ここ10日間でサイクロンと大地震という自然災害が発生、それぞれ万単位の命が奪われている。
12日に発生した、中国四川大地震では、12,000人以上が死亡、さらに24,000人の命が瓦礫の下に埋もれているのではと言われている。
私は大規模な災害が国内外で起きると、毎回のように日本政府の救助態勢の遅れを指摘している。それは、直接命に関わることだからだ。
ミャンマーのサイクロン被害でも、昨日現地から送られてきた報告にあるように、日本政府は「あっち(被災地)見てこっち(欧米諸国の動き)見て」している内に、結局大した活動をしていない。
同じく四川大地震でも、各国の動きを見ているのであろう。5億円相当の緊急支援は決めたものの、救助活動に関しては、昨夜、「国際緊急援助隊救助チーム」の派遣を決めたに止まっている。
遅い。はっきり言って今回も対応が遅い。
地震が発生したのが12日午後2時28分(日本時間午後3時28分)。そして、外務省が検討に入ったのが、その約24時間後だ。
なぜ、発災直後に検討に入れなかったのであろうか。
それは、今回の地震情報の分析の甘さにある。それと、どうせ、「大国のメンツ」にこだわる中国が人的支援を受け入れるはずがないという読みがあったに違いない。
発生直後、広く報道されたのが、地震の規模を示す数値が「マグニチュード(M)7.5」。これは、米地質調査局が発表した推定の数字である。後に、その数値は7.8に訂正された。私が外務省に派遣の検討に入ったか電話を入れたのが12日の夕方であったが、「必要があるの?」という感じの対応であった。
7.5でも凄いエネルギーだ。13年前に発生した「阪神・淡路大震災」の7.3という数値と比較すれば、その規模の凄さは容易に想像がつくはずだ。だが、その後アジア各地で起きた巨大地震(スマトラ沖地震は9を超えた)の数値が判断を狂わせた。「7.8」という数字が出されても外務省はすぐに対応しなかった。今回も欧米、特に、アメリカの対応を気にしている内に立ち遅れてしまった。続々と現地から入ってくる悲惨な情報に、ようやく重い腰を上げたのだ。
なぜこのような失態を繰り返すのだろうか。答えは一つ。
所詮は、危機対応能力が備わっていない外務省の役人が決定権を持ってしまったのが間違いの元だ。彼らの出動要請がないことには、自治省もJICAも、そして、救助隊員を擁する組織も動きが取れないからだ。
外務省の判断の間違いは、地震の性質の把握欠如にも起因したのではないかと私は疑っている。今回のような地震は、東大地震研が言っているように「内陸の活断層地震としては世界最大級」なのだ。さらに、それが、地表から10キロという浅いところで起きたことに着目するべきであった。
国際緊急援助隊の救助チームは設立当初、「発災から24時間後の出動」を目標としていた。だが、台湾やトルコ、パキスタンと大地震が毎年のように起きているが、一度として目標を達成できなかった。そこで、今では「被災国からの要請を受けてから24時間後」と目標を変えてしまった。
当初の目標を達成できなかった理由は様々あるが、大きな要因は、前述したように、外務省が決定権を持ってしまったこと、それに、救助隊が「消防、海保、警察」で混成されていることにある。現在登録されている救助隊員は、都道府県警察の機動隊約440人、自治体消防本部の救助隊600人、海上保安庁特殊救難隊員など約600人、合計約1640名となっている。
台湾大地震の時などは、混成が災いして「本職」である消防の力が十分に発揮されなかった。何回かの出動で、あまりのやりにくさに、消防の側から声が上がり、合同訓練が行なわれるようになった。
ネットを見ていたら「あなたも救助隊の一員になってゲームに参加しませんか」と題する「国際緊急援助隊医療チーム派遣シミレーションゲーム」のサイトに行き着いた。
外務省と国際協力機構(JICA)の協力で作られたものだ。
外務省さん、このゲイムを一番初めにやらなければならないのは、私たち市民ではないですよ。あなたたちです。
いずれにしても、こうなったら外務省に緊急援助隊の出動要請権を委ねていてはだめだ。
国会議員の皆さんにお願いしたい。一刻も早く「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」を改正して「発災から24時間以内の出動」ができる体制作りをしてください、と。
外務省には緊急援助隊の出動の判断を任すのではなく、普段から各国とのパイプを太くしておき、つまらない「国家のメンツ」にこだわらない、こだわらせない関係作りに専念させるべきだ。それがやがて、政治や経済面にも良好な関係を生み出すことにつながることになる。
