せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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駅弁・元気甲斐を食べてみた。

2020-09-26 21:03:20 | 食い物
昔、探検レストランっていうテレビ番組がありまして。
正直中身はあんまり覚えていないのですが、その中で「元気甲斐」という駅弁をプロデュースしていました。

なんせ子供の頃でしたから、小淵沢なんてのが何処にあるかも全然知らず。
感覚的には月と火星の間くらいの距離感で、テレビの向こう側の、恐らく一生関係のない世界の話として見ていました。

時は流れて令和の時代。

大体こういうテレビの企画モノって、もって1年というか、少なくとも番組が終われば潮が引くように消えていくものです。だから元気甲斐なんて弁当は、もうこの世に無いと思っていました。

ねとらぼでこの記事を読むまでは。

 ■小淵沢駅「高原野菜とカツの弁当(復刻版パッケージ)」(1000円)~50年前からベジファースト! 日本初の生野菜入り駅弁が50周年 (ねとらぼ)

「高原野菜とカツの弁当」……聞き覚えがあるような。
あそうか、「元気甲斐」の会社が最初に作っていた駅弁だ。今でもあるのか、凄いな。

ん?先発品の弁当が50年も続いているなら、後発の元気甲斐もまだあるのでは……?
そう思って検索したら、ホントに出てきたからびっくりしましたよ。

 ■ふもとの駅弁「元気甲斐」 (株式会社 丸政)

しかも、ちゃんと由来に「テレビ朝日「探検レストラン」の企画で誕生いたしました。」と書いてある。なんて丁寧で正直な会社なのか。これは食わねば。


かつて月と火星の間くらいに思えた距離は、今だと高速道路で2時間半で行けちゃうのです。
自分も世の中も、随分変わっちゃったなぁとしみじみ思ったりしました。


ちょっと前置きが長くなりましたが、いよいよ「元気甲斐」の感想などを。


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凄い面々で作り出された割に、若干ダサ古い感じもする包み紙。でもそれがいい。


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中身は上下二段、完全に独立していて別々に楽しめる構成。
底面積は手のひらに乗るくらい。


正方形で、ちょこんと手に乗ってしまう、割と小さく感じる弁当です。
ただ、高さが普通じゃない。さいころか、って感じの立方体です。


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右が上側、一の重。左が下側、二の重。


ちょこんと小さいサイズだったのは、2段重を横に広げて置くことも考えてあるのでしょうか。
割と豪華な内容の割に、凄く自然に食べ始められるのは、関わった人たちのセンスの良さが感じられます。


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一の重あっぷ。「山のもの」という感じの構成がいい感じ。


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二の重あっぷ。一の重より肉類が多く豪華な感じ。


お品書きの詳細はメーカーの丸政さんのページを見てください。

まず感じるのは、どすんと胃にくるボリューム。見た目は小さいですが、ごはんはおこわ系が2つなので、割と満足感あります。

次に、おかずが要らないんじゃないかというくらい、ごはんがおいしい。
しかも上下の重で味が違う。
一の重の胡桃御飯はクルミというよりひき肉炊き込みご飯で、しょうゆ系のお味。
二の重の栗おこわはかなり甘めの味付けになっていて、胡桃御飯と交互に食べると見事なコンビネーションです。

おかずは随分と小さめですが、ごはんだけで無限に行けるので、おかずが足らないという感じは全くありませんでした。
そして、はっきり言っておかずはハズレがありません。全部おいしいです。

割とありがちな、「箸休め」と称した甘いおかずが無いのも見事です。
峠の釜めしのあんずが許せないクチとしては、この判断は嬉しいですね。(笑)


この駅弁、もしかしてビールと一緒に買うことを想定してあるんじゃないでしょうか。
おかずは全部酒の肴で、飲み終わったら2段のごはんでしめるような、そんな食べ方を考えた構成という気がします。

あの、旅行の1日目のやたらテンション高い状態の昼に、ビール片手にプチ宴会始めちゃうような、そんな20世紀なサークル旅行のお供、そんな位置が似合いそうな駅弁だなと思いました。


まぁ値段(1780円)を考えれば他の駅弁より美味しくて当然なのかも知れませんが、それにしても見事です。そしてこのクオリティを35年作り続けられたことも尊敬に値します。

今年になって新宿伊勢丹にも出店してくれたようなので、一部の人には若干買いやすくなったかも知れません。
とにかくこの駅弁、見かけた方は買ってみてください、おススメです。



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