国公立入試まで残り4日。毎年恒例の京芸の問題予想を行いたいと思います。
今年度も予想問題を各科目10種類ほど作成し、内部生には実技模試などでしっかり対策をしてきました。
入試本番は今までの対策課題とほぼ同じ内容が出題されるはずです。(ブログでは詳しい内容まで公開しておりません。)
京芸対策に関してはどこの画塾にも絶対負けていません。とにかく落ち着いて、受験を楽しんできてください。
◇描写
昨年度は紙コップ50個という僕の予想から大きく外れたモチーフが出題されました。
今年度は意表を突いたものではなく標準的なモチーフを予想しています。レタリング系に野菜・果物など。また京芸名物「透明なモチーフ」は出ないと予想しています。
◇色彩
過去の傾向から考えて、昨年度に続き『イメージ表現』の可能性が高いと思います。
今年度は貼り絵、条件対応(丸型・変形など画用紙の形、絵具の数や鉛筆での下書き禁止など)の対策も数多くこなしました。
課題がイメージの場合、テーマは風景系を予想しています。過去にも「京都」「街」「シルクロード」など風景関連は非常に多く出題されています。
◇立体
近年は条件的なテーマが多く、スチレンボードやケント紙などの基礎材料が続いています。今年度は材料が大きく変わると思います。
粘土、発泡スチロール、スタイロフォームなどの「塊系材料」。ストロー、竹ひご、針金、綿棒などの「線系材料」。このどちらか単体か複合体が出ると予想しています。
昨年度の紙コップが材料で出ると思っている人いませんか?僕の教室でも対策はしましたが、おそらく出ないと思います。
天気の良い日曜日。児童画クラスの授業の様子です。
当教室では200種類の課題の中から自由選択なので、全員が異なった課題に取り組んでいます。
「プラバン」「フィギュア」「立体構成」「油絵」「デッサン」「モザイク画」「ガラスデコ」「ローズウインドウ」などなど。
みんなそれぞれの課題に集中して取り組んでいますね。
児童画クラスは昨年からずっと満員の曜日もありましたが、アシスタント講師増員・机3台増設によりわずかですが募集を再開しています。
体験教室・入会希望の方は是非宜しくお願いします。
美大受験クラス(京都芸大コース)立体課題のテーマは「粘土、アルミワイヤを用いて「語る手」をテーマに作りなさい。」(3時間)です。
1998年度京都市立芸術大学の立体課題を出題しました。⇨『京芸過去問』
関東美大の受験では定番の「水粘土」ですが、関西ではあまり出題される機会が少なく、教室でも今年に入って、初めての使用となりました。
最初の段階では、細かい部分を気にせず「大まかなイメージを具体的にすること。」が大切です。
手の迫力が無かった人が多く、量感の意識が足りていなかったように思います。ワイヤーを使った空間表現にも物足りなさが残りました。
来年度に向けて、現在プライベートレッスンは2年生が中心となっています。
今年度は1年生で国公立美大を目指す生徒も多く、高校1年生だけですでに15名が在籍しています。
来年、再来年が楽しみです。☆
こんにちは。
国公立受験まで残り2週間。今年度の受験も大詰めです。
今日は昨年度京都市立芸術大学の美術科に合格したAさんの話をしたいと思います。
Aさんは本番5日前に体調を崩して、教室の色彩授業を一日お休みしました。『先生、今日のテーマを教えてもらえませんか?家で描いて持って行きます。』と連絡が。
その時は「水のある風景」というテーマを出題しました。
後日持参した作品は流れる川の水を細かく線描で描いたものでしたが、主役が無くて少し寂しい印象でした。そこで『魚を描いた方がいい。』とアドバイス。本番の色彩はほぼ同じテーマだったため、Aさんは魚を加えて描きました。
元々色彩が苦手でしたが、運も味方して3科目で最も高得点を獲得しました。Aさんの真面目さが結果に繋がった瞬間でした。
「時は点なり」(入試前に僕がよく使う言葉です。)
時間をどのように使うかによって、点数をどれくらい生み出せるか決まります。
もう2週間しかないと思うかもしれませんが、『この2週間は1年で最も実技が伸びる2週間なのです。』
これからの時間の使い方で点数はまだまだ大きく変わります。
美大受験クラス(京都芸大コース)の国公立対策レッスン課題は「あなたの街の身近な情景から発想し、自由に色彩で表現しなさい。」(画用紙/3時間)です。
2001度京都市立芸術大学の色彩課題を出題しました。⇨『京芸過去問』
今回は自分の知る情景なら何を描いても自由なので、引き出しや表現能力の差がそのまま作品に表れるテーマでしたね。
場面をユニークに想像した作品が多かったですが、配色がイマイチでした。
そこで配色の応用について。
・メリハリ配色=反対の色相や、色調(トーン)が異なる色同士を組み合わせる配色です。
・対象色相配色=色相の差が大きく、異なるイメージの色の配色です。動きのある配色がつくれます。
・補色色相配色=色相環上で、補色となる2色の配色です。対比効果ではっきりとしたコントラストがつくれます。
上記のように配色のバランスを考えて彩色すると印象に残る作品になります。
京芸の色彩は「得意だと過信している者が低得点になる可能性が一番高い科目です。」
色が綺麗で美しくまとまりがあるだけでは点数は伸びません。
出題内容を理解しテーマのイメージを膨らませて独創的な表現が出来ているかどうかが最重要ポイントなのです。
寒い日が続いていますね。受験生は特に体調管理には十分気をつけてくださいね。
京都市立芸術大学の入試まで残り1ヶ月です。受験生たちの立体作品を紹介します。
立体科目の重要な要素は、
①主題 「出題内容を理解し、テーマを上手く表現できているか。」
②特性 「材料の性質・特性を意識できているか。」
③造形 「際の処理が丁寧で、360度美しい作品であるか。」
④迫力 「範囲・材料内で大きく制作できているか。」
⑤安定 「接地面及び軸とバランスを意識し確実に立たせられているか。」
⑥質量 「作品上部に質量を多くできているか。」
⑦読解 「課題違反・条件違反をしていないか。」
⑧時間 「時間内に完成させることができる作品であるか。」
そして何よりこれらを「手を動かし考えながら制作すること」が大切です。
毎回3時間で間に合わない人、はみ出してしまう人などは常に先を考えて制作するようにしましょう。
立体はしっかりと対策している画塾が少なく、描写や色彩に比べ受験生の作品の質が毎年非常に低い傾向にあります。
京芸の採点は「相対評価」ですから、立体は高得点が取りやすい科目なのです。