風邪で寝込む前に、古代オリエント博物館で開催中の「シルクロード 華麗なる植物模様の世界」展に行ってきました。
シルクロードなので、いろいろな国の物品が展示されていました。西はエジプトから、東は日本まで。
花、葉、蔓、木、実など、植物はどこの国でも身近で、美しいものとして、意匠化されています。見た目が美しいだけではなく、それぞれの地域で、様々な植物がそれぞれの意味を持ち、その吉祥のシンボルとして、デザイン化されて、伝わったデザインもあります。
正倉院に残る布地には、ナツメヤシなど、日本にはない植物の刺繍が施されているものもあります。ナツメヤシは、中近東で、水の少ないところでも生え、高カロリーの実がたくさん取れるせいか、「豊穣」「富の象徴」「生命の木」とされていたそうです。
アカンサスの葉は、ギリシャやローマで好まれたデザインですが、葉っぱにとげもあるし、日本人が昔から特に好きな植物という感じはしません。でも、お札や賞状の額縁などのデザインによく使われています。
植物は地面にくっついて動けないけど、花の蜜で蒸しを誘い受粉し、おいしい実を食べさせる代わりに、小動物に種を運ばせて繁栄してきました。そして、形や色の美しさで人間を魅了し、こうして遠くの国まで存在を伝えているんですね。
2006年11月26日(日)まで開催中
共同企画展として、下記の展覧会も開催中。
「日本の馬具に見る植物文様-武士の美学-」展 横浜:馬の博物館
「中国陶器にみる植物模様の世界」展 東京:松岡美術館
「ガンダーラにみられる植物模様」展 千葉:松戸市立博物館
「アジアにみられる華麗なる植物模様」展 横浜ユーラシア文化館
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