せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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車椅子の寄贈について何となく考えてみる。

2009-01-29 23:13:24 | 雑談雑感
なんか面倒なモノに興味持っちゃったなぁという気がしないでもない今日この頃。
ともかくプルタブ回収の件、第2回目です。今回は「車椅子」という品目の妥当性について。

そう、なんで延々と寄贈品は車椅子なんでしょうか。
寄贈品としての車椅子に、どの程度ニーズがあるんでしょうか。


なんかネット上では車椅子は既に余っている、なんて話も見かけるんですが、それを明確に肯定、否定できるニュースソースが見つからないんですよ。不思議な事に、もう要らないとも、まだ足らないとも、どちらの意見も見つからないんですね。

# 余っているっていう話は、プルタブ回収否定派の人の意見が多く、見た限り出典不明。
# 足らないっていう話は、近年の国内に関しては全く見つからず。海外は足らない様子。

ただ、状況証拠的には、余っているのは事実のようです。

 ■希望の車椅子 事業内容
 ■「飛んでけ!車いす」の会

どちらも海外への中古車椅子の寄贈プログラムなんですが、寄贈が成り立っているってことは、やっぱ余ってるんですよねきっと。

とはいえ、余っている(ように思われる)割にはバンバン寄贈しているのがまた不思議なんです。

 ■車椅子寄贈 (入間市写真ニュース:中学校10年間のリサイクル活動成果)
 ■車椅子寄贈のご報告 (日立グループ 親切会北海道支部 リングプル660kg)
 ■リングプルを集め車椅子を寄贈しました (竹中工務店 リングプル240万個)
 ■車椅子寄贈式(大同火災海上保険株式会社より)
  (那覇市市制ナビ プルタブ回収ではないが、のべ637台!)

こんな感じで、プルタブやアルミ缶による寄贈実績もありますし、企業や団体からの普通の寄贈もかなりの数があるようです。


余っているように見えるのに、何故これだけの「引き取り先」が存在するのか。
何故、要らない、別なものが欲しいという声が上がらないのか。

凄く不思議だったんですけど、調べていくうちにある事に気付きました。

車椅子って、なんか耐用年数が5年しか無いらしいんですよ。
良いリンク先が見つかりませんでしたけど、どうやら本当のようです。

 ■交通事故 後遺障害,補装具の耐用年数等 (曽原進 行政書士事務所)
 ■補装具等の見直しについて (独立行政法人 福祉医療機構:pdfファイル)

本当に5年で壊れるとは思い難いのですが、取り合えず5年と設定されているみたいですね。使い切っても10年程度が限界のようです。

 ■車椅子の最終処分2 (介護型リハビリシステム研究所)
 ■平成17年度 事業報告書
  (社会福祉法人 礼文福祉会:pdfファイル 13年目で車椅子入替との記載あり)

となると、寿命や耐用年数経過で廃用、廃棄する分は当然ながら逐次補充し続けなければいけない訳ですか。そうしないとどんどん数が減ってしまう。
なるほど、こりゃ難儀なもんです。普通に買っていたら結構な負担でしょうから、タダで貰えるなら間違いなく有り難い話でしょう。未だに車椅子の寄贈が続く理由は、そこら辺にあるみたいですね。

実際、入れ替え用の車椅子として寄贈されている話もありました。

 ■独身寮生が社会貢献 「洲原ほーむ」へ車椅子を寄贈 (トヨタ車体:アルミ缶4万個)

以下抜粋。
> 「継続は力なり」といいますが、12年連続車椅子を寄贈していただいています。
> 今回の寄贈は車椅子の入替えと個別ケアを推進する上で大変助かります。


ということで、車椅子の寄贈というのは、主に現状を維持するための活動であり、緊急性は無いけど継続が必要な事業と考えて良さそうです。
緊急を要する震災義捐金とか、数自体が足りていないワクチン接種や、海外への車椅子寄贈なんかとは、かなり性質の違う福祉事業だということですね。


で。
結局、車椅子は余っているのか足らないのか、という話の結論としては、

 ・廃用品は余っている。
 ・廃用分の補充が必要だから、放っておくと足りなくなる。

って形になるのかな。