金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【海外GⅠ回顧】 愛チャンピオンS・セントレジャー・ヴェルメイユ賞 他

2021-09-14 06:57:27 | 競馬

 週末に開催された凱旋門賞の前哨戦を振り返ってみましょう。

 

 まずは11日(土)にアイルランドのレパーズタウン競馬場で行われた愛チャンピオンステークス(GⅠ)勝ったのは、今年の仏二冠馬セントマークスバシリカ。4頭立てと頭数は少ないものの、参加メンバーは豪華で、GⅠを複数獲っている馬が3頭集まりました。

 レースは、前半がスロー、後半は瞬発力勝負。3歳最強マイラーの1頭であるポエティックフレア(2021年仏ジャックルマロワ賞GⅠの2着馬)が先に抜け出して粘るところを、ゴール前で大本命のセントマークスバシリカと、4歳牝馬タルナワ(2020年米ブリーダーズCターフGⅠの1着馬)が猛然と差してきて、ちょうど差し切ったところがゴール1着2着3着の着差は「3/4」⇒「ハナ」といった僅差でしたが、きっちり差し切った強さが目立ちました。

 2着のタルナワは、予定どおり、次走は凱旋門賞だと思いますが、問題は、これでGⅠを5連勝としたセントマークスバシリカ。ガリレオ亡き後の欧州生産界で、期待される種牡馬になることが既に決定されており、敢えてリスクを取って2400mの凱旋門賞に挑戦してくるのか? あのフランケルは2000mまでしか走らず、無敗のまま種牡馬生活へ入っています。

 生産界では、すでに2400mでのスタミナよりも、2000mでのスピードおよびスピードの持続力を高く評価する時代に突入していますから、セントマークスバシリカの最後のレースは、ロイヤルアスコットでの英チャンピオンSこそ相応しいと、自分は思っておりますが、Aオブライアン調教師の判断はどうでしょうか?

 

 同じく11日(土)に英国ドンカスター競馬場で行われた英セントレジャー(GⅠ)勝ったのは、今年の愛ダービー馬のハリケーンレーンパリ大賞典に続いてGⅠ3連勝となりました。こちらは予定どおり、凱旋門賞へ駒を進めることになります。今年の3歳牡馬では、フランケル産駒の英ダービー馬アダイヤーと、同じくフランケル産駒の愛ダービー馬のハリケーンレーンが揃って凱旋門賞へ向かいます。

 フランケルにとっては、自身が出走しなかった凱旋門賞に、有力な産駒を2頭も送り込むことになります。

 

 次は12日(日)に仏ロンシャン競馬場で行われたヴェルメイユ賞(GⅠ)勝ったのは、イギリスの3歳牝馬ティオナスローの瞬発力勝負の展開になりましたが、3番手追走から、逃げ粘るジョコンダを差し切ってGⅠ初勝利

 断然の1番人気だったディープインパクト産駒スノーフォールは、5番手追走から、いつもの切れ味が出せず、2着に上がるのが精一杯という内容。仕上げが十分でなかったせいなのか、連戦が続く疲れのせいなのか、いずれにしても、期待を大きく裏切る内容になってしまいました。体調に不安があるということであれば、本番出走に暗雲が立つことになります。

 

 最後に同じく12日(日)に仏ロンシャン競馬場で行われたフォワ賞(GⅡ)勝ったのは、日本から遠征したキズナ産駒の4歳牡馬ディープボンド好スタートから、押し出されるように逃げる形に。Cデムーロ騎手が、上手くスローペースに落として、2番手以下は引っかかるくらい。ラスト600mでスパートをかけると、1番人気のブルームが一瞬競りかけたぐらいで、あとは楽に突き放して完勝。ディープボンドが、現地の低評価を覆す形で勝利を収めました。

 凱旋門賞の前哨戦として、最も本番に繋がるレースが、このフォワ賞。その勝ち馬が日本から来たディープボンドだったことから、現地での評価は一気に見直されることになると思います。本番に直行するクロノジェネシスと併せて、日本馬への期待が膨らむ結果となりました。

 

 さて、この週末の結果を受けて、凱旋門賞の前売り人気が大きく変動しているようです。頭一つ抜けた1番人気だったスノーフォールの評価が落ちて、4番人気まで下落。替わって、1番人気に躍り出たのが、今年の英ダービー馬でキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬アダイヤー。そして差のない2番人気が、同じく愛ダービー馬で、パリ大賞典と英セントレジャーを制したハリケーンレーン。さらに、仏二冠馬で、愛チャンピオンSを勝ったセントマークスバシリカが3番人気。

 今年は、3歳牡馬に人気が集中する凱旋門賞になりそうです。一方で、フォワ賞で見事な逃げ切り勝ちをしたディープボンドは、泡沫候補から一気に5~6番人気に評価を上げた模様。また、評価を落としたスノーフォールも、体調不安でなければ、また本番での巻き返しも十分にあり得ます。10月3日のロンシャン、楽しみに致しましょう!


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