12日に発生した、中国四川大地震では、12,000人以上が死亡、さらに24,000人の命が瓦礫の下に埋もれているのではと言われている。
私は大規模な災害が国内外で起きると、毎回のように日本政府の救助態勢の遅れを指摘している。それは、直接命に関わることだからだ。
ミャンマーのサイクロン被害でも、昨日現地から送られてきた報告にあるように、日本政府は「あっち(被災地)見てこっち(欧米諸国の動き)見て」している内に、結局大した活動をしていない。
同じく四川大地震でも、各国の動きを見ているのであろう。5億円相当の緊急支援は決めたものの、救助活動に関しては、昨夜、「国際緊急援助隊救助チーム」の派遣を決めたに止まっている。
遅い。はっきり言って今回も対応が遅い。
地震が発生したのが12日午後2時28分(日本時間午後3時28分)。そして、外務省が検討に入ったのが、その約24時間後だ。
なぜ、発災直後に検討に入れなかったのであろうか。
それは、今回の地震情報の分析の甘さにある。それと、どうせ、「大国のメンツ」にこだわる中国が人的支援を受け入れるはずがないという読みがあったに違いない。
発生直後、広く報道されたのが、地震の規模を示す数値が「マグニチュード(M)7.5」。これは、米地質調査局が発表した推定の数字である。後に、その数値は7.8に訂正された。私が外務省に派遣の検討に入ったか電話を入れたのが12日の夕方であったが、「必要があるの?」という感じの対応であった。
7.5でも凄いエネルギーだ。13年前に発生した「阪神・淡路大震災」の7.3という数値と比較すれば、その規模の凄さは容易に想像がつくはずだ。だが、その後アジア各地で起きた巨大地震(スマトラ沖地震は9を超えた)の数値が判断を狂わせた。「7.8」という数字が出されても外務省はすぐに対応しなかった。今回も欧米、特に、アメリカの対応を気にしている内に立ち遅れてしまった。続々と現地から入ってくる悲惨な情報に、ようやく重い腰を上げたのだ。
なぜこのような失態を繰り返すのだろうか。答えは一つ。
所詮は、危機対応能力が備わっていない外務省の役人が決定権を持ってしまったのが間違いの元だ。彼らの出動要請がないことには、自治省もJICAも、そして、救助隊員を擁する組織も動きが取れないからだ。
外務省の判断の間違いは、地震の性質の把握欠如にも起因したのではないかと私は疑っている。今回のような地震は、東大地震研が言っているように「内陸の活断層地震としては世界最大級」なのだ。さらに、それが、地表から10キロという浅いところで起きたことに着目するべきであった。
国際緊急援助隊の救助チームは設立当初、「発災から24時間後の出動」を目標としていた。だが、台湾やトルコ、パキスタンと大地震が毎年のように起きているが、一度として目標を達成できなかった。そこで、今では「被災国からの要請を受けてから24時間後」と目標を変えてしまった。
当初の目標を達成できなかった理由は様々あるが、大きな要因は、前述したように、外務省が決定権を持ってしまったこと、それに、救助隊が「消防、海保、警察」で混成されていることにある。現在登録されている救助隊員は、都道府県警察の機動隊約440人、自治体消防本部の救助隊600人、海上保安庁特殊救難隊員など約600人、合計約1640名となっている。
台湾大地震の時などは、混成が災いして「本職」である消防の力が十分に発揮されなかった。何回かの出動で、あまりのやりにくさに、消防の側から声が上がり、合同訓練が行なわれるようになった。
ネットを見ていたら「あなたも救助隊の一員になってゲームに参加しませんか」と題する「国際緊急援助隊医療チーム派遣シミレーションゲーム」のサイトに行き着いた。
外務省と国際協力機構(JICA)の協力で作られたものだ。
外務省さん、このゲイムを一番初めにやらなければならないのは、私たち市民ではないですよ。あなたたちです。
いずれにしても、こうなったら外務省に緊急援助隊の出動要請権を委ねていてはだめだ。
国会議員の皆さんにお願いしたい。一刻も早く「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」を改正して「発災から24時間以内の出動」ができる体制作りをしてください、と。
外務省には緊急援助隊の出動の判断を任すのではなく、普段から各国とのパイプを太くしておき、つまらない「国家のメンツ」にこだわらない、こだわらせない関係作りに専念させるべきだ。それがやがて、政治や経済面にも良好な関係を生み出すことにつながることになる。