良かったです。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

お題はじっくり読み解きました。モチーフ構成でもなく、イメージ表現でもない曖昧なお題だなと思ったのが第一印象でした。ただ整理すると、フィルムは自分の絵を構成するヒントとなるものであり、あくまでテーマは「光」なんだと自分の中で解釈できました。そこからはパッと見た時の印象が強く光を感じる作品を意識して迷いなく描くことができました。

 

【京都市立芸術大学 色彩合格再現作品とコメント】

問題文を読んで昨年度と同じように抽象的な表現を求められていると思い、画塾で教えてもらったモダンテクニックで勝負することにしました。途中まで光感もオーロラフィルム感も出ていたのですが、描き込み過ぎてどちらの印象も弱くなってしまいました。ただ支給されたポスターカラーはほぼ全色使い切り個性的な作品になったと思います。

 

 

◇立体 「4色の色画用紙を使って、「明快な立体」を制作しなさい。

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

エスキースも作業も素早く終らせることが出来て、時間が50分ぐらい余ったのですが、明快な立体という抽象的なテーマには具体的な作り込みは要らないという選択が最良だと判断し、条件違反をしていないかを確認しながら時間が過ぎるのを待ちました。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

「明快」の辞書的な意味から、「何を明快と設定したか」が率直に伝わる立体空間であれば良いと解釈し、自分は「光源が明快な立体空間」と設定しました。黄色と青色の画用紙を表裏で貼り合わせて1枚の素材として利用し、光が当たる面とそうでない面として色の対比を活用しました。また「白い面に設置すること」も解答要素だと考え、青色の画用紙を台に貼り付け影のようにし、テーマ性と視覚的効果を出そうとしました。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

今回のようなシンプルな課題には慣れていたので、取り組みやすかったです。青色とグレーの紙を使って硬さを、黄色と白の紙を使って柔らかさを表し、対比関係を作ってテーマである明快さに答えました。柔らかい方のフォルムの作り方は、以前通常のレッスンで作った形をそのまま応用しました。自分の持っていた手札をテーマに合わせて少し変えることでできた作品だと思います。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

「明快」というテーマの解釈に迷いましたが、制作者の意図が分かりやすく伝わること」が重要視されているのではないかと考え、青と黄のコントラストをシンプルに見せる形にしました。実は1時間半の段階まで迷走しながら全く違う立体を作っていたのですが、シンプルな形に切り換えて作り直したことで命拾いした気がします。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

「明快」というテーマと問題文を見た時、シンプルな形でスタイリッシュなデザインを作れば限りなく正解に近づくだろうと考えました。青色と灰色の紙の面積を増やすと明快とは離れた雰囲気になると思ったので一番大きい立体に白と黄色の紙を使いました。円形や四角形よりも、三角形系のほうが「スタイリッシュなデザイン」に近づくと考え、三角形を基礎とした形からアレンジして形を考えました。問題文にある「土台の白い面を使え」という項目を見逃していて、途中まで茶色の面に立体を貼り付けていたので問題文は試験中何度も見返すことが重要だと思います。簡単なデザインだからこそ細部は綺麗に見えるよう細心の注意を払いました。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

「明快」というテーマからシンプルな形が求められていると考え、自分の引き出しの中で今回のテーマに一番しっくりくるものを選択しました。色画用紙の使い分けにはこだわってまとまった作品になったと思います。試験が終わった後も「明快な立体」=???となってしまい、正解がわからなかったので満点作品を見てみたいです。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

テーマ補足の「筋道が明らかですっきりしていること」から、二つ立体の隙間の道を見せ場にしようと考えました。また過去問の『陰影』に似ていると思い、その時に制作した作品と似た形を作ることにしました。スッキリした印象の作品が出来上がりましたが、少し単調でありふれた立体になってしまったので、どう評価されるか不安が残りました。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

テーマが「明快」だったので、なるべく単純な形で装飾的にならならいように心掛けました。「道筋がはっきりしていること」と書かれていたので、円形は使わず、直線にして進む道筋を明確にしました。ただ、正面から見た時、紺色の紙の面積が小さくなってしまったのが惜しかったです。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

描写・色彩とは異なり、通常通りの出題だったのが意外でした。テーマだけは外さないでおこうと決めていたので、課題文にあった「筋道」という言葉を意識した立体を制作しました。有彩色が青黄の組み合わせで、無彩色の画用紙もあったことから色での対比でも明快さを表現しなさいということだと考え、メインに青と黄の色相、明度対比と直線のラインを使い、明快さを表現しました。また、立体の中でサブとなる部分では灰色と白色を使い、メインを分かりやすく惹き立てられるように比較的明快らしくない部分も作り、そこからメインに向かって段階的に「明快」らしくなるように色を配置しました。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

アルファベットの『C』の形を複数作りそれを構成して、筋道を表現しました。明快な立体かと言うと少しズレている気がして自信がない作品になりました。造形的には美しく作れたのは良かったと思います。

 

【京都市立芸術大学 立体合格再現作品とコメント】

「明快」という言葉の意味まで問題文に書かれてあったのでそこから外れないものを作ればいいんだなと考え、「すっきり、道筋明らかで造形的に気持ちの良い作品」を作るようにエスキースを始めました。無彩色と有彩色それぞれ2色ずつ、有彩色は青色と黄色という対比の強い色だったので、この2色を見せ場に使い、見せ場以外は無彩色にすることで、メインがはっきり見えるようにしました。スタイリッシュに全体の形は直線的にして、見せ場は曲線的に処理することで、より明快に見せ場が際立つように制作しました。

 

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