本日から、豊島三冠に木村一基九段が挑戦する王位戦七番勝負が始まります。第1局は名古屋市の料亭「か茂免」にて開催されます。
豊島三冠については何度も語っていますので、本日は挑戦者の木村一基九段について触れさせて頂きます。タイトル挑戦はこれが7回目で、過去6回は羽生さんや渡辺明さんにタイトル獲得を阻まれ続けている状況。30代後半からメキメキ力をつけてきた晩成型ですが、すでに46歳ですので、ここはぜひ勝ちたいところ。ただし、相手は現在全国制覇を宣言しようとしている豊島将之名人ですから、かなりの難関と言えます。
ところで、この木村一基九段ですが、私はどうも、羽海野チカさんの「三月のライオン」に出てくる島田開八段のイメージと重なるのです。島田開八段は宗谷名人(羽生さんがモデル)と同年代で、ことごとく羽生さんにタイトル奪取を阻まれる人物で、主人公の桐山零を研究会に迎え入れてくれた第二の師匠のような人物。故郷である山形県天童市の期待を一身に集めるも、なかなか期待には応えられないが、多くの人から愛され続ける大変魅力的なキャラクターなのです。
今回、挑戦者決定戦では、あの羽生永世七冠を破って本戦に進んできました。46歳で初タイトルとなれば、「中高年の星」「オジサンたちのヒーロー」と呼ばれることになるでしょう。
木村九段の信条は「受けて潰す」。粘り強い闘いを見せてくれると思います。