夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

バンクシー

2024-06-03 07:59:49 | 日記

美瑛町に元小学校だった建物を改築して再利用しているものの一つとして「西美の杜美術館」があります。写真家前田真三さんの拓真館も旧小学校でありそのような建物の代表格でしょうか。

この美術館は、私達が美瑛町に住み始める前まで俳優の榎木孝明さんが世界各地を旅して描いた水彩画100点余を展示していましたが住み始めた時には閉館してしまっていました。その後町としては再利用を模索していて、今年から地元の篤志家が設立した会社が町の指定管理者に選定され、その会社が所有するバンクシーの作品のレプリカ50点を展示する形で再オープンしています。期間限定で秋までの展示だと聞いています。昨日訪れて見ました。

バンクシーは時々世界の目を集める覆面落書きアーティストとして有名ですが、意外と私達は知らないことが多く、この人の作品にオリジナルとかレプリカがあるのだろうか?、著作権は存在するのだろうか?、サザビーズなどのオークションで高額で落札されているもののお金はどこに行くのだろうか?等々です。

美術館の受付の男性にその辺を聞いて見たのですが、あまり詳しくはなかったものの彼の話とその後ネットで得た情報によるとこういうことでした。バンクシーの作品のレプリカは、出身のイギリスにWCP(West Country Prince)という会社がありそこの職人さん達が作品のレプリカを制作している。この会社は別にバンクシーの公認というわけではないがその活動は黙認されていて、恐らくオークションなどで10億円単位の高額で取引されている彼の作品に嫌気がさしているバンクシーは、こういう会社の3万円前後で販売されているレプリカ制作にエールを送っているのではないかということです。

彼の作品にはキャンバスに描かれたものもありますが、多くは街中の建物や壁などに型紙(ステンシル)を当てて塗料スプレーで描く作品が多いためステンシルさへしっかり作ればいくらでも複製は可能でしょう。それだけにこのWCPは制作枚数を限定していて、版画のように制作枚数を書き記しているようです。

作品を見て歩くと、どれも一度は見たことがあるような風刺画の数々に改めてなるほどと感心してしまうものでした。資本主義や大量消費文化への批判や今起きているガザやウクライナでの悲劇に彼の視点は鋭いなと感じさせてくれるには十分でした。

ベトナムでナパーム弾から逃れる少女とアメリカの象徴

天安門広場で戦車に抗議する男の持つゴルフセールの看板

20世紀に世界中の人に衝撃を与えたこの2つの写真を取り上げた作品には改めて見入ってしまいました。

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