ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

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『解放の女神』

2011年02月09日 | 

『マハーバーラタ』の前の足慣らし(?)として、「女流詩人カマラーの告白」、『解放の女神』。

 

著者、カマラー・ダースは、マラヤーラム語と英語で詩や短編小説を書く、南インドの作家。1973年にマラヤーラム語、1976年に英語で出版された彼女の自叙伝『マイ・ストーリー』は、15歳で結婚し、満足できない夫婦生活の後、自身の男性遍歴を綴り、当時のインド社会にセンセーションを引き起こしたそうな。1934年生まれのカマラーが15歳で結婚した頃というと1949年。2006年制作の映画『さよならは言わないで』(Kabhi Arvida Na Kahena)のようなソフトな不倫でも抵抗を示したインド人が多かったから、1970年代に複数の男性との不倫を告白しちゃったら、そりゃ~大変だったことと思います。だんなさんはまだ存命中で、インド準備銀行か何かに勤めていたはずだし。

 

しかしそんなことより、日本人の私にとって興味深いのは、カマラーが描写するインドの情景や風習。特に南インドは行ったことがないので読んでいてワクワクします。15歳で結婚するために、学業を中断せざるを得なかったカマラーにとっての異国というのも、小説で得る情報だけだったことでしょう。

きれい好きで日に3回も水浴びするけど、シャワーではなく、池での水浴びだったり、仲の良い人からは「エイミイ」と呼ばれていたり、シリア派クリスチャンの友人とか、オーランやアビヤル、カーラン、エリッシェリーといった聞いたこともないようなメニュー、ナイル(ナーヤル)一族の母系社会などなど、エキゾチックなことばかり。

ナイル(ナーヤル)一族については、銀座・ナイルレストランの創始者、AMナイルさんの『知られざるインド独立闘争』でも読んでいたのですが、名字のシステムがよくわかりません。

AMナイルさんのお父さんはバラモンだったというから、クシャトリヤに該当する姓「ナイル」は母方の一族のものと思われます。カマラ・ダースの「ダース」という姓は、夫の名前がマッダヴァ・ダースだから、結婚後の姓だと思いますが、彼らの子供達は「ナラパット」という、ナイル一族の名字を名乗っています。「ナラパット」というのは、カマラ・ダースの生家のハウスネームだそうですが、母親の姓(カマラ・ダースの母も詩人)です。父親の姓はナイル。つまり本書に登場する「ナラパット館」は、どうも母方の一族の住む家らしいけど、そこに住んでいる大伯父(祖父母の兄弟?)の姓はメノン。代々母方の姓を継ぐなら、カマラ・ダースも「カマラ・ナラパット」のはずだけど、ペンネームは夫の名字にしたのかな?大伯父の姓が違うのは、祖母(ナラパット)ではなく、祖父の兄弟なのかもしれません。

「ナラパット」も「メノン」も、ナイル族(カーストというべきか?)の名字らしいけど、「ダース」とう姓もナイル一族にいるとは知りませんでした。「ダース」といえば、ベンガルなど北インドに多い名字かと思っていましたが、また別系統の「ダース」さんなんでしょうか?ちなみに「ダース」には、「僕(しもべ)」といういう意味があり、グジャラーティーには、「バグワンダース」(神の僕)とか、「ヴィッタルダース」(ヴィッタル=クリシュナと同一視される神、の僕)といった名前の男性もよくいます。

それから、どうやら女性名につく「アンマー」(母?)は、グジャラーティーの「ベーン」(姉妹)や「バー」(母)のような敬称らしい。カマラー・ダースの母、「ナラパット・バラマニー・アンマー」の個人名は「バラマニー」であると思われます。

 

…なんてことばかり目がいってしまいますが、名前などの詳しい情報は、読後ウキペディアで調べました…が、そこで再びビックリ。『解放の女神』では、自身の性欲(というか、性的ノイローゼによる愛情の渇望?)を、最後はクリシュナ神への愛(バクティー)と同一視しているとも受け取れる書き方をしていたカマラは、65歳でイスラム教に改宗したそうです。うーむ…。

 

 

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