金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】困ったもんだのBrexit③ 行き着く先は大英帝国の崩壊か?

2019-07-13 08:28:13 | 金融マーケット

 自分は仕事柄、ロンドンに基盤を置く資産運用会社との付き合いが多く、そこのCEOともなると、英国の首相の経済ブレーンだったり、保守党有力者の親友だったりと、話の端々で自慢されたりすることがあります。

 彼らは5月の連休明けとか、季節の良い時期になると表敬と称して来日することが多いのですが、だいたいその足で京都へ行ったり、5月場所の相撲を観に行ったりで、まぁ観光気分なのでしょう。

 その際、こちらも「ところで、Brexitの行方は?」「首相のブレーンなんでしょ? 何とかして下さいよ」とか言うと、「これは難しい問題なんだ」「私は首相の経済ブレーンであって、政治ブレーンではない」と返答の上、挙句の果てに「ワタシに聞かないで欲しい」と逃げてしまいます。それなら政治家との関係を自慢するなと言いたいですよね。

 そんな中で、唯一腹の据わった人間がいました。スコットランドはエジンバラに拠点を置く運用会社の人物。彼の主張は「今こそ、スコットランド独立の千載一遇のチャンスである」と。もしジョンソンの保守党政権が強引に「合意なき離脱」に突き進むのであれば、「スコットランドには、それに追随するのか、EUに残るのか、を選択する権利があるはず」「保守党政権が再度の英国全土の国民投票を認めなくても、スコットランドは独自に域内の国民投票を行い、意思を示せばよい」と。

 もし、スコットランドでEU残留か、離脱か、の投票を行えば、圧倒的にEU残留という結果になりますので、これは10月に向けて、先に総選挙をやるか否かの行方に、大きな影響を与えることになると思います。スコットランドの情勢にも注目です。

 ただし、スコットランドはEU残留、イングランドはEU離脱、という選挙結果になると、大英帝国は完全に崩壊ですけどね。


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