金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【2歳サイヤーランキング】 大混戦になっている理由は?

2021-09-18 08:20:38 | 競馬

 次の種牡馬ランキングを占う意味で重要な指標の一つ、2歳サイヤーランキング2021年の2歳サイヤーランキングは、例年にないほど大激戦、大混戦になっております。

 もともと、2歳サイヤーランキングというのは、新種牡馬の評価を上げたいがため、有望な新種牡馬の産駒を、可能な限り早めにデビューさせて成績を上げさせる意向が働くので、6月~9月の成績は、新種牡馬がスタートダッシュする傾向にあります。

 一方で、サイヤーランキングの常連の種牡馬のうち、既に亡くなっているディープインパクトやキングカメハメハ、また種牡馬引退が決まったハーツクライの産駒については、既に評価も固まっている上に、残された産駒が限られており、大事にデビュー時期が決められるため、サイヤーランキングの途中経過が全く気にされないので、2歳サイヤーランキングは『出遅れスタート』となる傾向があります。

 かてて加えて、ポストディープ、ポストキンカメを争う種牡馬戦線は、先行するロードカナロアをはじめ、エピファネイア、キズナ、モーリス、ドゥラメンテの5頭が全く差のない闘いを繰り広げております。

 以上3つの要因によって、2021年の2歳サイヤーランキング争いは、例年になく大混戦となっているのです。

 

 とは言え、いずれ秋のデビューを待っている有力なディープインパクト産駒が数多く存在するため、ディープが混戦の中から抜け出してくる可能性が高いとは思いますが、今年の新種牡馬の状況について、現時点の評価をしておきたいと思います。

 まずは「期待どおりに活躍している新種牡馬」。9月12日現在、2歳サイヤーランキング第1位のドレフォンが挙げられるでしょう。デビュー頭数46頭で11勝、すでにジオグリフが重賞(札幌2歳S)も勝利しています。それから、イスラボニータ。デビュー頭数23頭で5勝、まぁギリギリ期待どおりのレベルと言えます。

 次に「期待以上に成果を出している新種牡馬」。何と言っても、シルバーステートでしょう。デビュー頭数27頭で8勝、ファーストシーズンサイヤーランキングはドレフォンに次いで第2位。特に、中小牧場が多い日高地方中心で成果を出しているので、日高の生産界の救世主ともいえる存在です。そして、キタサンブラック。デビュー頭数17頭で5勝は立派の一言。

 一方、「期待ほど成果が出ていない新種牡馬」としては、アメリカンペイトリオットザファクターの外国産馬2頭。前者はデビュー頭数25頭で2勝、後者はデビュー頭数22頭で1勝のみ。短距離路線の期待種牡馬ビックアーサーも、デビュー頭数22頭で2勝。サトノアラジンディーマジェスティは、デビュー頭数19頭で3勝、同じくデビュー頭数15頭で2勝。特に、高額な資金を出して購入されたアメリカンペイトリオットとザファクターの関係者は少し焦り始めていることでしょう。

 

 もちろん、まだはっきりした趨勢が出ている訳ではありませんので、これからも目が離せません。一方で、種牡馬は人気商売ですから、途中経過も良くないと、どんどん種付申込に影響が出てきてしまいます。特に、新種牡馬や若い種牡馬にとっては、途中経過も大事。

 このBlogでは、2歳サイヤーランキングや、2019年世代別サイヤーランキングといった形で、次世代を担う種牡馬の動向を、ときおりお伝えしていこうと思います。


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