金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【凱旋門賞特集①】 いよいよ10月3日に開催! いつもと違う感覚‼

2021-09-30 06:22:24 | 競馬

 さて、いよいよ今度の日曜日、10月3日にパリロンシャン競馬場で、凱旋門賞2021が開催されます。毎年、日本調教馬による挑戦が続いておりますが、今年は少し特別な凱旋門賞であると感じております。

 

 もちろん、日本から参戦する2頭が、グランプリ3連覇中のクロノジェネシスと、前哨戦フォワ賞を快勝したディープボンドであり、いよいよ日本調教馬による初制覇の期待感が高まっていることもありますが、それが理由ではありません。

 ちなみに、その期待感であれば、2006年の史上最強馬ディープインパクトの参戦時と、2013年のオルフェーヴル(2回目)とキズナの2頭で参戦した時の方が、遥かに「期待感」は大きなものでありました。「いよいよ歴史的瞬間を目撃せよ!」と意気込んでいた競馬ファンが何と多かったことか!

 

 その期待感ではなく、少し特別な感覚がある理由は、やはり、日本生産馬で欧州調教馬のディープインパクト産駒スノーフォールの存在だと思います。

 スノーフォールは、ディープインパクト×ガリレオの3歳牝馬で、英オークスを16馬身差、愛オークスを8馬身差、ヨークシャーオークスを4馬身差で勝った女傑であります。母父ガリレオからは豊かなスタミナとスピードの持続力を、父ディープインパクトからは、どの位置からでも差し切る卓越した瞬発力を受け継いでおり、前哨戦のヴェルメイユ賞で敗れるまでは、凱旋門賞2021の前売り1番人気を堅持しておりました。

 現在でも、今年の英ダービー馬アダイヤー、昨年の米BCターフ優勝馬のタルナワと、ほぼ人気を分け合う有力馬となっており、本番での復活の走りを期待されている存在です。

 

 日本馬による凱旋門賞挑戦は「期待」と「失望」の繰り返しの歴史です。1999年にエルコンドルパサーが逃げ切る寸前にモンジューに差されて2着になった時、日本の期待は最初のピークへ。そして、次が2006年にディープインパクトが、当時の世界1位2位だったハリケーンランとシロッコを直線で競り潰して、これで勝ったと思った瞬間、後ろに控えていたレイルリンクに差されて3着だった時(後に失格)、この馬でも勝てないのかと大きな失望感に包まれたものでした。そして、オルフェーヴルが2年連続で2着となった2012年と2013年この時は、日本馬による凱旋門賞制覇は近いと、再度期待が膨らんだ瞬間でありました。

 しかし、2016年以降、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ゴールドシップ、フィエールマン、ブラストワンピースなどの蒼々たるメンバーが惨敗を繰り返すにつれ、日本馬に「足りない何か」が、どんどん増えていくように感じられていました。日本馬に「足りない何か」が、血統的な「何か」なのか、調教による「何か」なのか、あるいは、全く別の「何か」なのか、答えが遠くなっていく気がしたものです。

 そんな状況下、スノーフォールが登場したのです。日本産馬で、父は日本を代表するディープインパクト、母父が欧州を席捲するガリレオ、そしてトレーナーは欧州最高の名伯楽、Aオブライアン。もし、この馬が凱旋門賞を勝利することが出来れば、「足りない何か」は明確になります。ガリレオに代表される欧州血脈と、Aオブライアンに代表される歴史と伝統のアイルランド流の調教、ということになります。

 一方で、クロノジェネシスが勝利することが出来ると、この馬の父は欧州血脈のパゴ、母母父に近代日本血脈の祖であるサンデーサイレンス、そしてトレーナーは、常に新しい調教方法導入に余念がない、新進気鋭の斎藤崇史調教師ですので、「足りない何か」はほぼ存在しない、ということになります。

 

 そんな風に、今回の凱旋門賞を観ていこうと、私は考えております。

 

【補足】あと、馬場は極端な不良馬場にならないことを祈りたいと思います。いくらクロノジェネシスが重馬場得意と言っても、パリロンシャンの不良馬場は、とんでもなく酷い不良馬場なので、日本調教馬は走る気を失うと思います。

 ちなみに、あの我慢強かった3歳時のマカヒキが、凱旋門賞のレース終了後に、厩務員さんに甘える仕草を頻りにしていました。よほど馬場が堪えたのか、気持ちが幼少時に戻って、母親に甘えるような気分が蘇ったのだと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする