NHKの大河ドラマ『平清盛』が不評だそうですが、平安時代末期というのはなかなかおもしろい時期で、私は毎週楽しみに見ています。で、先週の再放送を見ていたら、「首を刎ねよ!」というセリフがあって、「はねる」ということばにひっかかってしまいました。
どうして首を切ること(だけ)を「はねる」って言うのかな~??
他に「はねる」というのは、
兎が「跳ねる」
水を「撥ねる」
上前を「撥ねる」
なんていう時に使いますが、何となく、表面で反発しあった結果、外側に力が向くときに使う?「上前を撥ねる」は、利益を削り取る、みたいな意味だと思うので、「剥ぐ」に近いかな。「刎ねる」という漢字は、「首を刎ねる」という時にしか使わないようです。「(車が)人をはねる」時には、「跳ねる」という漢字で、「(強い力で勢いよく)接触する、当たる」というような意味で、「首を刎ねる」ように、死に至らしめるまでとは限らない。
刀を当てて、首を切った結果、「首が体から(勢いよく飛んで)離れる」というところまで表現していることばなのでしょうか?つまり、ギロチンや切腹の介錯のように、首を切る位置が高くて落下する時にだけ使う言葉なのかも。まな板の鯉のお頭を切り離す時には使わないのかも。あ、鯉には首がないか。
同じように、空中移動を伴う勢いのある動きを表現するときに、「とぶ」ということばを使います。「飛ぶ」は、空中移動に重点を置いていますが、「跳ぶ」だと、「はねる」のように、表面が接触して反発する力も表現するときに使われていると思います。
小学生で十日町に引っ越してきた長兄は、「とびっくらしようぜ」の「とびっくら」の意味がわからなかったと言っていました。「とびっくら」は、「跳び較べ」=走り競争です。十日町方言では、走ることもしばしば「跳ぶ」と言います。十日町方言でなくても、「あわてて飛んできた」という使い方もありますね。地面を走るより、空を飛ぶ方が速いからかな?十日町方言の「とびっくら」は、地面に足をつけ、地面の反発力を利用して前に進む…「走る」競争です。
「とぶ」は、上に向かうだけでなく、「とびこみ」のように、結局は下方に移動するときの先行動詞としても使います。下に移動する前に、「接触面から勢いよく離す」=「とぶ」。「とびはねる」は、その「とぶ」と「はねる」の連続運動。「とびとび」ということばは、接触点が連続していない方に重きが置かれ、「とびはね」は、動作の勢いを表していることがおもしろいと思います。
役者さんが皆渾身の演技をしていていいよね。
「刎ねる」ってほんとに「首を切る」という意味だけにある漢字なんですねー
なんとなく字体からも伝わるような…
実際、刀だとそういう状態になるのかもしれないですね。
曽我入鹿の首が600m飛んでったとかいうし…
まあ当時の記録とかって「そんな風に見えるほど凄かった」ってニュアンスで書かれてる部分が多いんでしょうけど。
×曽我
すまん
>首が600m飛んでったとかいうし…
ひえ~!
平将門の首も、晒されていた京の都からあちこちに飛んで、大手町まで飛んできたというし、昔はよく飛んだんですかね(違)
そういえば、解雇されるときにも、「首が飛ぶ」とか言うけど、「首が飛ぶ」のは、トップだけで、下っ端の首は「切られる」だけかも?